Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

第八交響曲をキャンセル

2012-05-09 | 文化一般
ルツェルンからメールが入った。なんとマーラーの第八交響曲に代わってベートーヴェンとモーツァルトのレクイエムが演奏されるとプログラム変更の連絡である。これではまるで日常茶飯に起こっているスイスの詐欺行為そのものである。

今回のフェスティヴァルのオープニングに開会の辞に続いて演奏される筈であったコンセプトの基本にあるプログラムであったので、演奏者の交代はあってもプログラム変更は無いと誰もが考えていた。

指揮者アバドは今年に入ってからも直前にキャンセルなどを繰り返しているので、ラテン系人としてこうした変更は無いことは無いのだろうが驚きをもって迎えられている。

以下が変更通知のメールの原文で、芸術的理由としか記されていない。早速問質してみる心算であるが、十分な情報は得られないかもしれない。

Sehr geehrte Damen und Herren,
Wir teilen Ihnen mit, dass am 8. August sowie am 10. und 11. August Claudio Abbado das folgende Programm mit der folgenden Besetzung im KKL Luzern dirigieren wird:
Ludwig van Beethoven:
Bühnenmusik zu J ohann Wolfgang von Goethe's Tragödie "Egmont", op. 84 (1809/10) für Sopran, Sprecher und Orchester
Pause
Wolfgang Amadé Mozart
Requiem in d-Moll KV 626 (1791)
Edition von Franz Beyer

LUCERNE FESTIVAL ORCHESTRA
Chor des Bayerischen Rundfunks und Schwedischer Rundfunkchor
Claudio Abbado, Dirigent
Juliane Banse, Sopran (Beethoven)
NN, Sprecher
Anna Prohaska, Sopran (Mozart)
Sara Mingardo, Alt
NN, Tenor
René Pape, Bass
Dieses Programm ersetzt die ursprünglich geplante 8. Sinfonie von Gustav Mahler aus künstlerischen Gründen.
Das Konzertprogramm vom 17. und 18. August bleibt unverändert.
Die Eintrittskarten für die drei Konzerte am 8., 10. und 11. August behalten ihre Gültigkeit.
Wir wünschen Ihnen ein schönes Konzerterlebnis und freuen uns auf Ihren Besuch!
Mit freundlichen Grüssen
Michael Haefliger Friederike Reich
Intendant Leitung Sales

ネットにおいても、指揮者にとって最大のイヴェントを容易に変えるとは思われないので、芸術的以上に健康上の理由との推測もある。しかし今週ベルリンで指揮台に立つ予定であり、それほど健康状態が悪いとは考えられない。

もう一つのブルックナーの交響曲のプログラムはそのままなので、理由は分らない。マーラーのこの大曲自体もレパートリーとしてベルリンでも振っていたことからすれば今更の感は強い。

以下に元々のプログラムを貼り付けるが、テルツュァー少年合唱団や歌手などの問題ではないであろう。

Gustav Mahler
Symphonie Nr. 8 Es-Dur
("Symphonie der Tausend")
Mitwirkende:
Anna Prohaska, Sopran
Juliane Banse, Sopran
Anna Larsson, Alt
Sara Mingardo, Alt
René Pape, Bass
Chor des Bayerischen Rundfunks
Einstudierung: Michael Gläser/Peter Dijkstra
Schwedischer Rundfunkchor
Tölzer Knabenchor
Lucerne Festival Orchestra
Dirigent:
Claudio Abbado

そしてHPには次のようなテロップが流れる。

Claudio Abbado hat sich aus künstlerischen Gründen entschieden, in seinen Konzerten mit dem LUCERNE FESTIVAL ORCHESTRA am 8., 10. und 11. August neu Beethovens Bühnenmusik zu «Egmont» sowie Mozarts Requiem zu dirigieren.

これは明らかに、マーラーのこの曲の演奏を断念せざるを得ない理由が存在すると言うことで、指揮者の芸術的判断であることを明白にしている。理解不可である。



参照:
原発零でも電気零ではない 2012-05-06 | アウトドーア・環境
小細工では動かない大波 2012-04-20 | 雑感
ほとんどコンサートゴアーの様 2012-04-17 | 文化一般

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2 コメント

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Unknown (frostcircus)
2012-05-09 10:23:56
こちらでもその話でもちきりです。
十分な準備を要する選曲ですから、キャンセルというのも不自然ではないですが、
現段階、このタイミングで振れないというなら、自ら推す指揮者を立てるべきでしょうね。
逃げ口上なら健康上の理由にするほうがよほどマシです。
ルツェルン音楽祭復興の立役者、という持ち上げられ方も気分が悪かったのですが、
これで一気に醒めたとところです。
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健康上の理由は憶測でしかない (pfaelzerwein)
2012-05-09 14:32:34
健康上の理由でのプログラム変更は小沢でもあったようですが、そうした状況にあるようには思われない。長い曲を振れない?楽章間の休憩は可能。下準備は別にできるので、リハーサルはそれほど変わらないはずですが。

寧ろヴィーンで「グレリーダー」を聞いた印象では、結構苦労するだろうなの予想はありました。

健康上の理由は憶測でしかないので、もう少し情報収集の必要はありそうです。代役に譲らないのがミソで、理解し難いです。
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