Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

倹約家たちの意思の疎通

2008-03-05 | 生活
ドケチと言われようが、金の計算に余念がない。

地元のVDPの百周年催しに因んで、久々に誕生日祝いにある未亡人を招待する。すると、希望するプレゼントを尋ねられた。今まで希望商品を提示した経験はあまりないので、色々と考えた。そして、メインとなる宴席の費用から、略同額額を設定して、記念になるものという前提で今欲しいものを探した。昔その友人からは、グラッパやシャンペン類を貰ったことがあるが、記憶に残るものであっても記念になるものではなかった。

最初から書籍やメディア類を考えたが、あまり廉いものならば、いつでも簡単に買える。お買い徳DVDなら自分でも買え、割高商品ならば貰っても少し無駄な気がしてあまり嬉しくない。廉くクラッシックな内容や豪華本の書籍もネットサーチしたが、本当に欲しいものは自ら買えて、もしくは買えないほど高価であって、プレゼントとしてあまり実際的ではない。

そして新聞の文化欄に載っていて、その紙面を取っておきながらその内容を読まずにいたある作家の名前を思い出して、それを古新聞の束から探した。その作家の初期の成功作は今も大事に手元においてあるが、今回の新著は自分にはあまり馴染みのない時代・世界の文学に関するもので、内容を把握するのが億劫でその記事に目を通さずに重ねておいたのである。

そして今、新著が丁度発刊されることを知り、ちょうど好都合な価格なのを知った。もし自分で買うとなれば、敬遠していたかもしれなく、仕事関係で購入する事もなかった書籍なのである。そうなれば、この新刊ほどプレゼントに相応しいものはない。本年発売されるドイツ語の本のなかでは間違いなく、話題になる本なのである。

そう思うとどうしても欲しくなり、初版本なら更に嬉しい。今年のクリスマス前には沢山プレゼントとして購入されるであろうこの書籍を、こうして早い時期に手元に置ける幸せがあるのだ。

その希望商品をネット上のリンクと共に、招待の概略としてメールにて送ると、先方からまた大変嬉しそうな返事が返ってきた。宴席の費用も隠さずに明白に書かれている広範な情報であるから、シュヴェービッシュ人の彼女は、こちらと同じようにきっちりと 計 算 したに違いない。

そして、こちらの 計 算 をしっかり把握して、最も好適な商品を選択したことを喜んでいるのである。なんとか間に合わせて入手出来るかどうか楽しみだと書いている。

前日高齢出産のキャリアー人生を歩む娘さんの引越し手伝いに疲れた声を電話で聞き、心配した所であるが、そのメールの文章はなにか弾んでいる。

ここに、同じ金額を支出するにしても、招かれる方は自費で宴会に参加しても決して面白くなく、招く方は新刊書を自費で買う気もしないという平衡関係が成立している。そして、招かれ贈られの経過にあるプラスアルファーが計り知れない。

そしてなによりも金の有効な使い方と計算は、こうしたシュヴァーベンの経済学をもってして初めてその恩恵を実感出来るのである。これはやはり金の文化なのである。

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