The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『刑事フォイル』久々の再放送

2022-01-28 |  ∟刑事フォイル
”Foyle’s War”

ITV
久々の『刑事フォイル』の話題です。

アンソニー・ホロヴィッツと言えば、何と言っても先ず思い付くのが『刑事フォイル』”Foyle’s War”
だったのですが、このところアンソニー・ホロヴィッツ関連の小説を取り上げる事が何度かあり、又、
『カササギ殺人事件』のドラマ化情報も書いたばかりでした。

何となく『刑事フォイル』を思い出していたそんな折も折、本当に久し振りの『刑事フォイル』再放
送の情報が出ました。

AXNミステリーにて、
3月19日(土)6:00am スタート(3日間連続で全エピソード放送との事)


数年前迄、何度となく繰り返し再放送をしていたので、その都度ひつこく見直していたものの、この
数年は放送がありませんでしたね。

私が最初にこのドラマを観たのは随分前(多分10年以上前?)で、何気なく観始めて以来のめり込み
ました。

過去何度か触れてきましたが、最後に書いた記事から6年以上経っていました。
そんな事もあり、再放送を前に少しおさらいをしておこうと思います。

このドラマは、大人気であった『主任警部モース』の終了と共に、その次の番組としてITVの製作により、
アンソニー・ホロヴィッツの脚本で2002年放送開始されたドラマです。

S1(2002年): 4エピソード
S2(2003年): 4 エピソード
S3(2004年): 4エピソード
S4(2006年): 2エピソード
S5(2007年): 2エピソード
S6(2008年): 3エピソード
S7(2010年): 3エピソード
S8(2013年): 3エピソード
S9(2015年): 3エピソード  

エピソードリストはコチラをご参照下さい

 
概略は、
第二次世界大戦中のイギリス南部ヘイスティングスで、警視正フォイルが戦時中の混乱状態に起きる
事件を解決していきます。
温厚ではあるが、人一倍強い正義感を持ち、頑固でもあるフォイルが犯罪に立ち向かう姿を描いています。
第二次世界大戦に徐々に巻き込まれていく初期からの戦史を織り込みながら、時代に翻弄される市政の
人々の生活や、その中で起きる事件を断固として警察官の誇りを持って忠実に職務をこなす、正に”Foyle’s
War” フォイルにとっての戦いなのです。

キャストは、
製作総指揮:ジル・グリーン
監督:ジェレミー・シルバーストン
脚本:アンソニー・ホロヴィッツ
出演:
クリストファー・フォイル(ヘイスティングス署の警視正):マイケル・キッチン
サマンサ”サム”・スチュワート(フォイルの運転手):ハニーサックル・スチュワート
ポール・ミルナー(ヘイスティングス署の巡査部長):アンソニー・ハウウェル
アンドリュー・フォイル(フォイルの息子):ジュリアン・オヴェンテン

エピソード毎に贅沢なゲスト出演もあります。
(ゲストのほんの一部だけストはエピソードリストにも書きました。但し個人的な好みで偏っています) 

何と言っても、マイケル・キッチンが素晴らしく、これだけでも見る価値ありと思いますが、チームとな
るサムがこの時代には珍しく行動的で物怖じせず健気な姿が緩衝材となっています。
又、真面目で物静かではあるが頼りになるミルナーと、それぞれが戦時下困難や悩みを抱えながら事件に
取り組む姿を描いていて、兎に角流石アンソニー・ホロヴィッツの脚本だと納得させられる内容となって
いると感じます。

兎に角、これぞ ”ザ・英国ドラマ”と感じる、何度もじっくり観直したくなるドラマだと思います。

ところで、
マイケル・キッチンがとても素敵なのですが、『主任警部モース』で偶然若かりし頃の(髪の毛ある)姿
の出演に気づきました。 役柄のせいもあるのでしょうが、何となく胡散臭い、悪の感じでした。フォイ
ルの頃が断然素敵です(髪の毛無くても←暴言、又言ってる)

又、ハニーサックル・スチュワートも『ポアロ』や『ルイス警部』等にも出演しています。

そう言えば、以前拙記事にも書きました、『メインテーマは殺人』の作品冒頭で、自らも登場人物でもあ
るアンソニー・ホロヴィッツが『刑事フォイル』の製作に関して語っています。
街中での撮影の難しさ、主演のマイケル・キッチンから台本に関して多くの注文があり 台本が付箋だら
けだった云々。
マイケル・キッチンだからこそなのでしょうが、脚本家に主演俳優がダメ出しするのかとチョット驚いた
もんです。(ホロヴィッツさんのぼやきが・・・?)。
一方共演者である、サムのハニーサックルはお気に入りの様でしたね。

