The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

翻訳刊行待ちの海外ミステリ : 2024年(4)

2024-01-30 | ブックレヴュー&情報
・・・・その(4)です。

★ 刊行日、邦題も発表されていないので 今回も引き続き原作タイトルのままでご紹介します。

※ 『How to Solve Your Own Murder』クリスティン・ベリン


【内容概略】
≪ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母からキャッスルノール村の屋敷に招かれた。
大叔母は17歳のときに占い師から告げられた「いつかおまえは殺される」という予言を信じ続けて
おり、大邸宅に住む奇妙な老婦人として知られている。アニーが屋敷を訪れると、書斎で大叔母が
死んでいた。両手には血の痕があり、床には茎の長い白薔薇が落ちていた。かつての予言通りに殺
害されてしまった大叔母が、予言が的中したときのために約60年をかけて集めた村人たちの調査記
録をもとに、アニーは犯人探しに挑む。新鋭が贈る犯人当てミステリの大傑作! ≫

初めての作家作品ですが、内容紹介に釣られます・・・・。

※ 『CUCCIOLI』マオウリッツイオ・デ・ジョバンニ

”P分署捜査班 子犬”

【内容概略】
≪ピッツォファルコーネ署近くのゴミ箱に遺棄された赤ん坊を発見したのは、内なる暴力衝動をお
さえられないロマーノ巡査長だった。病院に運ばれた赤ん坊はなんとか一命をとりとめ、捜査班の
面々は母親を見つけようと動き出す。ところが、副署長のピザネッリが発見した手がかりから捜査
は意外な方向へ。時を同じくして、市中のペットや野良犬が何物かに連れ去られる事件が立て続け
に起きていて……。≫

”21世紀の87分署” と言われたこのシリーズも 『集結』、『誘拐』、『寒波』に続き4作目とな
りました。

お気に入りのシリーズです。
これも楽しみ!

※ 『The Turnglass』ガレス・ルヴィン


【内容概略】
≪一八八〇年代のイギリス。従兄弟のオリバーに招かれ、砂時計館を訪れた医師シメオンは、館で
奇妙な女性と出会う。彼女の秘密はオリバーの手記に隠されているというが……。
一方、一九三〇年代のカリフォルニア。作家オリバーが砂時計邸で殺された。親友のケンは、事件
の捜査のため、彼が書いていた医師シメオンが主人公の物語を読み始めるが……。
過去と現在の物語が交差する本書は、一冊の本にふたつの小説が造本されていて、表と裏のどちら
からも読むことができます。それぞれが互いの伏線となり、解決篇となる、至高のミステリ体験を
ぜひ! ≫

★ 刊行後すぐイギリスの読書界に衝撃を与えたミステリ、登場!

大変魅力的なキャッチコピーが出ている作品です。
これは是非読んでみなければ・・・・。





(source : 東京創元社、早川書房 & etc.)







・・・・・・to be continued(まだ続きます)




『ミステリ―in パラダイス』シーズン13について色々

2024-01-27 | 海外ドラマ
”Death in Paradise”:Season 13


このドラマも随分長く続いていますね。
どうなるかとチラッと心配していたのですが、結局シーズン13もラルフ・リトルが継続登板となり、
DIネビル・パーカーが再登場します。

そして、2011年に開始されたこのドラマも、シーズン13の開始で100回目のエピソードを迎える事
になりました。 凄いですね。
当然ながら、100回目はスペシャルですから、内容も兎も角ながら多彩なゲストが期待されていま
した。
↓ せっかくのドレスアップ姿、トップ画像では見にくいので、ズームアップで


又、何時になるかとファンが気にしていたS13 のリリース日も発表されました。

2024年2月4日(日) BBC One  との事

先ずは、S13のプロットから、
新シリーズの幕開けは、番組の節目となる第100話で、本部長のセルウィン・パターソンが警察
勤務50年を祝った後、謎の暗殺者に劇的な銃撃を受け、命がけで戦うことになる。

暗殺未遂、料理コンテストでの毒殺、命がけのビンゴゲーム、エレベーター内で起こる殺人等々
大変大雑把ですが、そんな内容で進むようです(雑すぎる?)
・・・・ってな感じ(らしい)









