The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

アンソニー・ホロヴィッツ『ヨルガオ殺人事件』ドラマ版:First Look!

2023-12-16 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Moonflower Murders”

BBC 
6エピソード

以前『カササギ殺人事件』のドラマReview記事内で、2作目の『ヨルガオ殺人事件』のドラマ製作も
決定したとの情報を書きました。
その後大分時間が経ってしまったのですが、ようやく”First Look” 及び情報がボチボチ出始めました。

原作概略は、以前コチラにご紹介しましたが、 『ヨルガオ殺人事件』はアンソニー・ホロヴィッツ
による ”スーザン・ライランド & アティカス・ピュント”シリーズ 『カササギ殺人事件』に次ぐ2作
目です。

ドラマ化作品のキャストは、
監督:レベッカ・ガトワード
原作/脚本:アンソニー・ホロヴィッツ
製作総指揮:ジル・グリーン

出演:
スーザン・ライランド:レスリー・マンヴィル
アティカス・ピュント:ティム・マクマラン
アンドレアス:アレクサンドロス・ロゴテェティス
ロック/チャブ:ダニエル・メイズ
ジェームズ:マシュー・ビアード
アラン・コンウェイ:コーンリス・ヒル:

(以上は前作『カササギ殺人事件』にも登場した出演者)










↑ ゲイティス御大 髪の毛が・・・・

に加え、新しいキャストには、
パリス/ベルリン:マーク・ゲイティス
リサ/メリッサ:ロザリー・クレイグ
マデリーン:ピッパ・ベネット・ワーナー
等が出演しているとのこと

『ヨルガオ殺人事件』の撮影はダブリンとクレタ島で行われたそうです。

取りあえずの第一報ですので、リリース日、trailer等の情報はこれから出てくると思います。
楽しみが出来ました。

追加情報出次第順次お知らせしようと思います。

原作:
『ヨルガオ殺人事件』上/下

創元推理文庫 2021年9月13日
アンソニー・ホロヴィッツ(著)、山田蘭(翻訳)




(source : BBC, telly visions、創元社 & etc.)






『カササギ殺人事件』ドラマ版Review : (2)

2023-02-14 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Magpie Murders"


・・・・・ その(2)

前回の続きです。



『カササギ殺人事件』では、過去に何度も触れました様に アガサ・クリスティへのオマージュが豊
富に散りばめられています。

チャールズが口ずさむ 作品タイトルにも使われたカササギの童謡です。

One for sorrow, (一羽なら悲しみ)
Two for joy, (二羽なら喜び)
Three for a girl, (三羽なら娘)
Four for a boy, (四羽なら息子)
Five for silver, (五羽なら銀で)
Six for gold, (六羽なら金)
Seven for a secret, (七羽ならそれは)
Never to be told. (明かされた事のない秘密)
(wikipediaによると、もっと長いものや、少しずつ異なる色々なバージョンがあるようです。)

アガサ・クリスティもマザー・グース等(と言われている)童歌をモチーフに使った作品が幾つか
ありますね。
こんな点でもクリスティへのオマージュが見受けられます。
(因みに、”One for Sorrow”は『ルイス警部』のS9でエピソードのタイトルに使われていました。
いきなり話が逸れてスミマセン)

その、「カササギ」ですが、トリの種類にも疎いし、実際お目に掛かった事が無い(多分)のですが、


こんな鳥です。 ドラマの中にも沢山出て来ましたね。
(画像お借りしました)

そして、このドラマのもう一つの需要なテーマ、”アナグラム”。
アランが仕掛けたアナグラムというのは、彼のアティカス・ピュント シリーズのタイトルに隠されて
いました。

1.Atticus Pund Investigates :『アティカス・ピュント登場』
2.No Rest for the Wicked :『慰めなき道を行くもの』
3.Atticus Pund Takes the Case :『愚行の代償』
4.Night Comes Calling :『羅紗の幕が上がるとき』
5.Atticus Pund Christmas :『無垢なる雪の降り積もる』
6.Gin and Cyanide :『解けぬ毒と美酒』
7.Red Roses for Atticus :『気高きバラをアティカスに』
8.Atticus Pund Abroad :『瑠璃の海原を越えて』
9.Magpie Murders :『カササギ殺人事件』