アンソニー・ホロヴィッツは、これも過去何度も書きました様に、
『名探偵ポアロ』、『バーナビー警部』他長年人気長寿ドラマの脚本も手掛け、又小説家としても多くの
ベストセラーを生み出しています(これも過去記事に取り上げました)。
何時か改めて作品を纏めてみようと思っています。




『パーカー・パインの事件簿』アガサ・クリスティ(著)

2022-01-25 | アガサ・クリスティ
『パーカー・パインの事件簿』(新訳版)創元推理文庫ー2021/7/29

”Parker Pyne Investigates”
アガサ・クリスティ(著)、山田順子(翻訳)

”Parker Pyne Investigates” は1934年に刊行されたアガサ・クリスティによる推理小説短編集です。

内容:
「あなたは幸せですか? 幸福でないかたはパーカー・パインにご相談ください」そんな奇妙な新聞
広告を見てオフィスを訪れる、夫の浮気を疑う妻や、退屈した退役軍人などの悩みを、パーカー・
パインはいっぷう変わった方法で、次々解決する。そしてオリエントへの旅に出た彼は各地で事件
に遭遇し、見事犯人の正体を見破っていく。官庁で統計をとっていたという異色の経歴の名探偵が
活躍する作品14編を収めた短編集、新訳決定版。

中年の妻の事件
無聊をかこつ少佐の事件
悩めるレディの事件
不満な夫の事件
ある会社員の事件
大富豪夫人の事件
ほしいいものはすべて手に入れましたか?
バグダッドの門
シーラーズの館
高価な真珠
ナイル河の死
デルフォイの信託
ポーレンサ入り江の出来事
レガッタレースの日の謎

この作品は本当に大昔に読んだので、全くと言っていいほど覚えていませんでした。
以前読んだ版は『パーカー・パイン登場』となっていたと記憶していましたが、新訳版が出たのを機に
本当に久し振りに再読しました。

パーカー・パイン氏は厳密に言うと”探偵”ではありません。
官僚として35年働いてきた経験を元に、”統計”により人の不幸を分類し、依頼人の不幸を取り除くのを
仕事としています。
「人の不幸は5つに分類できるという」と考えるパインは、依頼人の抱える不幸を読み取り、どんな方
法で彼等の悩みを解決するかと言う対応で、依頼人に色々と指示を出します。
彼のお膳立てした指示に従って行動するうちに、依頼人はいつの間にか不幸の原因が取り除かれている
事に気付くのです。
その為に、パインは様々な人材を投入します。 
遊び人風なハンサムな若い男性(クロード・ラトレル)、目を見張る様な若い妖艶な美女(マドリーン・
ド・サラ)等。 彼等はパインの協力者であり、依頼者によりそれぞれの役割を演じるプロフェッショ
ナルなチームなのです。
スタッフの中には、後にポアロの秘書となる。秘書のミス・レモンや、同じくポアロの作品にも登場す
るアリアドネ・オリヴァ夫人等も含まれていて嬉しくなります。

前半の6作品は、パインがスタッフ達の力を借りながら 相談に訪れた依頼人の悩みを克服できるような
状況を作り出し、それに従った依頼人たち本人自ら解決する様に導きます。
後半の6作品は、休暇旅行で中東を旅行中にパインが遭遇した事件を解決するトラベルミステリとなって
います。
又、最後の2作品は旅先での盗難事件等を解決する。
といった内容になっています。

クリスティは2番目の夫で考古学者あるマックス・マロ―ワンの発掘に何度か同行して中東地方を訪れた
事実に基ずき、ポアロが登場する何作品でも中東を舞台にした作品を書いています。

謎解きというより、人間の心理を探り、それに基づき依頼人の悩みを解決するという 心を読む探偵と
いう事になるのでしょうか。

それぞれの作品の結末は鮮やかで、ホッとさせられます。

パーカー・パインが登場する作品は少なく、ここに収められている14作品のみという事で残念な思いも
あります。

ところで、
冒頭<はじめに>と序文で、クリスティが、レストランで昼食中後ろの席で統計について語る紳士に興
味を持ち、”禿頭でメガネをかけた紳士”がパーカー・パイン創造のヒントになったと語っています。
しかし、
文中にあるパインの外見描写、それにこの新訳の表紙を見て あれ?と思ったのは、既にご紹介しまし
た2月初放送の『アガサ・クリスティ-名探偵ヤルセン』の主人公である スヴェン・ヤルセンの外見
にそっくりなんです。
表紙の絵はドラマを意識していたのか?プロフィールから描くと似て来るのか?不思議です。
とは言え、ポアロも似てますけど。