メインキャストは、
DIネビル・パーカー:ラルフ・リトル
セルウィン・パターソン長官:ドン・ウォリントン
DSナオミ・トーマス:シャントル・ジャクソン
マーロン・プライス巡査:タージ・マイルズ
ダーリーン・カーティス:ジニー・ホルダー
カトリーヌ・ボルディ:エリザベス・ブルジーヌ

ゲストは、
ショーン・マグワイア、
キャシー・タイソン
レオン・ハーバード
エリー・ハディントン
その他大勢の多彩なゲストが出演するとの事です。
大盤振る舞いの豪華版です。

そして、私達にも物凄く懐かしい、ヘイリー・ミルズも出演するそうですよ。
(懐かしい~と言うと齢がバレる。 若い方にとっては”誰?” かも知れませんね。)





短いヴァージョンですが、trailer も出ています

https://youtu.be/Wix189RZN5M?t=11

日本放送が何時になるか・・・・?ですね。
1つ楽しみが出来ました。

又放送日等出ましたら追記します。

ところで、
数か月前から出ていた情報ですが、”Death in Paradise” のスピンオフ作品がもう一つ出来るそ
うです。

ハンフリー・グッドマンをメインにした スピンオフ ”Beyond Paradise" (『警部補グッドマ
ンの事件簿』
も既に日本でも放送されました。(因みに、個人的にはご本家よりこちらの方が
好みかも)


今度は、これに加えもう一つ、”Return to Paradise” が製作されると発表されていました。

この作品の舞台はオーストラリアのドルフィンコーブの近くにある美しい村落。
ロンドン警視庁で働いていたマッケンジー・クラークが故郷であるドルフィンコーブに派遣され
ることになり、地元の警官達と一緒に捜査にあたる・・・・。
と言う オリジナル”Death in Paradise” と同じパターンを踏襲しつつ、これ迄と異なる初めて
女性が主人公となる作品になるとの事です。
オーストラリアの壮大な風景を背景にして事件に挑むマッケンジーがどの様に描かれるのか・・・・。

キャスティングは現時点では発表されていませんが、2024年に製作開始予定。
全6話構成になる様です。
このシリーズも情報出次第追記します。


(source : BBC, Yahoo! News & etc.)

『埋もれる殺意~30年目の贖罪』CS初放送

2024-01-25 | 海外ドラマ
”Unforgotten”:Season 4


2021年:6エピソード

もう3年位前になりますが、シーズン4の情報は書いてはいたのですが、その後放送にもならず
すっかり忘却の彼方になっていました。
尤も、キャシー役の二コラ・ウォーカーの最後のシーズンということもあり、何となく気合が
はいらなかったということもあり・・・・。



ところが、この程ようやくCS初放送との情報が入りましたので、一応忘備録としておきます。

シーズン4となる、『埋もれる殺意~30年目の贖罪』は
ミステリ―チャンネルにて

2月17日(土)pm4:00~ 一挙放送(吹き替え版)

これまで何度もぼやいて来たのですが、何故かこのドラマは吹き替え版しかないんですね。
理由は分かりませんが、とても残念で不満の種です(と、毎回同じことを愚痴る)

以前の記事で大まかなリストを書きました。
※ 『埋もれる殺意』放送情報(S1~S3)

キャスト:
監督:アンディ・ウィルソン
原作/脚本: クリス・ラング
出演:
キャシー・スチュアート : 二コラ・ウォーカー
サニル・”サニー”・カーン:サンジーヴ・バスカー

スーザン・リンチ、アンディ・ナイマン、ファルダット・シャーマ、リズ・ホワイト、ピーター・
イーガン、シーラ・ハンコック等

概略:
本作は緻密なストーリーで話題となった人気シリーズ第4弾。

舞台はロンドン北部。ビショップ署の警部キャシーは、18年前に失踪した若い女性の白骨遺体が
見つかった事件の捜査に全力を注ぎ、心を病んでしまう。引退を望む彼女だが、退職金を受け取
るのに必要な勤続30年に3カ月届いていないと知り、最後の気力を振り絞って捜査に復帰する。
ロンドン東部の廃棄物処理場で、冷凍された頭部と手のない遺体が見つかる。捜査の結果、遺体
は30年前のものと分かり、容疑者として浮上したのは、30年前に警察学校を卒業したばかりの
訓練生4人。それぞれ違う道を歩んでおり記憶も曖昧だと言う彼らを、キャシーの長年の勘と粘
り強い捜査で切り崩していくが――。