9作品の頭文字をとると、”an anagram” となります。 そして、翻訳された日本語タイトルもしっか
りアナグラムとなっています。
これは凄いです。 原作を読んだ時から感じていた点ですが、英語でのアナグラムを日本語で意味の
ある言葉に翻訳する難しさが如何に大変かと。そこを踏まえ、原題から離れず、キチンと意味を持つ
タイトル翻訳をなさったことは感動モノで、お見事!と称賛の気持ちを表したい所です。

アランが絶対タイトルを変える事を認めないと激怒していたのですが、それはアナグラムが崩れてし
まうから。 と後で分かるのですが・・・

そして、アティカス・ピュント(Atticus Pünd 」という名前自体もアナグラムになっていて、アラン
が仕掛けた地雷になっています。(ここで書くことは自主規制しておきます)

その後、ドラマの中で、「カササギ殺人事件」というタイトルに関して、ソフィ―・ハナが「秘密の
カササギ殺人事件」と変更した方が良いと言っている・・・というセリフがありました

この”ソフィ―・ハナ”は、クリスティ財団公認のエルキュール・ポアロ作品の作者です。 
一作目の「モノグラム殺人事件」は大分前ですが一応読みました。 



原作には他にも実在の人物が登場しています。
アガサ・クリスティの孫(?)でクリスティ財団のマシュー・プリチャード氏他名前だけを含め
多くの著名人が登場しています。

ドラマは、ピュントの力(?)を借りてスーザンは「カササギ殺人事件」の全容を理解します。
最後に、ピュントと共に歩きながら、「貴方に会えなくなるのは寂しい」というスーザンに、ピュ
ントは、「アランの原作はあと8作あるから大丈夫」と(意味ありげに)言うのです。



これで、このドラマは終わるのですが、
ピュントの言う通りになっています。

『カササギ殺人事件』に続く2作目『ヨルガオ殺人事件』が既に刊行されていますが、先日その『ヨ
ルガオ殺人事件』のドラマ化も決定と発表されましたね。



これは、スーザンがアンドレアスと共にクレタ島でホテルを経営する事になったところから始まります。
アランの作品『愚行の代償』に関連する事件が起こり、又もやスーザンが巻き込まれる。
ってな事でしたね。

再びスーザンとピュントに会えそうですね。
楽しみが出来ました。
リリースは2024年予定と言われていますが、決まったらその前に『ヨルガオ』もう一度読みなおさ
なければ・・・・・。

製作情報が出たらご紹介しますね。


(source : Masterpiece,BritishPeriodDramas & etc.)


※ 関連過去記事は、
右カテゴリー欄 : ∟カササギ殺人事件



『カササギ殺人事件』ドラマ版Review : (1)

2023-02-11 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Magpie Murders"


6エピソード
#1 名探偵アティカス・ピュント
#2 アランの真実
#3 疑惑の連鎖
#4 パイ屋敷の暗い過去
#5 偽りの真相
#6 笑顔の別れ

ストーリー詳細は原作及びその後の情報の中でご紹介していますので、今回はドラマを観た感想
と気付いた事色々に触れたいと思います。

いや~、待った甲斐がありました。
一言、面白かったです。
過去にも何度か書いたのですが、原作が2重構造になっている為映像化が難しかろう、しかしホ
ロヴィッツさんご本人が脚本を担当なさったので とんでもない事にはなる筈もなく、どんな
風に収められたのか・・・この点が非常に興味を持っていた点なのでネタバレ等は全く観ないで
ひたすた我慢でお待ちしたという訳で。
一応2回視聴して、2度目は割と細部まで観たつもりですが・・・・・

原作は、編集者のスーザンがアランの死と共に失われた『カササギ殺人事件』結末部分の原稿
を追う現実と、その『カササギ殺人事件』の登場人物、名探偵アティカス・ピュントと若き助
手が依頼された殺人事件の真相を追うというフィクションの2重構造が複雑に交差するのです
が、この作品では映像作品ならではの鮮やかな手法によって ”スーザン パート”と”ピュント
パート”が非常に分かりやすく自然に切り替えられています。
う~~ん、そう来たかッ! 成程ッ!と感動しました。