アマゾン版『ロード・オブ・ザ・リング』タイトル発表

2022-01-22 | The Lord of the Rings/The Rings of Power


Amazonによるドラマ版に関してはこれ迄もボチボチ書いてきましたし、先日”Lord of the Rings”
の公開20周年の記事を書いたばかりでしたが、1月20日マゾンドラマ版の正式タイトルが発表され
ました。直ぐに書けなかった為アップが遅れましたので、既に多くの方がご存知だとは思いますが。

もうウェブ上大盛り上がりで、何処もここもこの話題で沸騰しています。

正式タイトルは、
”The Lord of the Rings:The Rings of Power” 『指輪物語・力の指輪』






↑ エルフ語で

そして、公開されたタイトル動画は、
公開されたタイトル動画は、ドラマの中の多くの要素が手作りされたのと同様に、鍛冶屋の鋳造所
で実際にタイトルロゴ動画を制作。木版に手彫りされた文字型に燃え盛る溶融金属を流す様子を、
スローモーションで動画に収めている。

↓ こちらです!
https://youtu.be/QhqGCPMfkNM?t=6

サブタイトルの意味は、原作者J・R・R・トールキンのファンは決して忘れないものであり、象徴的
な指輪の創造を含めてトールキンが作り上げた“第二紀”に起きる壮大な物語の数々を予感させる。

ショーランナー&製作総指揮を務めるJ・D・ペインとパトリック・マッケイは声明で、「これは、J・R・
R・トールキンによるほかの古典小説の隣に並べることができると、私たちが想像するタイトルです。
『力の指輪』は、中つ国の第二紀におけるすべての主要な物語を結びつけます。指輪の鍛造、、冥王サ
ウロンの台頭、ヌーメノールの壮大な物語、そしてエルフと人間の最後の同盟です」
と述べている。

この映像に、小説『指輪物語』のトールキンによる題辞を読む女性のナレーション(おそらく若きガ
ラドリエル?)が、以下のように被せられている。

三つの指輪は、空の下なるエルフの王に、
七つの指輪は、岩の館のドワーフの君に、
九つは、死すべき運命の人の子に、
一つは、暗き御座の冥王のため、
影横たわるモルドールの国に。

このナレーションでは、ジャクソン監督の映画シリーズでよく知られている、「一つの指輪は、すべ
てを統べ、一つの指輪は、すべてを見つけ、一つの指輪は、すべてを捕らえて、くらやみのなかにつ
なぎとめる。」という一節が省かれている。その省略は、すでに視聴者が一つの指輪の物語を知って
いるとの前提を示唆していると考えられそうだ。

そして、以前ご紹介しました様に、このドラマシーズン1は、
2022年9月2日にPrime Videoにて日米同時配信。
新たなエピソードは毎週公開の予定とのこと。

それにしても、タイトル発表だけで世界中のこの盛り上がり。
興奮と期待感が窺われます。

詳細は順次発表されると思うので、追記していきます。


(source : Amazon Prime, REUTERS, IGN Japan & etc.)





ドラマ版『カササギ殺人事件』Trailer&追加情報

2022-01-19 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Magpie Murders”

2021年 6エピソード

これ迄何度かご紹介した 世界的大ベストセラーであり、日本でも数多くの賞を受賞した アンソ
ニー・ホロヴィッツ原作の『カササギ殺人事件』のドラマ版の追加情報です。

この度放送日と共に、追加出演者、trailer等がリリースされました。



先ず、
キャストの追加情報ですが、

製作:ジル・グリーン
監督:ピーター・カッタネオ
脚本:アンソニー・ホロヴィッツ
出演:
レスリー・マンヴィル:スーザン・ライランド(女性編集者)
コンレス・ヒル:アラン・コンウェイ(『カササギ殺人事件』の著者)
ティム・マクマラン:アティカス・ピュント(『カササギ殺人事件』作中の名探偵)
マシュー・ビアード:ジェイムズ・フレイザー(ピュントの助手件秘書)
マイケル・マロニー:チャールズ・クローバー(クローバーリーフ・ブックスの最高経営責任者)






 




派手さはないが、手堅い名優をそろえています。



今回追加で発表された出演者を見て、おッ!と思たのは、アティカス・ピュントの助手/秘書の役で
マシュー・ビアードが出演していますね。
マシュー・ビアードは、『ヴィエナ・ブラッド』に出演していたのですが(『イミテーション・ゲーム』
にも出演していたらしいけど、記憶に無くてゴメンです)、そう言えば、『ヴィエナ・ブラッド』のシー
ズン2は何時放送になるんでしょう。早くお願いしたいのですが・・・・。

