どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

スムート

2019年09月27日 | 絵本(外国)

    スムート/文・ミシェル・クエヴァス 絵・シドニー・スミス 訳・いわじょう よしひと/BL出版/2018年

 

 絵本の着眼点もさまざま。影が、自由になれたら?

 スムートは、七歳半の男の子の影。歯をみがくのも、絵を描くのもいっしょ。
 男の子はあまり笑わないし、とんだりはねたり、いたずらもしない。だからスムートも笑ったり、色がいっぱいの楽しい夢もみることができません。

 ある日、スムートが、青い空のことを考えていると、あれっ? 男の子から はなれてしまった。

 チャンスだ! くらやみと、月明かりと、かえのパンツをもって、外にとびだした。

 スムートは、縄跳びしたり、木登りしたり、メリーゴーランドにのったり。

 楽しそうなスムートを見て、ほかの影たちは思った。
 「あのこに できるんなら」 「ひょっとして わたしたち・・・」
 いろんな影が自由にうごきはじめます。

 タンポポの影は空に、カエルの影は、マントをつけた王子さまに、トンボの影は、大きくておそろしいドラゴンに。石ころの夢は、おおきくなること。影は雲までとどくほどの立派なお城に。

 でも、スムートは心配です。もし、動物園の影たちが、町をパレードしたり、空を泳いだりしたら?

 つかまえようたってロープや網じゃ無理。するする逃げられてしまう。

 そこで、スムートは、石ころに小さなお城をつくってあげ、トンボは、お城をまもるドラゴンに・・・・。

 夢がかなった 影たちは、みんな元の場所に、かえっていきます。

 そしてスムートと男の子も・・・・。

 もし、夢や希望が、かなえられるとしたら 冒険したくなります。冒険する第一歩は、何がきっかけになるでしょうか。