Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

PCオーディオの吟味

2016-06-22 | テクニック
デジタルコンサートホールの動画について書いた。今度はベルリナーフィルハーモニカ―のハイレゾリューション録音オファーを聞いてみなければ片手落ちと思った。残念ながらそのようなサムプルはサイトには無かった。だから交換サイトにシューマンの交響曲全集が落ちていたのでそれをFLACで2GB以上落とした。

24Bit48kHz(それどころか96kHzも出ている)で録音していることは分かっているので、FLACのオリジナルがなにかは聞いてみれば直ぐに判断可能と思った。Foobar2000で開いてみるとそのまま再生可能となった。四曲の楽章を数楽章流した。直ぐにハイレゾリューションであることは確認できた。

周波数は30kHzまで十分に出ているようだが、20kHzまでも聞こえない年齢層でもその定位感や空気感は聞き取れる筈である。最もはっきりするのは音がのびのびと響くので喧しくは響かないで幾らでも音量を上げれることだろうか。要するに歪も少なく、スタディオモニター水準となる。

そして気がつくのは、低音の悪さであり、コントラバスを中心に向けられているマイクロフォンの設置の不味さである。要するに録音エンジニア―の能力の低さである。なるほど売り物にしているのだろうから拍手などは切られているのだが、その編集も放送録音以下である。レーベルの作られたライヴは録音・編集共に到底及びつかないのは仕方がない。しかし最低ラディオ放送のヴェテラン技師程度の録音はして欲しい。

よって、録音の物理的特性が良いだけに演奏の良さも悪さも手に取るようにあまりにも明白で、ある程度音楽を聞き慣れた耳にとっては繰り返しの試聴にはなかなか耐えられないかもしれない ― サイモン・ラトル卿に代わって弾き直させたいところが頻出する。但しオーディオファンの要求には十分に応えるのではなかろうか。最終的にはDL販売価格とその価値判断となるのだろう。市場的には殆ど意味をなさない。そしてブラームスが無くてシューマンだけが出ているのも、交響楽団の方が非正規にこれをサムプルとして認めているのかもしれない。

繰り返すがデーターは正真正銘のハイレゾリュ―ション録音である。交換サイトを探してもこれに準ずるような素材は殆どない。ここで手元にあるSACDと比較するとやはりハイレゾリューションの方がスタディオ水準に達している。なるほどSACDの方のコピー防止などの努力は分かるが、こうしてハイレゾリュ―ションが知られると現在のSACD規格では厳しいかもしれない。

一方、幾ら製作費が掛かっていないと言ってもこうした商品でもあるものが簡単にネットに転がっていることで分かるように、一度ネット販売してしまうとコピー防止どころかっ拡散を抑えるのは不可能である。やはりダウンロードできないぐらいのメディア形式を考えなければ真面な制作も市場も形成されないことは言うまでもない。

PCオーディオははじめたところなので、まだまだ結論は出せない。そして技術的にはまだまだ発展する可能性がある。それ以上に興味深いのはこれを享受する人々のライフスタイルやHiFiオーディオにおける音楽体験の可能性である。E-Musikの世界ではこの可能性が享受されない限り市場の形成は難しい。



参照:
音楽体験の機会を奪う動画 2016-06-19 | 音
精霊降臨のハイビット処理 2016-05-20 | 暦

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