↓ official trailer はこちら
https://youtu.be/RtkjM7kyL7k

英国初放送予定は2022年2月10日と発表されています。
日本放送は未定ですが、何とか早くお願いしたいものです。

以前も書きました様に、原作は2層構造になっているので、ドラマ化は難しいだろうなぁ とも思うし、
どの様に話を進めるのだろうかとアレコレ妄想してしまうのですが、そこは、原作者であるアンソニー・
ホロヴィッツ自身が脚本も担当しているので、納得いく形に収めていることでしょう。

前回first lookでも載せました冒頭の写真からちょっとした妄想の一部ですが、
アティカス・ピュントとスーザンが一緒にいる・・・しかもスーザンはガウン姿。
という事は・・・、『カササギ殺人事件』の原稿を読んでいるスーザンの夢の中でピュントの事件が
描かれているのかしら?等と考えたりしていますが、どうでしょうねぇ。
いずれにしてもとても楽しみな作品です。

このドラマに関する拙過去記事(原作も含みます)は
↓ コチラ
※ ドラマ版『カササギ殺人事件』First look出ました





『テンペスト教授の犯罪分析ノート』Review

2022-01-16 | 海外ドラマ
”Professor T”


初放送情報としてコチラでご紹介して以来、連日コンスタントに多くの方にご訪問頂いており
興味を持たれた方が予想以上に多い事に気付きます。

初放送以来感想を書こうと思いつつ、手が回らずなかなか取っかかれなかったのですが、個人
的に最近初放送されたドラマの中では特に気に入った作品でもあり(ひつこく何度も観る)、
又何人かの方達からも同様の感想を聞かせて頂く機会もあり、シーズン2の放送を待つ前に一応
おさらいをしておこうと思いました。
なるべくネタバレをしない様に気を付けるつもりではありますが・・・・・。

最初の記事にも書きました様に、この作品は 2015年から2018年迄39エピソード放送された人
気シリーズのリメイク版で、舞台を英国ケンブリッジに設定製作されたものです。

全6エピソード構成の一話完結形式をとっています。
E1 : The Anatomy of a Memory
E2 : A Fish Called Walter
E3 : Tiger Tiger
E4 : Mother Love
E5 : Sophie Knows
E6 : The Dutiful Child



以前ご紹介した内容と重複しますが、念のためドラマの概略は、
ケンブリッジ大学法科学犯罪学部のジャスパー・テンペスト教授は、常にゴム手袋をつけている
上に、アルコール消毒は当たり前、一切の埃も許さない潔癖症で、人を寄せ付けない独特の雰囲
気を持つが、犯人の心理を見抜く鋭い洞察力を持っている天才的な犯罪のスペシャリスト。そん
な彼も実は幼い頃に受けたトラウマが原因で強迫神経症を患っていた。
ある日、テンペスト教授は、元教え子であり、現在は現役刑事であるリサの強引な依頼を受けて、
捜査協力をすることになる・・・
(AXNミステリー公式ページより)

キャスト:

ジャスパー・テンペスト教授:ベン・ミラー
以前も書きましたが、ベン・ミラーは『ミステリーinパラダイス』で大人気、一番気に入っていた
俳優さんです。 テンペスト教授は正に適役だと感じました。
因みに、ベン・ミラー自身もケンブリッジ大学出身(優秀!)
天才的な犯罪学者であり、周りの空気も読まず、潔癖症、(この辺り”モンク”を思い起こさせられ
ます)。幼い頃父親から受けた虐待(?)がどんなものであったのか。 又時々現れる妄想が彼の
心の中の思いを表していて面白いシーンが多々あります。

アデレイド・テンペスト(教授の母親):フランセス・デ・ラ・トゥール
教授を悩ませる強烈な母親で、芸術家(?)。教授に嫌がられながらも押しかけ同居することに。
幼いジャスパーが父親から受けた仕打ち、トラウマを抱える原因を理解していたのか?

