市民活動総合情報誌『ウォロ』(2013年度までブログ掲載)

ボランティア・NPOをもう一歩深く! 大阪ボランティア協会が発行する市民活動総合情報誌です。

2007年1・2月号(通巻422号):レポートR

2007-01-10 12:48:42 | ├ レポート
学生と企業のリアル座談会
 ~学生実行委員からの現場報告

北古賀真希(同志社大学3年)

 今回、第3回関西CSRフォーラム「学生が考える企業のCSR」~学生と企業のリアル座談会!の実行委員をすることになったのは、大学のゼミ活動でISFJ日本政策学生会議という学生団体に所属しており、そこで企業渉外のため大阪ボランティア協会が主催するリンクアップフォーラムに参加したことがきっかけだった。大学やアルバイトとの両立で、しっかり委員の仕事を果たせるかとても不安だった。委員は学部生2人、院生2人のわずか4人で全てを企画せねばならず、好奇心2、不安8という幕開けだった。フォーラムのタイトルを何十個も考え、何回もダメ出しされ、宣伝用のチラシ作りには、徹夜する日々が続いた。コンテンツも委員と何回も議論を交わし、時にはぶつかり、なかなかうまくいかず、自信を失いそうだった。
 そんな中、CSR(企業の社会的責任)のヒアリング調査で高島屋を訪問した。それまで私は「CSRなんて所詮企業のイメージアップのためのもの」という不信の塊だった。しかし、ヒアリングの中で、「CSRを継続することによって顧客の信用を獲得し、百貨店ならではの人気・評価を得ること。それは、継続と誠実に集約できる」と語られたことから、私が持っていたCSRの固定観念がすべて打ち砕かれた。CSRを熱く語る担当者の言葉の一つひとつには愛が溢れ、ステークホルダー(利害共有者)への愛、社会への思いやりというCSRの姿勢から、うわべのCSRでなく、思いやりのCSRを実践されていた。そこには伝統ある高島屋独特の文化や伝統を守り続ける姿勢に加え日本らしい人情のCSRを感じた。いろいろな企業を訪問して、私の企業に対する「不信感」は一変して企業への「信頼」へと変わっていった。
 そうして迎えたフォーラム本番では、委員メンバーと共にヒアリング調査を発表、座談会では企業の方と熱い議論を交わし、とても有意義な時間を過ごすことができた。フォーラム会場は人で埋め尽くされ、参加者は学生26人、企業19人で大変満足して頂けたようだった。そして、今回のフォーラムでは、CSRとは企業だけがSR(社会的責任)を行うのではなく、わたしたち学生もしっかり勉強し、ボランティア活動する等自分たちなりのSRを実践していかなければならないこと。社会にいるみんなが当たり前のことを当たり前に行っていくこと。そのためには、やはりCSRの社会的認知度を上げ、一過性のブームにしてはいけない、ここにきっとCSRのC(企業)の意味があり、企業が率先して、社会を変革していく使命がある。わたしたち自身も、家族や隣人、自然等の自分の周りのステークホルダーに優しく、思いやりのある行動をとり、愛に溢れる社会をつくりあげていきたいと考えている。これからも、CSRに対する学生と企業の乖離をなくし、CSRの社会的認知度を上げるためにも、このフォーラムを今度は違う形で開催していきたいという声もあがっていた。そして、大企業だけではなく、地域に根ざした中小企業や学校などがSRを推進していけたら、企業からCSR室がなくなり、誰もが当たり前に社会的責任を感じながら暮らす日々が、近い将来必ずやってくるだろう。

第3回関西CSRフォーラム
「学生が考える企業のCSR」~学生と企業のリアル座談会!
2006年11月30日(木)13:30~17:30 大阪NPOプラザにて

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