先達て鮒寿しを持ってきて貰った。大津の老舗から取り寄せたものだ。送料込みで僅か一匹で4000円もした。昔は樽漬けのようなものしか知らなかったが、スライスして麹に包んであって真空包装してある。そもそも昨年もクサヤを持ってきて貰ったように熟れものに関心が出てきたからだ。一つには不味い世界的に有名になった現在の寿司に飽き飽きしたからで、本物の寿司が欲しくなったからである。
昔貰いものとして冷蔵庫にあったそれを子供が好む筈がなく、今こうして食すると子供にはもったいないと思った。チーズでもなんでも同じだが、ある程度味が分かって来ると熟れものに走るようになるのは世界共通しているようだ。チーズでも青二才にはあまり熟れていないものしか好まない。
いざ開いてみると恐れたような異臭は無く、その乳酸もザウワークラウトよりも遥かに穏やかだ。つまんでみて感じるのは子持ちの鮒であっても思った以上に身が引き締まって硬いことである。これでは歯が確りしていないと到底食せない。だから食する年齢層が限られる。関西では、鮒ずし云々宣うようなのは爺と決まっていたが、まさか彼らが健康な歯を持っていたとは思えないので、燗に浸けてハグハグして噛んでいたのだろうか?所謂働き盛りの男向きだろうか。お茶漬けにしても汁に入れても良いようだが、価格が価格だけに勿体ない。
価格のこともあるので、いつもとはいかないが一年に一度ぐらいは食してみたいものである。製造者やその方法、原材料、大きさと価格などをもう少し調べてみて、更にお得で美味いものは見つからないか探してみたい。ワインやチーズと同じでこれだけでも充分に楽しめるのだが更に違いが分かるようになると面白いだろう。身の締まり具合も原料や製造法にもよるのだろう。
もう一つ秋田から持ってきて貰ったものはネットで調べたちょろぎという名産品である。調べてみると球根のようで、そういえば御節であったような気がする。しかしこうして漬物として食するのは初めてだった。鮒ずしもちょろぎも中国から渡って来たというのは分かっても、そして鮒ずしが近江で定着したのは分かっても、なぜちょろぎが秋田で定着しているのだろう。お味の方は紫蘇漬けの方はかりこりとして歯もろさを楽しめた。
食文化となるとやはり昨年のクサヤも合わせて、関西の方が遥かに程度が高いと思うが、こうした山のものとか材料によっては東北のものも嬉しい。勿論ガッコも持ってきて貰ったのだが、こちらの方も恐らく元々は囲炉裏の上で燻されたのだろう、欧州では極一般的な燻製と漬物が合わさったものとしてその独自の地域文化を感じさせて、只の観光用名産に思わせないところが嬉しい。
神戸のイカナゴのくぎ煮にしても家庭ごとのレシピーがあるというから、そもそもそうした名産ではないのだが、懐かしい人には懐かしいというようなものなのだろう。醤油で煮つけてあるので、勿論近江の鮒ずしにはその文化程度は到底かなわない。そしてリースリングに合うのも鮒ずしだ。
今回はレープホルツ醸造所のオェコノミラートとフォンジムメルン醸造所のバイケンに合わせてみたが全く問題が無かった。更に上手く合わせることも可能だろうが、少なくともビールのおつまみのような安物の味ではないので高級なワインが合う。吟醸酒も良いのだろうが、リースリングでもこれだけ合うのだから、考えられないほど合う白ワインが見つかる筈だ。因みに納豆は美味いのだが、リースリングの酸に反応するので合わせるのは難しい。
こうした鮒ずしを試すと、最初から想定していたようにもはやどのような新鮮なネタであっても江戸前などは如何に野卑でつまらない食事だということが実感できるだろう ― あんなものは船縁で捌いて塩水で濯いだものを口に入れるに等しい。正直醤油を浸けなければ下痢するような生ものなどには、その食文化程度から、うんざりするようになっている。
参照:
モンサント買収の意味 2016-05-26 | アウトドーア・環境
MACアドレスの安全策 2016-05-25 | テクニック
