Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

メッカでのオペラプリマ

2012-06-11 | アウトドーア・環境
ガルダゼーから帰って来た。こちらから出かけると北チロルから南チロルへとブレンナー峠を越えて、ドロミテに行くのと同じぐらい遠い。よって岩登りには全く興味の無かった地域であったのだが、予想とは反して登る壁の大きさに驚き、ビッグウォールが存在することも知った。

初日の岩登りゲレンデに続いて、翌日は三本合わせて12ピッチ、翌々日は14ピッチのところを12ピッチで雨のために撤退した。団体で女性と少年一人を含む八人の三ザイルシャフトとしては良く登った。

個人的には、つるつるになった足掛かりの使い方を練習したのと、なによりも我々のセクションの若手のホープとザイルを組んだことであろう。ウクライナ系の23歳の父親もチェルノブィルの時は既にドイツにいたようで勿論本人は全くそれを知らない。クライミングをはじめて僅か半年なのだが、大きな壁を代わり番こに登っても違和感が無いのだ。もう一二年で八級もしくは5.12を目指せるのではないかと言われているのが良く分った。

噂を聞いていて軽薄に行ってしまうタイプかと感じていたが、それとは反対に難しい場所を登っているのを見ると落ち着いたヴェテランのようなのだ。それでいて学ぶ能力も尋常ではなく、砂に流す水のように吸収してしまうので、こちらはいい加減なことは出来ず、いい加減にヴェテラン面をしても意味が無いだろう。

雨に襲われて、摩擦登攀の岩肌が滝のようになったときは流石に不安を示したが、我々でもそれは同じで、順番を変わって、なんとか誤魔化しながら登るだけのことなのである。

さてスポーツクライミングのメッカと呼ばれているガルダゼーであるが、その可能性はウインドサーフィンやその他のスポーツと同じように無尽蔵に近い。但し、どのようにそれを楽しむか使うかは個人差があるだろう。ヨセミテのそれに比較できるほどのビッグウォールは改めて登ってみたいが、その価値があるのかどうか?

それにしても、二人だけで登った100M足らずのルート「オペラ・プリマ」、困難度5bなのだがとても短くコムパクトで、今回最も気持ち良く登れた素晴らしいルートであった。


写真:オペラプリマの核心部第二ピッチ

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