例えば、スーザンが運転するコンバーチブルとピュントとジェームズ乗る車がすれ違い、ここ
でパートが切り替わる。 ってな具合で映像として分かりやすい演出がされています。

ファーストルックの画像で、スーザンとピュントが並んでいるのを観た時に、スーザンが夢の
中で事件を追うのかな?(ガウン姿だったので)と想像していたのですが、当たらずとも遠か
らずでしたね(自画自賛?)

最初にスーザンが車に乗りバックミラーを観た時にピュントが写る…のを観た時にトリハダ
もんでした。


その後、スーザンが推理をする度にピュントが現れて色々と意見交換をする、或はピュント
の考えを聞く…と言う形で、スーザンが自分の推理を頭の中で組み立てていく、と言う形式
をとっています。



又、登場人物も アランが『カササギ殺人事件』の登場人物は殆んど現実に存在する人々を
モデルにしている点(名前も殆んど同じ)、映像化されたなかでは両パート同じ俳優さんが
演じている為、これも又理解しやすい演出になっています。

そこで、その登場人物に関してなのですが、キャストに関しては前回コチラに書きましたの
でご参照下さい。

今回はアランの作品に登場する人物のモデルが誰なのに触れておきます。

ジェイムズ・フレイザー(ピュントの助手)=ジェイムズ・テイラー(アランの愛人):マシュー・ビアード


チャブ警部補(ピュントの知り合い)=ロック警視(バース警察):ダニエル・メイス


クラリッサ・パイ(サー・マグナス・パイの双子の妹)=クレア・ジェンキンス(アランの妹):ピッパ・ヘイウッド


サー・マグナス・パイ=マックス・レイランド(スーザンの父):ロルカン・クラニッチ
その他何人もの人物が作中のモデルとして登場しています。



そして、スーザン・ライランドを演じるレスリー・マンヴィルに関してなのですが、
最初にキャスティングを見た時、スーザンの年齢が気になったのですが(原作では40歳位?)でも、
流石の演技力で全く気にならない、どころか、むしろもっと若い女優さんでは難しかったかも、と
思えましたね。
それにしても、マンヴィルさんこの所の勢いは凄いです。 最近では『ミセス・ハリス パリへ行く』
をはじめ、TVドラマでも『刑事シンクレア』をはじめ多くのドラマ、以前ご紹介した製作予定の
『Critic』等多くの作品に出演するベテラン女優さんですね。

余談ですが、ゲイリー・オールドマンは元ご主人です←凄いですね!(って、意味不明ですが、個人的
な感想で)

又、アラン・コンウェイを演じるコンリース・ヒルは、
”GoT” のヴァリスで良く知られていますね。 あの時はツルピカ(?)だったからこのドラマでは
最初はすぐには気付かなかったのです。
他にも多くのドラマに出演。
そう言えば、先日日本放送になった『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』にも出演していまし
たっけ。偶然に出演作が続きました。

アティカス・ピュントのティム・マクマランは
味のある俳優さんです。 何と言っても『刑事フォイル』での出演が印象的でした。
このドラマでも 海外で初放送時に”アティカス・ピュントがimpressiveだった”と評されていました。

ここでちょっとtribia ですが、

その1 : ホロヴィッツさんのカメオ出演 
一回目視聴している途中で、アレ?今のは?・・・・と思ったのですが、余りにも短い本当に一瞬の
事でした。 その後チョット確認したところ確かにカメオ出演していらっしゃる事が判明。
2回目の時よ~~っく観直しました。 それにしても短すぎ(笑)
コリン・デクスター氏のカメオは割と良くみつけられたんですけどねぇ。
皆様気付かれましたかしら?

その2 : スーザンの妹ケイティ―役
クレア・ラッシュブルックでしたが、これも、あれ?の1つ。 何処かで見た様な・・・・。
と思ったら、『刑事シンクレア』でもレスリー・マンヴィルの妹役でしたわ。 、


まだまだ書きたいことが沢山ありますので、
その(2)に
・・・・・to be continued です。


(source : Masterpiece,BritishPeriodDramas & etc.)

