聖霊降臨祭に続いて、予定通り火曜日もミュラー・カトワール醸造所に試飲に出かけた。やはりなかなか面白いという感じだ。理由は、程度の高い2014年産が余っていて、試飲出来るからだ。試飲出来る機会を逃さないことは経験の積み上げにとても重要である。
2015年に関してはどこも苦労している。正直2014年以上には期待できないと思っている。しかし、一年前は青白くとも薬草風のスパイシーな2013年産が良いと思っていた。傾向としてはしり上がりに分厚いワインになってきている。その意味からも2014年産はそんなに悪くないと気がついた。少なくとも当初から予想されたように時間が経つことが要求された年度で、今ものによっては初めて真価を表しているものもある。
その代表格が2014年オルツリースリング「ハールト」であり、酸が引っ込んだ感じがするのは結構なミネラルがあるからで、それによって感じる苦味的なものはミネラルである。正直二三年前まではあまり評価していなかったのだが、ラーゲンヴァイン「ビュルガーガルテン」の小ぶりなものとしてその価格12ユーロでとても楽しめる。若干通向きなのだが、食事にはとても合わせやすい。
勿論試飲会で出されたツナの刺身と海藻の胡麻和えには、2014年ヘーレンレッテンのグラウブルグンダーが格別だったが、こちらは価格18ユーロとあまり瓶熟成を期待できないピノグリには若干高価である。同じヘーレンレッテンからの2014年のリースリングも華やかさがあり、酸も効いていて良いのだが、好みは石灰質のリースリングに関する見解で分かれるだろう。決して悪くはないのだが、18ユーロを個人的には石灰質リースリングには投資出来ない。瓶熟成の可能性があまり無いからである。
他のブルグンダー種に関しては充分に残糖を抑えてはいるのだが、特別な魅力はなかった。ビュルガーガルテンに関しては2015年はやはり2014年の魅力はなかった。レープホルツが苦労しているのと同じような状況がここにもあった。
面白かったのはフランツェン親方と話していて、リースリングの瓶熟成の局面の話が出てきたことで、所謂谷と山議論である。勿論サイン波のように綺麗にはなっていない。そこが面白いところであるが、彼に言わせると、ビュルガ―ガルテンで落ちてきて、ガールトで上っているということは次にビュルガーガルテンが上ることを指している。この辺りの感覚は造る方にも愛好者にも重要な時間軸での思考である。
それが、ブリュクリン・ヴォルフ醸造所では、2015年グーツリースリングを完全辛口に発酵させて、つまり残糖値を4gほどにして、重量感を避けた賢明な醸造が行われていた。これならばレープホルツ醸造所の「オェコノミラート」とまではいかないが、結構楽しめるワインになっていた。そして2014年産のオルツリースリングが今漸く真価を発揮しだしてきた。グローセスゲヴェックスは50ユーロ以下では入手困難になって来た今、そのテロワーを楽しみつつ、瓶熟成を期待できる20ユーロ以下のリースリング、これは貴重なのである。同価格帯のロベルト・ヴァイル醸造所のキードリッヒとは比較にならない品質である。
参照:
最後のグレーフェンベルク 2016-02-21 | ワイン
三つの醸造所を比較する 2014-11-04 | ワイン
2015年に関してはどこも苦労している。正直2014年以上には期待できないと思っている。しかし、一年前は青白くとも薬草風のスパイシーな2013年産が良いと思っていた。傾向としてはしり上がりに分厚いワインになってきている。その意味からも2014年産はそんなに悪くないと気がついた。少なくとも当初から予想されたように時間が経つことが要求された年度で、今ものによっては初めて真価を表しているものもある。
その代表格が2014年オルツリースリング「ハールト」であり、酸が引っ込んだ感じがするのは結構なミネラルがあるからで、それによって感じる苦味的なものはミネラルである。正直二三年前まではあまり評価していなかったのだが、ラーゲンヴァイン「ビュルガーガルテン」の小ぶりなものとしてその価格12ユーロでとても楽しめる。若干通向きなのだが、食事にはとても合わせやすい。
勿論試飲会で出されたツナの刺身と海藻の胡麻和えには、2014年ヘーレンレッテンのグラウブルグンダーが格別だったが、こちらは価格18ユーロとあまり瓶熟成を期待できないピノグリには若干高価である。同じヘーレンレッテンからの2014年のリースリングも華やかさがあり、酸も効いていて良いのだが、好みは石灰質のリースリングに関する見解で分かれるだろう。決して悪くはないのだが、18ユーロを個人的には石灰質リースリングには投資出来ない。瓶熟成の可能性があまり無いからである。
他のブルグンダー種に関しては充分に残糖を抑えてはいるのだが、特別な魅力はなかった。ビュルガーガルテンに関しては2015年はやはり2014年の魅力はなかった。レープホルツが苦労しているのと同じような状況がここにもあった。
面白かったのはフランツェン親方と話していて、リースリングの瓶熟成の局面の話が出てきたことで、所謂谷と山議論である。勿論サイン波のように綺麗にはなっていない。そこが面白いところであるが、彼に言わせると、ビュルガ―ガルテンで落ちてきて、ガールトで上っているということは次にビュルガーガルテンが上ることを指している。この辺りの感覚は造る方にも愛好者にも重要な時間軸での思考である。
それが、ブリュクリン・ヴォルフ醸造所では、2015年グーツリースリングを完全辛口に発酵させて、つまり残糖値を4gほどにして、重量感を避けた賢明な醸造が行われていた。これならばレープホルツ醸造所の「オェコノミラート」とまではいかないが、結構楽しめるワインになっていた。そして2014年産のオルツリースリングが今漸く真価を発揮しだしてきた。グローセスゲヴェックスは50ユーロ以下では入手困難になって来た今、そのテロワーを楽しみつつ、瓶熟成を期待できる20ユーロ以下のリースリング、これは貴重なのである。同価格帯のロベルト・ヴァイル醸造所のキードリッヒとは比較にならない品質である。
参照:
最後のグレーフェンベルク 2016-02-21 | ワイン
三つの醸造所を比較する 2014-11-04 | ワイン
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