なかなか印象深い女優さんですが、過去英国アカデミー賞に3回ノミネートされた経験を持つ超ベ
テラン女優。
多くの出演作がありますが、個人的にはドラマ版ポアロ『ナイルに死す』でのサロメ・オッタボー
ン夫人が印象深かったですね。


リサ・ドンカーズ:エマ・ナオミ
テンペスト教授の元教え子。現在は刑事であるが、生徒たちをニワトリ扱いして物議を醸し出す
教授をして尤も優秀な教え子であったと認めている。 同僚のダンと微妙な関係となっているが、
認知症の父親を世話している為もあり、なかなか進展しない。

クリスティーナ・ブランド(リサの上司):ジュリエット・オーブリー
テンペスト教授とはファースト・ネームで呼び合う仲。2人には過去特別な関係があった様で
結婚していた(?)、結婚直前で別れた(?)微妙な間合いを感じさせられる。


ダン・ウィンターズ(リサの同僚):バーニー・ホワイト
熱血刑事で、リサにお熱であるが、リサの微妙な態度に困惑している。

ポール・ラビット(リサの上司):アンディー・ギャザーグッド
元々優秀な刑事であったと言われているが、娘を亡くし仕事中も隠れてお酒を飲むように。
テンペスト教授の介入に反発している


イングリッド・スナレス(テンペスト教授の秘書):ジュリエット・オウブリー
色々難しい教授の習性を把握し、しっかり手玉に取っている(?)様にも思える。
個人的にとても気になる、面白いキャラクターです。

学部長:ダグラス・レイス
教授の両親も良く知る(らしい)学部長は、教授に対する気遣いを見せる。
どうやら父親に関する過去も知っているらしい。

ミステリですから勿論事件解決の行程が描かれている訳ですが、このドラマはそれにも増し
て人間の心、心理状態に重きをおかれている様に感じます。

単なる謎解きだけではなく、それぞれの登場人物の個人的な内面、犯人たちの犯行動機を掘
り下げていく点に重きを置かれている様に感じます。

又、
トラウマを抱えるテンペスト教授が大好きだというフラットの屋上でケンブリッジの街を眺
める姿は哀愁が漂います。

妄想シーンはそんな教授の心の内面が覗け、いきなりカンカン踊りが視えたり、殺害された被
害者が現れ会話する、金魚と会話する等、思わずニヤリとさせられる様なユーモラスとも思え
るシーンが描かれますし、 又、クリスティーナへの思いはフラットの屋上で2人でタンゴを
踊る姿や、一本のパスタを2人で両側から食べる(笑)シーン、又クリスティーナが夫と別居
すると聞いた時には”あんな男と一緒になるからだ”と激しく叱咤する等々。脳内ではそんな事
考えてるの?と心の中での正直な思いが表現されていてとても面白い描き方になっていると感
じます。
クリスティーナが教授に ”私は貴方を許すから、貴方も貴方自身を許して”(sounds like that)
と言うセリフがあります。 
この2人過去に何があったのか、これからどうなるのか・・・。

一番気になる点は、やはりトラウマの原因となった父親との関係でしょう。
この点が明らかにされるのか。

リサとダンの関係は?

エピソード中、5話で 母親を殺害され、心を閉ざした自閉症の少女と教授の触れ合いが一番
心に残って居ます。

シーズン2でどの様な展開になるのか非常に気になるところです。

以前も書きました様に、シーズン2も6エピソード構成で製作予定となっています。
放送予定は多分2022年秋頃(?)と言われていますが(先が長い)、楽しみに待つ事に致しま
しょう。




海外ドラマ新シーズン情報

2022-01-13 | 海外ドラマ
※『ミステリーinパラダイス』S11

”Death in Paradise” シーズン11
BBC1 2022年1月初放送
全8エピソード

英国では1月7日から既に放送開始になっています。



S10 で パーカーさん一大決心をして告白しようとフロランスのもとに赴いて・・・という
ある意味クリフハンガーの形で終ったので、その後の2人の関係がどうなるのか?も気になると
ころではありますね。



その前に、昨年12月には”クリスマス・スペシャル”の放送もあった様なので、この作品と共に
S11の日本放送が待たれます。
今のところ日本放送は未定です。

そう言えば、S10 では大人気だったリチャード・ブールがカメオ出演していたせいか、リチャード
さんの再登場があるのではないかと言う噂(あくまでもファンの希望?)が出ていた様ですが、あ
の退場の仕方では それはチョット無理なのでは?という事で この点は否定されています。
何と言っても一番人気のリチャードさんですから ドウェインと共に復帰を願うファンの気持ちも
分るらないではないって事ですが。

※『ヴェラ~信念の女警部』S11

”Vera” シーズン11
ITV 2021年8月初放送
全6エピソード

これ迄のシーズンは総て4エピソード構成になっていましたが、S11 は初の6エピソード構成になっ
ています。
4エピソードは既に放送されたようですが、残り2エピソードは2022年8月放送(予定)となり、変則
パターンになっています。