※ 関連過去記事は、
右カテゴリー欄 : ∟カササギ殺人事件




『カササギ殺人事件』CS初放送情報です!!

2022-11-21 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Magpie Murders”

2022年 全6エピソード

待った甲斐がありましたねッ!!

他媒体で配信されたのをジッと指を咥えて我慢をしておりました。
DVDを買おうか・・・と迷っていたところですが、予想よりは早くCS初放送となるとのこと。 嬉し
いお知らせです。

AXNミステリ―にて、
2023年1月21日(土)16:00~ 一挙放送 (字幕版です!!)


この作品に関しては、原作から始め、ドラマ化関連も一年以上前から何度もひつこく書いてきました
様に、個人的に大変気に入った好きな作品です。

過去記事とは重複するのですが、せっかく嬉しいお知らせなので、ここにあらためて一部を書き出し
ておきましょう(ひつこくてスミマセン)



世界的大ヒット推理小説『カササギ殺人事件』の原作作者であるアンソニー・ホロヴィッツが自ら脚
本を手掛け映像化したドラマは第一報から期待感でワクワクさせられていました。

念のため出演者をもう一度;
スーザン・ライランド:レスリー・マンヴィル
アラン・コンウェイ:コンリース・ヒル
アティカス・ピュント:ティム・マクマラン
アンドレアス・パタキス:アレクサンドロス・ロクーテティス
チャールズ・クローヴァー:マイケル・マロニー
ジェイムズ・フレーザー/ジェイムズ・テイラー:マシュー・ビアード




ところで、以前気付いていなかったのですが、マシュー・ビアードがアティカス・ピュントの秘書で
あるジェイムズ・フレイザーと、実在の作家であるアラン・コンウェイの愛人であるジェイムズ・テ
イラーの二役だったんですね。 以前載せた画像で全く異なる外見(服装)で不思議に思ってはいた
のですが、同じく”ジェイムズ”だし・・・・気付きませんでしたが、今回ようやく判明。
 
2層構造になっている入り組んだストーリー、アガサ・クリスティへのオマージュに溢れあちこちに散
りばめられているクリスティ作品への愛を感じる傑作英国ミステリの映像化には、レスリー・マンヴィ
ル(『ザ・クラウン』、『リヴァー』、『刑事シンクレア シャーウッドの事件』等)、コンリース・
ヒル(『ゲーム・オブ・スローンズ』等)、ティム・マクマラン(『刑事フォイル』、『刑事モース』
等)という名優が顔を揃えている点も感動ものです。



現実と小説の中の事件が交差して語られるという、ドラマ化は難しいだろうと思う二層構造の内容を 
作者であるアンソニー・ホロヴィッツがどの様に描いているのか期待が膨らみます。

楽しみが出来ました。

原作は、↓

★ 『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ著

ドラマ化関連過去記事は
右カテゴリー欄 ; ∟カササギ殺人事件
又は、
今回記事最下段


をご参照下さいませ。




ドラマ版『カササギ殺人事件』追加情報少し

2022-03-22 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
"Magpie Murders"


何度もご紹介した、アンソニー・ホロヴィッツ原作の『カササギ殺人事件』のドラマ版に関して、
前回情報を(コチラに)書きましたが、2月に英国で初放送されました。

ドラマ放送後の情報として、

気になっていた原作の2層構造がどの様に表現されているか?に関しては
現代のスーザン・ライランドの視点での表現場面がメインになっているとか・・・・。
又、アティカス・ピュントが印象的であったとの意見も出ていました。

何れにしても、
ドラマの評価は大変高かった様で、既にシーズン2製作も決定されたとの情報が出ています。
っていう事は、『ヨルガオ殺人事件』が描かれるんでしょうね。
スーザンが現代のミス・マープルの様な存在になるみたい・・・とか。

