いまに語りつぐ日本民話集 笑い話・世間話5/野村純一・松谷みよ子・監修/作品社/2002年
短い昔話ですが、どんな場面で語られていたのか興味があります。この民話集には語り手、報告者の実名が記されています。
与太郎が傘屋に奉公していて、ようやく傘貼りをおぼえ、夕方まで7,8本貼り上げたのはいいが、たたもうとしてもつぼまらない。
「こんな傘を拵えてしまって、売ることもしまっておくこともできないではないか。馬鹿け」と主人が叱ったのは当然。
ところが急に夕立がザアーと降ってきて、みんな狼狽して走っていきます。
これをみた与太郎が開き放しの傘をもっていくと、全部売ることができ、そのことを主人に大威張で話したら、主人から「大手柄大手柄、ところで代金は?」といわれて、与太郎がいったのは?
あわてものをいましめるのも、話としてならすんなり受け入れられるのかも知れません。