昔貰いものとして冷蔵庫にあったそれを子供が好む筈がなく、今こうして食すると子供にはもったいないと思った。チーズでもなんでも同じだが、ある程度味が分かって来ると熟れものに走るようになるのは世界共通しているようだ。チーズでも青二才にはあまり熟れていないものしか好まない。
いざ開いてみると恐れたような異臭は無く、その乳酸もザウワークラウトよりも遥かに穏やかだ。つまんでみて感じるのは子持ちの鮒であっても思った以上に身が引き締まって硬いことである。これでは歯が確りしていないと到底食せない。だから食する年齢層が限られる。関西では、鮒ずし云々宣うようなのは爺と決まっていたが、まさか彼らが健康な歯を持っていたとは思えないので、燗に浸けてハグハグして噛んでいたのだろうか?所謂働き盛りの男向きだろうか。お茶漬けにしても汁に入れても良いようだが、価格が価格だけに勿体ない。
価格のこともあるので、いつもとはいかないが一年に一度ぐらいは食してみたいものである。製造者やその方法、原材料、大きさと価格などをもう少し調べてみて、更にお得で美味いものは見つからないか探してみたい。ワインやチーズと同じでこれだけでも充分に楽しめるのだが更に違いが分かるようになると面白いだろう。身の締まり具合も原料や製造法にもよるのだろう。
もう一つ秋田から持ってきて貰ったものはネットで調べたちょろぎという名産品である。調べてみると球根のようで、そういえば御節であったような気がする。しかしこうして漬物として食するのは初めてだった。鮒ずしもちょろぎも中国から渡って来たというのは分かっても、そして鮒ずしが近江で定着したのは分かっても、なぜちょろぎが秋田で定着しているのだろう。お味の方は紫蘇漬けの方はかりこりとして歯もろさを楽しめた。
食文化となるとやはり昨年のクサヤも合わせて、関西の方が遥かに程度が高いと思うが、こうした山のものとか材料によっては東北のものも嬉しい。勿論ガッコも持ってきて貰ったのだが、こちらの方も恐らく元々は囲炉裏の上で燻されたのだろう、欧州では極一般的な燻製と漬物が合わさったものとしてその独自の地域文化を感じさせて、只の観光用名産に思わせないところが嬉しい。
神戸のイカナゴのくぎ煮にしても家庭ごとのレシピーがあるというから、そもそもそうした名産ではないのだが、懐かしい人には懐かしいというようなものなのだろう。醤油で煮つけてあるので、勿論近江の鮒ずしにはその文化程度は到底かなわない。そしてリースリングに合うのも鮒ずしだ。
今回はレープホルツ醸造所のオェコノミラートとフォンジムメルン醸造所のバイケンに合わせてみたが全く問題が無かった。更に上手く合わせることも可能だろうが、少なくともビールのおつまみのような安物の味ではないので高級なワインが合う。吟醸酒も良いのだろうが、リースリングでもこれだけ合うのだから、考えられないほど合う白ワインが見つかる筈だ。因みに納豆は美味いのだが、リースリングの酸に反応するので合わせるのは難しい。
こうした鮒ずしを試すと、最初から想定していたようにもはやどのような新鮮なネタであっても江戸前などは如何に野卑でつまらない食事だということが実感できるだろう ― あんなものは船縁で捌いて塩水で濯いだものを口に入れるに等しい。正直醤油を浸けなければ下痢するような生ものなどには、その食文化程度から、うんざりするようになっている。
参照:
モンサント買収の意味 2016-05-26 | アウトドーア・環境
MACアドレスの安全策 2016-05-25 | テクニック
やはりこれの為だけにデュッセルドルフまで行けませんよね。
やはりトロッケンがファインヘルプくらいが合わせやすいでしょうか。
秋田のがっこぐらいはあるかもしれませんが、ちょろぎやくぎ煮も東京でも難しいでしょう。
酵母は食べないので甘みは殆んど出ておらず、酸味だけですのでファインヘルブは無用で、オェコノミラートでも全く問題ありませんでした。しかし味質としてはジルファーナーやピノグリなどの方が合うかもしれません。とても良いのは醤油無用ということです。要するにどのような白ワインでもよいですが、例えばパイヨンなどの半辛口にありがちな低品質のものは合いません。