日本での放送は全く情報も出ていません。 何とか早く放送して下さい~~。
その間DVDの情報待ちですが、これも現時点ではTBAという状態です。

何となくお預けをくわされている様でジリジリしているところですので、追加画像だけで色々妄想
する事にいたしましょう。










ところで話が逸れますが(しょっちゅう?)、
前回ご紹介した様に、このドラマにも出演しているマシュー・ビアードの『ヴィエナ・ブラッド』で
すが、シーズン2も既に放送されました。
これも日本放送が非常に待たれます。早くお願いします。





ドラマ版『カササギ殺人事件』Trailer&追加情報

2022-01-19 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Magpie Murders”

2021年 6エピソード

これ迄何度かご紹介した 世界的大ベストセラーであり、日本でも数多くの賞を受賞した アンソ
ニー・ホロヴィッツ原作の『カササギ殺人事件』のドラマ版の追加情報です。

この度放送日と共に、追加出演者、trailer等がリリースされました。



先ず、
キャストの追加情報ですが、

製作:ジル・グリーン
監督:ピーター・カッタネオ
脚本:アンソニー・ホロヴィッツ
出演:
レスリー・マンヴィル:スーザン・ライランド(女性編集者)
コンレス・ヒル:アラン・コンウェイ(『カササギ殺人事件』の著者)
ティム・マクマラン:アティカス・ピュント(『カササギ殺人事件』作中の名探偵)
マシュー・ビアード:ジェイムズ・フレイザー(ピュントの助手件秘書)
マイケル・マロニー:チャールズ・クローバー(クローバーリーフ・ブックスの最高経営責任者)






 




派手さはないが、手堅い名優をそろえています。



今回追加で発表された出演者を見て、おッ!と思たのは、アティカス・ピュントの助手/秘書の役で
マシュー・ビアードが出演していますね。
マシュー・ビアードは、『ヴィエナ・ブラッド』に出演していたのですが(『イミテーション・ゲーム』
にも出演していたらしいけど、記憶に無くてゴメンです)、そう言えば、『ヴィエナ・ブラッド』のシー
ズン2は何時放送になるんでしょう。早くお願いしたいのですが・・・・。

↓ official trailer はこちら
https://youtu.be/RtkjM7kyL7k

英国初放送予定は2022年2月10日と発表されています。
日本放送は未定ですが、何とか早くお願いしたいものです。

以前も書きました様に、原作は2層構造になっているので、ドラマ化は難しいだろうなぁ とも思うし、
どの様に話を進めるのだろうかとアレコレ妄想してしまうのですが、そこは、原作者であるアンソニー・
ホロヴィッツ自身が脚本も担当しているので、納得いく形に収めていることでしょう。

前回first lookでも載せました冒頭の写真からちょっとした妄想の一部ですが、
アティカス・ピュントとスーザンが一緒にいる・・・しかもスーザンはガウン姿。
という事は・・・、『カササギ殺人事件』の原稿を読んでいるスーザンの夢の中でピュントの事件が
描かれているのかしら?等と考えたりしていますが、どうでしょうねぇ。
いずれにしてもとても楽しみな作品です。

このドラマに関する拙過去記事(原作も含みます)は
↓ コチラ
※ ドラマ版『カササギ殺人事件』First look出ました





『ヨルガオ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ著

2021-10-14 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
『ヨルガオ殺人事件』上・下(創元推理文庫)-2021/9/13

アンソニー・ホロヴィッツ(著)、山田蘭(翻訳)
”Moonflower Murders”

先日『カササギ殺人事件』のドラマ版について書いたばかりでしたが、何というナイスタイミング!
というか、出遅れました(汗)

『カササギ殺人事件』を読み直し始めていた所に続編翻訳本が出版されました。

内容概略紹介は、

主人公は、前作『カササギ殺人事件』に初登場した編集者スーザン・ライランド。
『カササギ殺人事件』から2年後、編集者を辞め、パートナーと共にクレタ島に移りホテルを経営
していた彼女の元に英国から裕福な夫妻が訪ねて来る。
彼等のホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた・・・と連絡して来た直後に娘
が失踪したと言う。
その本とは、名探偵アティカス・ピュント シリーズの『愚行の代償』。かつてスーザンが編集し
たミステリだった。
巨匠クリスティへの完璧なオマージュ作品+英国のホテルで起きた殺人事件。
『カササギ殺人事件』の続編にして、思考の犯人当てミステリ!
(紀伊国屋書店、版元ドットコム)
となっています。

