Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

軽重が秤に掛けられる

2016-05-21 | 雑感
有機リン化合物のグリフォサットがベルリンの首相、副首相間の確執となっている。ブルッセルでの認可許可延長に伴う賛否が分かれているからだ。除草剤として世界中で生産されていてモンサント社だけではない農業化学製品である。反対するのは社会民主党のガブリエリ副首相である。勿論ガン発生要因となっている農薬である。新聞の文化欄は書く。もしそれを理由として禁止するならば、SPDは将来的に夜勤も牛ソーセージも禁止するのだろうかと。

当然のことながらその危険性の軽重が秤に掛けられるわけだが、問題はこれを使わなければいけない農業の実態である。農業生産のグローバル市場での競争力が問われているのである。雑草などを処理するにはそれなりの労力が必要とされて人件費などを掛けてはいられない。要するに経済的な価値が問われている。

ワインにおいては国際競争力を強化するためにこうした化学薬品を一切使用しないことからその市場価値が上がり、国際的な市場競争力を強化することになるが、人件費を掛ければ掛けるほど上がる価値に相当する市場が形成されるかどうかが肝心である。

PCオーディオ事始めをなしたのであるが、都市伝説と言われるUSBケーブルによる音質の相違などの情報が目に入る。アマゾンオリジナルを購入したのはタブレットの充電で信じられないような効果があったからだが、デジタル信号の伝送と電流量とでは話が全く異なる。試しに古いプリンタ用の短めのケーブルと比較してみると、その音の違いを感じる。しかし違いがあるだけで、どちらが総合的に優れているかまでは判断が下せない。恐らく音質の差があるというのは音色の差ではないかと思う。なぜデジタル回線で音が変わるのかは分からないが、重要なのは質の良し悪しで好みではない。

趣味の世界は嗜好の差の世界であり、決して客観的な質の差ではないというのは、ワインでもオーディオでもなんら変わらない。それでも客観的な判断基準を与えれば誰もがブラインドテストでも同じような決断を下せる質の差は存在する。

リースリングにおいても、人によっては石灰質の酸が好きな人も居れば、好まない人も居る。但し瓶熟成を楽しむリースリングとなると石灰では駄目で、リースリングのミネラルの構築感などを楽しむ向きには嫌われる。前者は客観的な判断基準で、後者は嗜好の問題でしかない。更にワインにおいては、工業生産物ではなくて世界中で栽培されている農業生産物であり、テロワーと呼ばれるその土地の気候や土壌を反映するとなれば、多様多種あって興味は尽きないのである。特に日本のような島国にあっては、箱庭のようにそのような世界のワインを楽しむことが大きな趣味となることは理解できる。そのように目先が変わることで趣味的な関心を、謂わば収集癖が刺激されるということになり、要するに質よりも量に関心が向かうのである。

USBケーブルなども通常の商品ならば500円程度で購入できるので、これを買い占めてあれやこれやと吟味する人も居るかもしれない。そうした収集癖に目を付けてとても高価なケーブルも販売されている。ワインに関してもそのような市場も一部の生産者にとっては目の付け所となり、ゲテモノから法外な高価なワインまでが同じように鴨を探しているのかもしれない。そこに様々な都市伝説的に生産者が作ったエピソードなどを交えれば販路が開かれるのかもしれない。所詮そうした嗜好品ではあるが、一方においては食生活に欠かせない食中酒として考えるならば、若干事情は異なってくる。そこから客観的な品質の基準が自ずから生まれて来るのである。



参照:
モンサントの種はどこへ? 2016-05-19 | 雑感
同軸RCAラインケーブル 2016-05-02 | 音

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 精霊降臨のハイビット処理 | トップ | モンサントがバイエルになる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