毎回丁寧に製作された未解決事件を扱うドラマで、何より二コラ・ウォーカーの存在が大きかっ
た為最初から観続けていたドラマです。

そんな二コラ・ウォーカーがこのシーズンが最後の出演となり、しかも衝撃的な終わり方だと情
報が出ていた為、観たいような、観たくない様な・・・・と思っていたのですが。

キャシーの後任には、ジェシカ ”ジェス” ・ジェームス:シニード・キーナン





”ジェス”出演のシーズン5の放送は、2023年2月初放送(ITV), そして、シーズン6も製作決定
され2024年放送予定とされています。

関連過去記事は下記ご参照下さい

★ ”Unforgotten”「埋もれる殺意」シーズン4
★ 『埋もれる殺意』放送情報(S1~S3)




(source : ITV, PBS, ミステリ―チャンネル、海外ドラマNAVI & etc.)








翻訳刊行待ちの海外ミステリ : 2024年(3)

2024-01-22 | ブックレヴュー&情報
・・・・その(3)です。

★ 刊行日、邦題も発表されていないので 今回も引き続き原作タイトルのままでご紹介します。

※『Close to Death』アンソニー・ホロヴィッツ


以前第一報を拙記事(コチラ)でご紹介した、”ホーソーン&ホロヴィッツ”シリーズ
『メインテーマは殺人』、『その裁きは死』、『殺しへのライン』、『ナイフをひねれば』に続く
シリーズ第五弾です。
ハードカバー原作は、2024年4月16日発売予定とされています。

【内容概略】
≪テムズ川沿いのリッチモンドはロンドンで最も理想的な住環境を誇る地区である。当該地区にあ
る閑静なゲーテッド・コミュニティたるリヴァービュー・クロースにいたっては、住人に完璧な生
活を約束するといってよかった――ジャイルズ・ケンワージーが、その妻、躾のできていない子供、
四台の邪魔な超大型車、やかましい取り巻き、庭にプールを新設する計画とともに引っ越してくる
までは。だからケンワージーがクロスボウで首を射抜かれ死亡したとき、関係者全員が容疑者とさ
れたのは当然の成り行きだったのだ。捜査が行き詰まり、警察はしぶしぶ元刑事のダニエル・ホー
ソーンを招聘する。しかしホーソーンをもってすら、この事件は解決不可能に思われた――。舞台
は大都会の中の閉鎖空間ともいえる、ロンドンのゲーテッド・コミュニティ。そこで発生した、関
係者全員が同じ動機を持っている事件は、どうやったら解決できるのか? ≫

個人的に一番楽しみに待っている作品です。

※『All The Wicked Girls』クリス・ウィタカー


ゴールド・ダガー賞受賞、2023年ミステリランキング三冠、本屋大賞小説部門第一位の『我ら闇より
天を見る』のクリス・ウィタカーによる大注目の新刊。

【内容概略】
≪アラバマ州の小さな町グレイスに住む双子の姉妹のサマー・ライアンとレイン・ライアン。品行
方正で音楽の才能がある姉のサマーに対して、妹のレインは素行が悪いことで有名だった。ある日、
サマーが突然行方不明になってしまう。レインは警察に駆け込むも、家出少女にかまっている暇は
ないと一蹴され、彼女は友人のノアとパ―ヴとともにサマーの捜索を行うことになる。姉の行方を
追ううちに、レインはグレイスに隠された秘密を知ることに ≫

大きな評価を得た一作目の『我ら闇より天を見る』 "We Begin at the End" はミステリではありま
すが、人間ドラマを感じ、他には類を見ない印象的な作品でした。



新作も大きな期待が寄せられています。

(ただ、一点、日本語タイトルはどうなんだろう?? この作品に限ったことではないのですが、
ドラマでも書籍でも日本語タイトルにはどうも首をひねる今日この頃 ← 全く個人的な感想で
すが・・・)

※『Nothing More Dangerous』アレン・エスケンス


『償いの雪が降る』、『たとえ天が墜ちようとも』、『過ちの雨が止む』等の著者による心ふるえ
る青春ミステリ!