風の噂によれば(?)同じくホロヴィッツ作の『メインテーマは殺人』(この作品も大好きでした)
の香りが漂っている・・・・とか。

大急ぎで『カササギ殺人事件』の再読を終了し、続編に取り掛からねば。
楽しみができました。

取り急ぎご案内ですが、読み終えた後感想を書ければと思っています。

尚、
 先日書きました『カササギ殺人事件』ドラマ版、原作感想等はコチラをご参照下さいませ。
 『メインテーマは殺人』はコチラ




ドラマ版『カササギ殺人事件』First look出ました

2021-10-03 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Magpie Murders”

6 episodes
Masterpiece

以前ご案内致しました アンソニー・フォロヴィッツ原作『カササギ殺人事件』ドラマ版の続報が
ようやく出ました。
今回はキャストとFirst lookの一部です。







キャスト、
製作:ジル・グリーン
監督:ピーター・カッタネオ
脚本:アンソニー・ホロヴィッツ

出演:
レスリー・マンヴィル:スーザン・ライランド(女性編集者)
コンレス・ヒル:アラン・コンウェイ(『カササギ殺人事件』の著者)
ティム・マクマラン:アティカス・ピュント(『カササギ殺人事件』作中の名探偵)


『カササギ殺人事件』は、女性編集者スーザン・ライランドが、作家アラン・コンウェイによる未完
のミステリ小説『カササギ殺人事件』を読むという作中作の構造で展開する長編ミステリ。
作中の『カササギ殺人事件』では、1955年を舞台に、名探偵アティカス・ピュントが、とある屋敷の
家政婦の不審死を追いかける。編集者スーザンの“謎解き”はどのように繋がるのか、そして事件の真相は?
鮮やかなストーリーとアガサ・クリスティーへのオマージュなどが高く評価され、世界的ベストセラー
となった本作は、日本でも多数のミステリ賞に輝いた。

このたびホロヴィッツは、「『カササギ殺人事件』は私の小説で最も成功した作品であり、容易に脚
色できる作品ではありません。しかしながら観客を楽しませ、そして裏切る、完全に独創的なドラマ
になると思います」とのコメントを発表。グリーンは「現実と虚構の危ない橋を渡り、真実を暴くた
めに戦う、強い女性が主人公です。こんな犯罪ドラマはかつてなかったと思います」と記した。
(THE RIVERより)

ドラマ版放送日は現時点では未定ですが、あまり遠くない時期に放送になる様です(希望的観測)
是非日本でも放送なります様に!

(source : Masterpiece & etc.)

尚、
※原作概略、感想は下記に書きましたのでご参照下さい
『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ著

※ 又、ドラマ製作第一報は下記に
アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』ドラマ化 



アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』ドラマ化  

2020-07-25 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Magpie Murders”

Deadline、The Riverなどの情報によれば、アンソニー・ホロヴィッツ原作のミステリ小説『カササギ
殺人事件』がドラマ化されると発表されたようです。

ドラマはホロヴィッツ自身が脚本を担当、プロデューサーはホロヴィッツによるドラマ作品を手掛けて
来たジル・グリーンが就任したとの事。

ドラマ版は全6話構成、製作・米国放送はPBS, 海外配給はソニー・ピクチャーズ・テレビジョンが
担当するようです。
(画像&情報元はDeadline,The River等)

現時点ではキャスト等詳細は発表されていませんが、どんなキャスティングになるんだろう?
特に”アティカス・ピュント”を誰が演じるのか興味深々というところ。
兎に角楽しみです!