エイデン、ケリー等の主要メンバーは変わらず継続出演していますね。

既にシーズン12の製作も決定されています。
ブレンダさんも75歳(でしたか)になられますが、ヴェラの素晴らしい頑張りには敬服します。

最新シーズンのS11の日本放送を待つ間、
AXNミステリーにて、S1~S10の一挙放送が予定されています。

2月24日(木)6:00pm ~

もう何度も観ているのですが、又ひつこく観る事になるでしょう。

他ドラマの新シーズンに関しても順次追記するつもりです。




『ロウソクのために一シリングを』ジョセフィン・テイ著

2022-01-09 | ブックレヴュー&情報
『ロウソクのために一シリングを』ハヤカワ・ポケット・ミステリー2001/7/10

ジョセフィン・テイ(著)、佐良和美(翻訳)
”A Shilling for Candles”

1936年に発表されたジョセフィン・テイによる、ロンドン警視庁の警部アラン・グラントを主人公と
した長編推理小説。

テイの作品では、第5作目の『時の娘』が歴史ミステリ、ベッド・ディテクティブの分野における嚆矢
的存在として著者の代表作となっており、英米だけでなく、日本のミステリー作家にも影響を与えて
いると言われています。

しかし、『時の娘』を発表した翌年55歳の若さで亡くなり、惜しまれています。

『時の娘』は大好きな作品で、かなり昔に読んで以来、何度か読み直しをしていますが、大雑把では
ありますが概略はコチラをご参照下さい。

今作は少々古い作品ですが、偶然見つけたので飛びつきました。

内容(「BOOK」データベースより)
英国南部の海岸に、女の溺死体が打ち上げられた。すぐに身元は映画女優のクリスティーン・クレイ
と判明。現場の状況から事故死とも考えられたが、ロンドン警視庁のグラント警部は背後に殺人の臭
いを嗅ぎとった。容疑者としてクリスティーンの別荘に滞在していた青年ティズダルが浮上するが、
警察の動きを察知して行方をくらましてしまった。そんな折り、クリスティーンの遺言が開示され兄
ハーバートへの奇妙な遺言が明らかになった!名作『時の娘』のグラント警部初登場。ヒッチコックの
「第3逃亡者」の原作としても知られる黄金期の傑作。

ヒッチコックの作品は古い作品を含め随分多く観たつもりでしたが、『第3逃亡者』は観た事があり
ません。
原作とは大分異なる描き方をされている様ですが、観る機会があれば・・・と感じます。

『時の娘』では、ベッド・ディテクティブとしてリチャード3世の真実を追及したグラント警部ですが、
この作品はそれより前の出来事です。
グラント警部、愛すべき部下のウィリアムズ、又女優のマータはこの作品がデビューとなるのです。

冒頭で 浜辺で死亡しているハリウッドの映画女優のクリスティーン・クレイが見つかり、当初事故
かと思われたものの、溺死体に残されていたコートのボタンから殺人事件ではないかと捜査が始まり
ます。
財産を食いつぶし 放蕩の果てに一文無しとなり、クリスティーンに拾われ いそうろうとして別荘
に滞在していたティズダル青年が容疑者とみなされ、警察が動き出し、ロンドン警視庁からグラント
警部も捜査に係わる様になる。

明かにティズダルが不利であるが、他にも容疑者として映画関係者、女優仲間、占い師、夫であるエ
ドワード卿など曰くありげな人物が登場します。

そんな折、クリスティーンの遺言書が発表され、その最後に実の兄あてには”ロウソクのために一シリ
ングを”
と書かれており、誰にも知られていなかった実兄の存在と、その意味不明とも言える奇妙な
遺言に含まれた兄との確執、特別な関係を感じさせられた警察は兄の行方も追い始めます。

そして、遺言書の最後に追加された条項には、ティズダルの為にカリフォルニアに所有する牧場と
現金が贈与されていた為、ますますティズダルの容疑は深まり、逮捕もやむ無しとなったものの、
それでもどうしてもティズダルを犯人と思えないグラントは葛藤します。
しかし、ティズダルを訪ねたグラント達は目の前で彼に逃げられるという失態を犯してしまいます。
思い悩み夜も眠れなくなるグラントは、弱さも見せる人間味を感じさせられます。

ティズダルの無実の証明となるコートを探す捜査が続くなか、地元の警察署長の娘であるエリカは
1人無断でティズダルの行方を探す為奔走します。

犯人捜しのミステリではありますが、次第に明かにされるクリスティーンの生い立ちが彼女の実像を
鮮やかに描き出し、又、周囲の人物達の人物描写も丁寧で鮮やかで、人間ドラマとしての魅力が大き
いと感じさせられます。
グラントの部下であるウィリアムズ巡査部長の敬愛するグラントに対する思いやり等ほのぼのさせ
られます。

中でも、はねっかえりで行動力のあるエリカが非常に魅力的に描かれています。
ハンサムなティズダルの為に奔走しているのかと思ったら、実はグラントがお目当てだった?

