Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

テプコの海岸井戸試料検査

2013-07-11 | マスメディア批評
吉田所長の訃報は世界を駆け巡った。福島の現実を直視していないのは当事者である日本人だけであろう。本来ならばアベノミクスや憲法云々のところではないのだが、少し距離が離れているだけで人事だと思わされている。日本の原子力政策が欧州のそれと違って日常の視覚から消されたところに発電所を大量に作って、それを意識させずに電力を消費させている構図がここでも功を奏している。なんて日本の官僚は馬鹿な大衆を欺くことに長けているのだろうか。

そしてここに来て、その排水が地下水脈として溢れ、今後何百年も海洋に薄められて流されていくことが明らかになった。地下水脈の濃度が上がる状態では、もはやそれを阻止することは不可能に違いない。そのことは、大気汚染と同じぐらいに当初から想定されていたことであり、その汚染は途轍もなく大きくなる。

ARDのアーカイヴで、伴氏がその手遅れとやるべきことをやらなかったテプコでは手に負えないことを語っているが、テプコの連中は自身の在職中そして退職金を貰うまでのことであり、官僚も政治家も百年どころか二十年先のことにも興味が無い。誰も責任を取らないのは大日本帝国のそれと同じである。

しかし、とりわけ福島の住民は、その土地を追われて、漁民は少々場所を移したぐらいでは金輪際漁などが出来るはずがないのである。未だに風評被害などという言葉が流布しているようだが、これは福島に漁協が存在するのと同じぐらいな七不思議である。

テプコは、その汚染水に関しては、どんどん薄めることで海洋投棄が出来るまでに濃度を下げて、管理しながら減らしていくことをもくろんでいたのだろう。現在もその濃度が上昇している汚染した地下水は海に流れている証拠は無いと嘯いている。恐らくその地下水の海への出水地点などは熟知していてその場所に海洋の渦を置くようにして希釈効果を高めるように努力しているに違いない。

時間稼ぎとして放射能の値が高く出るようになった原因調査をしているようであるが、それが分ることで海への排出を防ぐことが出来るというのだろうか?微粒子が汚染されていようが、水が汚染されていようが、海に流れてしまうなら同じである。テプコが思い掛けないところで隠しおおせない規模で汚染が進んでいることを注視すべきである。サムプルにフィルターで濾過して何もかも除けるぐらいなら問題は無いわけであるが、そのようなことが簡単に出来るようならば誰も心配しない。こうした原子力行政を推し進める政府を、選挙によって御墨付きを与えるような国民が全て悪いのである。



参照:
フクシマ後の現状認識研究 2012-08-22 | BLOG研究
「緑の党」結党と国会大包囲 2012-07-31 | マスメディア批評

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