Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ロビーや市民感情を乗り越えて

2012-08-11 | 文化一般
水曜日の一日スイス旅行では先ずチューリッヒを目指した。最近は素通りすることが多く、一時は毎日通ったり、年間合わせて何週間も過ごしたことや夕食後に帰宅したり、夜中にワイン街道に帰ってきてナタリーの店で夜食をたらふく食べたことも昔話になりつつある。

そのような活力があった反面、肥満から小水に糖が出るような様子になってきたのもあの時期であり、ある意味中年期の始まりであり、あのまま進行していたら間違いなく今頃入院していたに違いない。

さて約束の友人の新住居に着いたのは午前中であったが、ナヴィゲーションのソフトが無いために30分ほどは市内を走り回った。大分土地勘はあっても新住所の道路を見つけるのに時間が掛かった。

現在世界的に騒がれている著作権などがネットでの無料配信の関連で話題となった。日本で話題となったキックスターターズのクロウドでオープンソースについて触れた。もちろんこれは著作権フリーであって、制作費は演奏家の宣伝費用と見れば全く通常の出来事で、現在問題となっているようなこととは関係が無いのだが、それなりの経済が動いていると言うことでは重要であろう。

新聞のメディア欄で緑の党の代議士が、著作権協会GEMAのやり方について大きな記事を書いているが、強制的な徴収方法がダンスクラブなどに与える影響が大きくて、その店の広さによって最低料金22ユーロから220ユーロが入場料の三割として徴収されて、更に八時間を越える催し物では更に加算されるとなると、ダンスクラブの営業自体が成り立たないと言う。

もちろんこうした催し物は音楽が無ければ成り立たないので、それ相応の利益分配を行うのは当然のことだとしても、ネットでのYOUTUBEなどに対する場合とはあまりに状況が違い過ぎると言うのだ。つまり、資金のある大企業は、スタンフォードやハーヴァードなどの研究室に多額の寄付をして、著作権への懐疑を示す法律家の論陣を張って、一方的な徴収体制に対しても十分に対応できるだけの強い主張が出来るというのである。GEMAに言わせるとこうした権力には歯が立たないと言うのである。

海賊党の躍進によって、連王共和国においても国民的な政治課題となったが、要はインターネットの問題でもあり世界共通の政治課題でもある。その中で、資金にものを言わせてのロビー活動などではなく、一般市民としての声と、そうした一方的な市民感情を乗り越えてのありうるべき解決法を議論の中から止揚していく社会的な合意が必要であることには断るまでも無い。だから如何に合意形成をなしていくかに民主主義的な社会の成熟が試されていることは言うまでもないのである。



参照:
労働に対する適正な報酬 2012-06-03 | 文化一般
著作権権益を護る密告 2012-08-07 | 文化一般
アドルノ先生とすべき議論 2012-05-12 | マスメディア批評
看板娘ナタリーの思い出 2004-11-21 | 女

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