Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

屋根裏のジェットストリーム

2012-02-26 | テクニック
初めて湯沸かし器を購入した。欧州ではそれが上手く機能することは知っていたのだが、ガスでやかんをかけて沸かす習慣が今まで抜けずに、電気コンロで沸かしていたのである。それどころか新しいケトルを購入したのは昨年のことだった。

電気消費を抑える出来る限りの方法として、また冬の篭り部屋での生活を考えて湯沸かし器を試してみたいと思っていたのだ。篭りの季節の終わりが見えてきた今になって漸く購入に相成った。

様々な商品をネットで調べて同じ商品をスーパーで見つけたりしながら、小型の瀟洒なものが欲しかったのである。そしてテーファル社の商品に決定した。同社の製品としてはアイロンに続いて二つ目である。

世界的に家庭電化をリードするブルゴーニュのSEBグループの一つのブランドで、その規模ではサンヨーを吸収したチンタオのハイヤー社などには到底及ばないが気の利いた商品を出している同グループのなかでも特色のある中核ブランドである。

量は、お茶を飲むだけなので一リッターも必要ないのと思ったのだが、現物をスーパーで見て外形の大きさなどで問題なく、少なめに沸かせば全く問題なく消費削減が出来ると考えた。

二三日使用した印象では、沸く速度も十分に速く、丁度適量が湧かせることも確認できて満足している。2400Wの消費も時間を掛け合わせればコンロと比べて可也低くなるだろう。欠点としてアマゾンなどに挙げられていた、沸かすときのアダプター上での重心の高さと不安程度は、子供のいる家庭では返品ものであるが、通常に使っていてひっくり返るようなものではない。寧ろ、沸いたら直ちにアダプターから外して机の上などに置き換えることで安定しているので、周りもそれほど熱くならずに使いやすく安全である。煩わしさが皆無である。

ただし沸かすときの激しいジェットストリーム音で強烈で、まるでB737キャビンでのエンジンへと送られる燃料菅系の激しい轟音を想起させるのである。まさに離陸直前になると自動的にスイッチが切れてお湯が沸きあがる。

しかし、注ぎ口から蒸気が吹き上がる様子が確認できないので、正しく上の音の発生するメカニズムが発熱体とそのお湯の対流の加減から得られたものであることが推測されるのである。当然のことながら暴れ狂う水が口から飛び出してくるようなけれんも無い。

同様に注ぎ口から尻漏れする気配も全く無くて、流体を把握したエンジニアリングと見た。ドイツのエンジニアーならば、重心の安定と蒸気の処理などを考えて、中庸な商品となるところだろうが、やはり目的を貫くフランス人の思考回路は異なるのである。

そのように如何にもフランスらしい商品で、そこに魅力がある。なるほど同じような商品は半分ほどの価格の20ユーロほどでも購入できるが、機能的にも抜かりなく、湯沸しにも文化性を感じさせてくれるこうした商品はやはり購入した満足度が高いのである。SEBグループの世界的な高評価を裏切らない製品である。



参照:
ブルゴーニュ風味付けのアイロン 2010-04-02 | 雑感
排出零の節約ライフスタイル 2012-02-04 | アウトドーア・環境

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4 コメント

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うちでも重宝してます (ラブワイン)
2012-02-29 04:27:55
微妙に取っ手や本体形状がうちのものとは違いますね。
それとももともといくつか種類があるのかな?
取っ手が長方形でケトル本体はもっとずんぐりしていて安定感はありますが
ウチのより格好いいみたい(笑)。
おっしゃるように性能は必要十分で、いわゆる保温ポットの存在意義はなくなってしまいますよね~。
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ボーイングですか、それともエアバス? (pfaelzerwein)
2012-02-29 21:16:37
形状が違いますか。大変興味深いです。電圧の関係でアメリカや日本はどうなのかと感じてましたが、それならば改めて発熱体から同じコンセプトで設計開発していると思います。

SEBは市場の反響を考えてそこまでやる企業と感じているのですが、それならば可也満足出来る商品なのでしょう。

音はやはりボーイングですか、それともエアバス?
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電気ケトル (そら)
2012-03-01 01:22:35
pfaelzerweinさん、お久しぶりです。テーファル社の製品ですか。

私も一昨年の秋に、電気ケトルを手に入れました。「注ぎにこだわった」とかの宣伝文句に釣られて購入したものです。タイガー製品です。主にコーヒーやお茶、紅を淹れるためでした。

タイガー魔法瓶 PCA-A080K 電気ケトル 0.8L ブラック
http://www.tiger.jp/products/electricthermos/pca_a.html

ステンレス製で少し「ごつい」感じで、もう少し食器に近い、穏やかなスタイルの方が良かったのかなと、購入した後に思ったりしました。テーファル社の商品も見ていたのです。

慣れてくれば、もう少し手にも馴染んでくるのかもしれませんが。以前から電気魔法瓶はなくて、その都度お湯を沸かしていたのですが、この電気ケトルでは一・二分で沸くのでその点は確かに便利ですね。この製品も、原子力発電によって電力を無尽蔵に消費できると思っていた頃に開発されたものなのでしょうか。

そら
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ガルパゴス化して消滅間近 (pfaelzerwein)
2012-03-01 06:02:39
リンク拝見しました。購入に当たって迷ったのは量でして、0.8のステンレスのものも候補に挙がってました。結局一リッターのこれに決めたのはスーパーで瀟洒であることを確かめたからでした。尻漏りはしないことは購買者の批評で確認してました。

タイガーのものの二倍の消費量ですが沸く時間も恐らく半分ぐらいでしょう。電気消費に関しては、ドイツの調理器具は最近は都市天然ガスも普及してきていますが電気が主体ですので、如何に無駄を省くかにあります。要するに必要なものを必要なだけ消費する節約です。

タイガーの製品は材質は良いのかもしれませんが、私が購入(税込み36ユーロ、税抜き31ユーロ)したものの五倍ほどの価格です。なぜ日本がデフレなのか全く理解できません。しかし日本製の電化製品が保護されてガルパゴス化して消滅間近なのは理解できます。
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