殺人事件の捜査ではありますが、殺伐間感はなく、登場人物が生き生きとし、古き良きミステリを感
じさせられます。

巻末解説は宮部みゆきさんという贅沢さ。
曰く、
「上質なミステリ」「愛すべきキャラクター」
「展開は地味だけど、細部まで神経がいきわたっている」。
そして「上質なミステリはこうでなくちゃ!」

時にはこんなミステリも良いものです。



2月初放送の英国ミステリドラマ情報:追加補足

2022-01-06 | 海外ドラマ
以前コチラでご紹介した日本初放送ドラマの放送日が告知されましたので、追記します。
(前回の内容と重複している部分もありますのをお含みおき下さい)
以下総て AXNミステリーにての放送です。

※『刑事ダルグリッシュ』

”Dalgliesh”
全6エピソード

シルバー・ダガー賞を受賞した P.D.ジェイムズによる原作『ナイチンゲールの屍衣』、『黒い塔』、
『死の味』の3作品を各々2部構成(全6話)で描かれている”ダルグリッシュ警部”シリーズのドラ
マ化作品です。

監督:ジル・ロバートソン
脚本:ヘレン・エドマンソン
出演:
バーティ・カーヴェル(アダム・ダルグリッシュ)
ジェレミー・アーヴァイン(マスターソン)


(メインの脚本は『夜の訪問者』、『ウィッチャーの事件簿』を手掛けた方です。 この両作品共とて
も素晴らしく感銘を受けたドラマでしたので、期待できそうです)

↓ 大分前の記事ですが、宜しければご参照下さいませ。
✩『ウィッチャーの事件簿』E1 : ”ロード・ヒル・ハウス殺人事件”
✩BBCドラマ「夜の来訪者」視聴感想少し

舞台は1970年代の英国。ロンドン警視庁犯罪捜査課のダルグリッシュ警部は詩人としても有名な教養あ
る人物で、その繊細な感性と鋭敏な知性で数々の難事件を解決していく。

放送は、
2022年2月20日(日) 4:00pm~

ドラマの原作は3作品共翻訳出版されている筈で、かなり大昔に読んだ記憶はあるものの 内容は殆んど
覚えていません(何時ものフレーズ)。 ハヤカワポケミスだったと思うのですが、少々古いので現在
手に入るかどうか・・・・。 図書館を探して再読せねば!

※『刑事マシュー・ヴェン 哀惜のうなり』

”The Long Call”
全4エピソード

これも前回書きました様に、『ヴェラ~信念の女警部』、『シェトランド』等の作品でCWA賞ほか数々
の文学賞を受賞する英国推理小説界の至宝アン・クリーヴスが2019年に発表し、アガサ賞を受賞した
ベストセラー小説を基にした英国ITVの最新作。
絵画のように美しいイギリスのデヴォンを舞台に、20年ぶりに故郷に帰ってきた刑事マシュー・ヴェン
が、閉鎖的なコミュニティの秘密に関わる事件を解決していく。

監督:リー・ヘイヴン・ジョーンズ
脚本:ケリー・ジョーンズ
出演:
ベン・オルドリッジ(マシュー・ヴェン)
ジュリエット・スティーヴンソン(ドロシー)
マーティン・ショウ(デニス)

(「孤高の警部 ジョージ・ジェントリー」の名優マーティン・ショウがドラマのキーパーソンを演じる。)

正統派ミステリでありながら、LGBTQ+を扱ったドラマである点にも注目を集め、評価を得ている。
又、『ヴェラ』、『シェトランド』を手掛けた製作陣である事も注目点で、手堅い作品になっている
のではないかと、これも期待作です。

放送は、
2022年2月27日(日)6:30pm

尚、放送を機に『ヴェラ』、『シェトランド』の再放送も予定されている様です。

※『ミュージアム~美術館の女』

”The Museum”
2021年 ウェールズ
全6エピソード

このドラマは今回初めてのご紹介です。

ウェールズの国立美術館の館長であり、社会的地位や美貌、全てを持っている主人公デラが、謎の
美青年との情事によって美術界の闇に巻き込まれていく様を描く、アート・クライム・サスペンス!
ウェールズの国立美術館を舞台に、美術界の闇を描いたアート・クライム・サスペンス。暗く危険な
雰囲気の中、スリリングな展開が繰り広げられる紆余曲折するストーリー。そして、第1話を見ただ
けではまったく想像できない、衝撃の結末が待ち受ける…!

