Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

難しいのはセレクション

2009-10-23 | 雑感
世界中共通の今最も熱い話題は新型インフルエンザのワクチンの接種問題であろう。特に限りがある数の中から誰に何を接種するかである。それ以前には有料か無料か、保険内か外が囁かれていた。既に病院関係者や非常事態対策の面々が優先権を得られていたが、そこに政治家が加わるのかどうかの判断が議論されたようだ。

結局危機管理総本部長であるメルケル首相も通常の順序で接種を受けて、効果のある方の接種はそれが効かなかった場合に限られるという。ドイツ連邦共和国はセレクションに関しては特に厳しい議論がさされるのは歴史的教訓から当然であろう。

もちろん一般市民においても任意で接種が受けられるのだが、効果のある方かない方かを選択する余裕はないという。要するに効果があるということは副作用が強く、子宮ガンなどの危険性が既に分かっており、強い副作用で限られた率で死亡者も出るといわれている。

そこで議論となるのが、未だ本格的になっていないエピデミーで死者が出る率と接種で死者が出る率の比較など、本来はセレクション以上に複雑な倫理がそこで議論されないといけないことになるようだ。

連邦共和国の一般市民の多数は接種に対して慎重な態度を示しているようだが、いざ周りで死者が続出するとパニックになる事は見えている。またどこの国も、合衆国のように化学攻撃を受けたときのための大掛かりなワクチン製造施設などがないのが一般的である。

こうした難しい判断をして接種をしても実際にその頃には新型インフルエンザの危機から脱しているだろうとするのが専門家の観方である。そして最も効果的なエピデミー防止策は手を洗うということらしい。

余談であるが、連邦共和国の徴兵期間が九か月から六か月に短縮されるらしい。最初の三か月が基礎訓練で、二か月が特殊訓練、最後の一月が専門分野での訓練となるようだ。国防費というのも実は危機が起こらなければ無駄でしかない代物なのである。さもなければそれは市民が自らで自衛するイデオロギーでしかない。

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