この『カササギ殺人事件』は世界的なベストセラーとして多くの賞を獲得し、日本でも多数の賞を
受賞した人気の作品です。
概要は拙レヴューコチラをご参照下さい。

又、アンソニー・ホロヴィッツに関しては これまでも折に触れて何度か書いてきましたが、この際改
めて少し纏めて置こうと思います。
(経歴等はwikipediaにありますので、ご参照下さい)

イギリスの小説家でありドラマの脚本家であるホロヴィッツは、日本でも人気のドラマを色々手掛け
ています。
主な作品は、
『名探偵ポアロ』


『刑事フォイル』 ※ 脚本兼製作


『バーナビー警部』 ※ 脚本兼製作


『ニュー・ブラッド新米捜査官の事件ファイル』 ※ 脚本兼製作


どのドラマも大好きでもう何度も繰り返しみるのですが、唯一『ニュー・ブラッド』は・・・
メインキャラクターも若く、スピーディーでスタイリッシュな作品なのですが、どうも主役の2人に
イマイチ釣られなくて(全く個人的な好みです)途中脱落。 ドラマ自体は面白いと思うので少々残
念。食わず嫌いなのかもしれないので、再挑戦してみようかと思っている所です。

他にも日本では放送されていない作品も幾つかありますね。

又、小説家としても イアン・フレミング財団から著者に選ばれた ”007” 新作等を含む多くの作品
を手掛けており、ミステリ作品として日本でも翻訳出版されている作品は、今回の『カササギ殺人
事件』』の他に、

コナン・ドイル財団により”シャーロック・ホームズ”の続編と公認されている『絹の家』と『モリアーティー』
『絹の家』 ※ 拙レビューはコチラ 


『モリアーティー』 ※ 拙レビューはコチラ


『メインテーマは殺人』 ※ 拙レビューはコチラ

等があります。

放送時期など詳細は未定ですが、続報が出れば順次追加していこうと思います。


『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ著

2019-02-20 |  ∟カササギ殺人事件 /ヨルガオ殺人事件
”Magpie Murders”

『カササギ殺人事件』上&下 創元推理文庫 2018/9/28
アンソニー・ホロヴィッツ(著)、山田 蘭(翻訳)

『内容紹介』より 
現代ミステリの最高峰が贈る、すべてのミステリファンへの最高のプレゼント!

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段
の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は小
さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく。燃やされた肖像画、消えた毒薬、謎の訪問者、そ
して第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理は――。現代ミステリのトップ・
ランナーによる、巨匠クリスティへの愛に満ちた完璧なオマージュ作品!

この作品は、≪年末ミステリランキング、史上初!の全制覇第1位≫
となっており、「#このミステリがすごい!」、「#週刊文春ミステリーベスト10」、「#2019
本格ミステリベスト10」、「#このミステリが読みたい!」での制覇だそうです。

へそ曲りなワタクシとしては、このキャッチに釣られた訳ではなく、あくまでも”アンソニー・
ホロヴィッツ”だからという事で手に取りました。

アンソニー・ホロヴィッツは、過去に”コナン・ドイル財団公認”として「絹の家」と「モリアー
ティー」の両作品を出版していましたし、又TVドラマ「名探偵ポアロ」や「刑事フォイル」の脚
本でお馴染みです。 そんなアンソニホロヴィッツによるアガサ・クリスティーへのオマージュ
作品です。

この作品は、2層構造になっていて、1つは女性編集者のスーザン・ライランドが探偵役となる物
語り、もう1つは作家アラン・コンウェイの作中の名探偵アティカス・ピュントが手掛ける殺人事件。
この二つが絡みあうところが作品の要になっています。

上巻ではスーザンが世界的なベストセラーとなったアラン・コンウェイの”アティカス・ピュント
シリーズ”の9作目である最新作「カササギ殺人事件」を読み始める場面から始まります。
「カササギ殺人事件」は1950年代の英国を舞台に ある小さな村で起こった家政婦の不審な死を
巡って 余命3ケ月という名探偵アティカス・ピュントが捜査に乗り出す事件を扱っています。
この部分は冒頭からアガサ・クリスティーの世界そのままで、個人的には「殺人は容易だ」を思い
起こしました。
アガサ・クリスティーが度々題材に取り入れていたマザー・グースの”カササギ”が取り入れられて
いる事からも良く分かります。
正に黄金期の古典的ミステリ感に満ちた描き方になっていて アガサ・クリスティーへのオマー
ジュ満載です。
上巻はピュントが「犯人は分った」という部分で終わっています。