ドラマはウェールズにあるカーディフ国立博物館で撮影され、国立博物館内やルノアール、レンブ
ラントといった有名な芸術品が楽しめるのも本作の魅力の1つである。

このドラマは ウェールズ語で製作されているそうで(ウェールズ語がどんなか良く分っていません
が)、原作のタイトルもウェールズ語で ”Yr Amgueddfa”(=The Museum)となっています。
これを見ても、ウェールズ語はイングランド語(英語)とは全く違う事が分かりますね。

クライム・サスペンスであると同時にアート作品も堪能できるという、”一粒で二度美味しい”パターン
は、フランスドラマの”アート・オブ・クライム”と同一路線でしょうか。

監督:リス・ボーイス、リス・カーター
脚本:フラー・ダフィッド
出演:
ニア・ロバーツ(デラ)
ステファン・セニドー(カレブ)

(脚本はBAFTAを受賞した作家・脚本家でありシンガーソングライターでもあるフラー・ダフィッド
が担当している。また主演のニア・ロバーツは「もう一人のバーナビー警部」「ヒンターランド」
「ドクター・フー」等数々のドラマ・映画に出演しており、「ロンドン警視庁コリン・サットンの事件簿」
などの英国で大ヒットしたドラマの監督を務めるマーク・エヴァンスの妻でもある。)

放送は、
2022年2月6日(日)4:00pm~

(AXNミステリー、その他より)


久々に2月は新作ドラマが色々予定されています。
楽しみが出来ました。


『刑事モース~オックスフォード事件簿』Case24&25 : WOWOWプラス放送情報

2022-01-03 |  ∟新米刑事モース/主任警部モース
”ENDEAVOUR”:S6


明けましておめでとうございます。
素晴らしい初日の出で迎えた新しい年ですが、何とか今年こそ”コロナ”情報を見ないで済む様
な日々が来ます様に祈るばかりです。
皆々様にとって素敵な年になります様にお祈りいたします。
そして、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、
新年最初の記事は久々の”モース”の話題に致しました。
皆様既にご存知とは思いますし、ご覧になった方も多いかと思いますが 某WOWOWでは最新
のシーズン8の放送もありました。
その為か、拙モース関連記事へのご訪問が大変増えています。
数か月前に最新シーズン放送の情報は得ていたのですが、何てったって契約していないもので
すから観られませんので記事にしませんでした(偏狭!)

某WOWOWには大分遅れをとっていますが、WOWOWプラスではシーズン6の2エピソード放送
が予定されています(ようやく!ですが・・・・)

シーズン6
E1(Case24):『花飾りの少女』”Pylon”
E2(Case25):『月の裏側』”Apollo”

の2エピソードが、
2022年2月14日(火)13;00 ~
放送予定になりました。

S6は、3年半程前にコチラで製作情報として初のファーストイメージをご紹介したのですが、
モースの”ヒゲ”騒動(?)がありましたっけね。 そして”制服”姿(?)も。


↑ こちらの画像は放送直前に発表されたポスターで、ロンドンの街中に大きく飾られて、いや
増しに期待感が膨らんできたもんです(その時の様子も記事に載せたのを思い出します)

又、Case25はショーン君が監督も兼ねているエピソードである事もご紹介してありました。
(S6のon the set の情報も色々ありますので、過去記事をご参照下さい)







そんな”ヒゲ”問題のあるシーズンではありますが、遅ればせながらの放送開始となります。

又その放送前に、
恒例の第一話からのリピート再放送も予定されています。

2022年1月11日(火)スタートで
(月)~(金)13:00 ~一話ずつの放送となっています。

もう何度も観直してはいても、又観たいエピソード、うろ覚えのエピソード等、又ひつこく観る
事になりそうです。
何と言ってもWOWOWプラスでは字幕版放送ですので、やはり拘りたいですね。

そして、なるべく早くシーズン6の続き2エピソード、その後のS7&8の放送もお願いしたいものです。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

コロナの影響で製作延期、公開延期、又製作中止になった映画、ドラマも色々ありました。
徐々に遅れていた映画公開も始まり、又新しいドラマの製作も始まっている様です。
今年放送予定の新英国ドラマも沢山発表されていますので、楽しみが出来ました。
又順次、徐々にご紹介していければ・・・と思っております。
以前のように色々楽しめる年になる事を期待しています。
お付き合い頂ければ幸いです。