Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

月2500スイスフランの魅力

2016-06-05 | マスメディア批評
相変わらず天候は不順である。どこで悪天候に捲き込まれるかは分からない。フランクフルト往復は比較的穏便だった。それでも帰ってくると結構疲れた。オペックのイランのお蔭で、燃料の再値上がりは一段落して、再び落ちてくれるだろう。

車中のラディオはロックフェスティヴァルの落雷で多くのけが人が出たと伝える。ぬかるみのようなところで開催されていたようで、この天候不順のその後も催し物が続いたというから正気の沙汰とは思えない。

先日から問題になっているAfDの副代表ガウランドの褐色肌のナショナルチームのサッカー選手ボーティングに対する侮辱も正気の沙汰ではない。「彼は良い選手だけども、お隣さんにはなりたくない」と語った戯言である。タブーを破ることで一抹の本音から大きな共感を得ようとする典型的なポピュリズムの手法であって、大阪のやくざ市長が「兵士には下の世話」とほざいたり、トラムプがぶちまけている事と瓜二つの発言であった。そうした輩を支持する有権者こそが、こうした発言に恥じなければ話にならない。

サッカー選手には詳しくはないが、このハーフの選手は愛嬌のある人物としても人気選手のようで、態々こうした有名人を出汁に使うにはそれなりに計算が合ったのだろうか?そもそも自らの風貌などを棚に上げて、他人の外見をしてなんだかんだと言うのは恥とされることが多い。なるほど色々と好き嫌いや批判をしたくなることはあるかもしれないが、それが修正可能なもので無ければそもそも批判の対象としても仕方がないからである。それ以上にこうした人物や政党などを支持することが恥なのであって、第三党へと勢力を増して可成りいい気になっているAfDをショイブレ博士のように「右翼大衆扇動的」と呼んだが、もはやこのような事態になれば有権者の問題である。

大阪のやくざ市長が「慰安婦問題」で発言したことで、それが世界で報道されて、流石に多くの人はあの輩の本質に気がつきはじめた。それでも有権者自信が本当に自らの恥と思うようにならなければはじまらない。エスタブリッシュメント批判や本音を語るというようなことで、大衆を扇動するのだが、連中の芸は絶えず刺激的な発言をしなければいけないことからどこかで見限られることになるのである。ジャーナリズムの責任でもある。

スイスではベーシックインカムがこの日曜日に国民投票に掛かるらしい。ラディオによると一人月々2500スイスフランとあり、これならば物価の高いスイスでもなんら社会保障が無くても生きていけるだろう。これを受けて連邦共和国の政治家の反応は様々で、反対しているのは社会主義者やそれどころか緑の党までである。前者は働かざる者食うべからずであり、労働者の既存権益保護政党であるから仕方がないとしても、後者は一律になると、本当に保護されるべき人々に保障が行き届かなくなり不公平になるかもしれないということらしい。日本で試算している数万円とはケタが違い、ユーロでこの額を連邦共和国が支出するとなると可成りの負担である。勿論多くのお役人は今以上に休まなくても、失職して仕事をせずにこの額で暮らせるのである。EU内では三分の二の人がこれに賛成しているというから、もしかするとスイスでこれが可決すると、EUでも相当な額でのミニマムインカムへと動くかもしれない。最大の問題は、国民総生産が落ちることなく、多くの人が自らの為に生活して活動していけるかどうかということになる。重要なのは、教育や人々の創造力であることには違いなく、ある意味各々が無駄な人生を過ごしているようではこのシステムは成立しないということである。



参照:
十分検討に値するやり方 2014-12-13 | 文学・思想
四月天気に狂わされる 2016-04-23 | アウトドーア・環境
向上心は悪くは無いのだが 2014-10-27 | 文学・思想
浮浪のおばさんとの再会? 2014-10-21 | 文学・思想
キルヒホッフ税制の法則 2006-12-24マスメディア批評

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