Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

急遽夜なべして繕いこと

2009-01-28 | 生活
一週間以上かかって小包がやっとついた。郵便のおばさんに言うと、ネットで配達状況を見たら分かると言われて確かめて見た。ドイツ国内に着いてから配達までの時間は、約18時間ほどであった。つまり同時に出した略同じ重さの同じ箱の小包の双方とも国内所要時間は変わらない。

なぜか英国内でさらに四日間もどこかで彷徨っていた事になる。かつてはロイヤルメールは世界一早い郵便システムとして有名だったが、システムの老朽化や組織上の問題があるのだろうか。その点は北米からの撤退など大きな経済問題を抱えながらもドイツェポストとDHLの民営化された組織は非常に速やかに動いている。

早速、待ちかねたセーターを合わせてみたりと忙しい。なるほどケンゾーの綿のそれは糸番手が細く、伸縮するようになっている。そのため脱ぐ拍子にみしみしと糸が千切れた。フィットさせているので脱ぐのに気を付けないと直に分裂しそうである。早速針と糸を出して繕うが色が違うので目立ちそうである。色を揃えて繕い直さないといけないかもしれない。袖の付け根であるから、地下鉄にでも乗って手すりを掴まない限り見えないかもしれないので、実際上はあまり関係ない場所だ。しかし、最初からこの按配ではどう考えても万年セーターにはなり得ない。何シーズンもつか楽しみである。それにしても素材や手の込んだ縫製からすれば比較的安く感じるのは、1:0.9のユーロとポンドの為替のおかげだろう。

取り分け20ポンドしない商品見本のシャツはお買い得であった。ご用達マークは見慣れたものであったが、包装紙では一つ少なくなっている。良くみるとクイーンズマムのそれが無くなっているからだと分かった。彼女が亡くなったのは、2002年であるから既に約六年間も服を買っていなかった事になる。道理で襤褸を纏っていた筈だ。

ということは、今回展示品としてさらに襟に二つ汚れがあって安売りとなっているのは、やはりそれ以前の骨董品であるとわかる。さらに横に赤い縞が入ってケッターキーフライドチキンのような少々下品な雰囲気だから売れ残ったのだろう。しかし、素材といいゆったりとした裁断といいこれほど快適な仕事着はあるまい。

なるほどこのブランドは細々と三百年以上も英国王室の戴冠衣装を請け負っているのみならず今でも大学は当然のこと英法曹界の正装の作業法衣まで担当していれば固定客層というものが必ずあって、大量生産しないでも商いが成り立つのだろう。崩壊した筈の衣装における権威や階級については改めて考えよう。それとも次の購入希望リストには鬘を書き込むべきか?英国の貴族院議員達も頭に載せているハイドンの頭のようなあれである。

それにしても通常の価格ならば、シャツとセーターが殆ど同じ価格で、安売りになって、そのシャツとタイが同じ価格になっているのも面白い。ドイツの冬はまだ寒いので、厚いロングコートが必要である。腰の紐のほころびも纏り縫いして来年以降の冬に備える。

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