ところが、この作品の原稿を送って来たアラン・コンウェイ自身が謎の死を遂げ、原稿の最終部分
が失われていたのです。

そんな経緯で、下巻ではスーザンが素人探偵役となって「カササギ殺人事件」の内容を追いながら、
作品中で明かされなかった謎とアラン・コンウェイの死の謎を追っていく現代パートになります。

アランが抱えていた複雑な葛藤を追って行くうちに、「カササギ殺人事件」との絡み合い、アラン
が仕組んだ言葉遊びやアナグラムを解き進める事になります。

「カササギ殺人事件」の中で、登場人物の名前が全て鳥の名前であったり、地名等もあちこちか
らの寄せ集めであったり、言葉遊びやアナグラムを使った名前であったり安易な手法をとってい
る点にスーザンは「登場人物の名前付けは作品にとって重要」と否定的な感想を持っています。
最も有名な例として
”コナン・ドイルが考え直さず シャーロック・ホームズとジョン・ワトソンでなくシェリン
フォード・ホームズとオーモンド・サッカーの名前のままであったら はたしてこの2人は世界
中でこんなにも成功を収める事ができただろうか” と。 (ここ嬉しいいところ)

又、アティカス・ピュントの相棒の名前ジェイムズ・フレイザー。 最初にこの名前を見た時に
私はTVドラマの「名探偵ポアロ」でヘイスティングス大尉を演じていたヒュー・フレイザーから
拝借したのでは?いや、余りに深読みしすぎかしら?と思っていたら 案の定(笑)下巻でこの
点も判明。アランが住んでいる屋敷の名前が”アビー荘園”(これはそのまま正典のタイトルから)
そんなこんなで、あちらこちらにアガサ・クリスティー作品やらシャーロック・ホームズ正典か
らの引用が散りばめられているのも楽しいところ。

そして最終的にスーザンが解明したアランが仕掛けたアナグラム。
これは原文がどうなっていたのか非常に気になるところで、日本語訳にしてアナグラムを作るの
は訳者が大変だったろうなぁ。と感心しています。 全体の翻訳もすっきりしていて読みやすい
と感じます。 アナグラムの部分が気になり原文で読んでみたいと思いつつ、近頃の脳の弱り具
合ではなかなか難しかろうと(泣)。

又、ストーリー自体以外にも、実在の作家名(イアン・マキューアン、カズオ・イシグロ その他)
が何度も登場し、アガサ・クリスティーの孫であるマシュー・プリチャード迄登場してスーザンと
対話する場面もあります。

そして、英国ドラマ好きには応えられないのですが、放送されていた新旧英国ドラマのタイトルが
数多く出てきますね。 アンソニー・ホロヴィッツが手掛けた「バーナビー警部」をはじめ、これ
でもかという程書かれていたり、・・・。 もう嬉しいのです。
それにしても 「刑事ナントカ」とか「ナントカ警部」というタイトルの多い事か。 この点は以
前拙記事にも書いた事があるのですが、ですが、そのほとんどを観た事がある 或は現在も観てい
る私も相当なモンで(冷汗)
特に「バーナビー警部」に関しては、スーザンの上司であるチャールズ・クローバーの言葉の中で
「カササギ殺人事件」”Mugpie Murders” というタイトルが「バーナビー警部」”Midsomer Murders"
に似すぎている・・・いう下りがありますが、両方”M”で始まるだけじゃ?なんて余計な事を感じ
たりもしますが。

後書きにもある様に、ダブルフーダニットを楽しみながら、古典的ミステリと現代的な探偵物語を
楽しめる”1粒で2度美味しい”どころか3度、4度位美味しい。各方面からの称賛の声も真実であった
事を感じさせられます。

兎に角、期待通り面白い作品でありました。
流石、アンソニー・ホロヴィッツです。

因みに、アンソニー・ホロヴィッツの作品については過去に拙記事書きましたので、よろしかったら
ご覧下さい。

 シャロック・ホームズ 「絹の家」 感想
 アンソニー・ホロヴィッツ著 『モリアーティー』 読みました