シンドバッドの冒険/ルドミラ・ゼーマン:文・絵 脇 明子・訳/岩波書店/2002年
子どもに語るアラビアンナイト/西尾哲夫・訳 茨木啓子・再話/こぐま社/2011年では、船乗りシンドバードの冒険が「クジラの島」、「ダイヤモンドの谷」と独立していますが、この絵本は、二つがつづいていきます。
「子どもに語る」ほうは、語る場合の長さが、絵本も読む場合の長さが考慮されているようです。
普段聞きなれている昔話より、ワクワクドキドキ感がするアラビアンナイト。
絵本には舞台となる地図が乗せられていて、クジラの島はインド洋の下、クジラの島はさらにその南。
はじまりはバグダートですから、シンドバードの航海の壮大さが伝わってきます。
千夜一夜の導入部には欠かせないにシェラザードにふれ、さらにシンドバードが、同じ名前の荷かつぎのシンドバードに、自分の冒険をきかせるという形式です。
絵本では、クジラの島からダイヤモンドの谷に流れ着いていきます。
島だと思ったのがクジラで、巨大な鳥ロック鳥がでてきて、ダイヤモンドの谷には、大蛇がでてきたりと、次にはどうなるのだろうと、惹き込まれます。
作者は、挿絵、描き文字、レイアウト、飾り文字、縁取りの模様などにペルシャじゅうたんのデザインや手触りを思い出させようとさまざまな工夫をされています。
絵本の大蛇はさほど大きくえがかれていないのですが、「子どもに語る」のほうでは、ゾウを丸呑みできそうな大きさとあります。
「子どもに語る」で覚えてみたいと思ったのですが、絵本の表現をみてみると、さっぱりしすぎているようでした。
ついでに面白い数字について
3桁の数字。もういちど続けます。例えば456を456456とします。この数字を1001でわると456になります。任意の数字でも結果は同じです。千夜一夜にからめて、1001をシェラザード数とよぶというのですが・・・。
この数字のことも絵本で知りました。6桁の数字を7、11、13でわっていくとやはり結果は同じです。
ちなみに7*11*13=1001です。