【内容概略】
≪ボーディはミズーリ州の田舎町で暮らす15歳の少年。父を亡くし母親と寂しい日々を送っている。
高校に馴染めず、友達は一人もいない。静かすぎるその町で最近大事件が起きた。町最大の企業〈ラ
イク工業〉に勤める黒人女性が不審な失踪を遂げたのだ。捜査中の保安官が、ボーディが親しくして
いる隣人のホークを訪ねてきた。女性はかつてホークの部下で、ふたりのあいだには噂があったとい
う。思いがけない事件が、ボーディの日常に不穏な影を落とす――。現実に悩みながらも、少年は鮮
やかに成長する。≫

既刊三作共とても好きな作品でした。
新作も非常に楽しみです。
(現時点で3月刊の予定とされています。)

今回はなかでも期待値の高い作品が並びました。

出来るだけ早く翻訳刊行される事をお待ちしています。



(source : 東京創元社、早川書房 & etc.)



・・・・・・to be continued(まだ続きます)

『ゴシップ屋の死』(マクベス巡査シリーズ1 )

2024-01-19 | ブックレヴュー&情報
”Death of a Gosship"

M.C.ビートン(著)、松井光代(翻訳)
文芸社– 2022/12/1

アガサ・レーズンのシリーズの作家であるM.C.ビートンによるマクベス巡査シリーズの一作目
で原作刊行は1985年。

何気なく手に取り読み始めた作品です。
なので、アガサ・レーズンの著者作品である事も気付かず・・・・・。
アガサ・レーズンのシリーズも大昔にチョット読んだきりなので、記憶の彼方になっていました
(ゴニョゴニョ言い訳)。

この作品は『読む予定の作品』にも入れていなかったし、本当に偶然に遭遇したのですが、ちょっ
とした拾い物でした。

出版社のコピーには、
”BBCスコットランドで大人気のドラマ
「マクベス巡査シリーズ」の第一作、ついに邦訳!”

とあります。
作者のビートンさんは残念ながら亡くなられていますが、”マクベス巡査シリーズ”は全部で30作
あるとの事。 そのシリーズの第一作となる訳です。

【内容概略】
≪平和な村の釣りスクールで殺人事件が発生。マクベス巡査は難事件を解決できるのか!?
BBCスコットランドで人気のドラマ「マクベス巡査シリーズ」の第一作がついに邦訳!
訳者が【日本でこれまで紹介されなかったのが不思議に思える魅力的なシリーズ】と語るほど、
物語のプロットの巧みさ、登場人物のカラフルさが際立っている。物語の面白さにどっぷり浸かっ
てみては? ≫

スコットランドの最北西部にある長閑な田舎町。
主人公はその村の駐在所の巡査さん。
痩せて背が高く、燃える様な赤髪でマイペースのヘイミッシュ・マクベス巡査(名前が凄い!)。
一見頼りない、出世にも興味のない田舎の巡査さんですが、独自の方法で事件に立ち向かいます。

釣りのスクールに集まったメンバーはそれぞれ癖があり、何となく胡散臭い背景を感じるのですが、
想像通り、お約束の様に殺人事件(当然この人が被害者だろうと思われる)が起き、警察本部から
ブレア警部たちが捜査に押しかけてきますが、駐在所の巡査であるマクベス巡査を頭からバカにし
て相手にしない。
そんなマクベス巡査は1人独自のやり方で捜査を開始します。

スコットランドの長閑な田舎の風物、登場人物達に癒されながら、マクベス巡査のキャラクターが
非常に興味深い、コージー系と言っても良いのかも知れませんが、ほんのりしたミステリです。

そしてドラマ化情報を改めて調べてみたら、
BBCスコットランドで1995年~1997年にかけて3シーズン続いた人気ドラマとの事。

タイトルは、”Hamish Macbeth” Series


マクベス巡査はロバート・カーライルが演じています。

(マクベス巡査、原作の様に”赤髪”では無いようですが・・・・)

是非日本でも放送して欲しい作品です。

短いtrailer ですが、雰囲気だけでも・・・・・。

https://youtu.be/LPHaY_XheP4?t=30


又、『マクベス巡査』として もう一作が既に刊行されているのですが、
『ハイランド・クリスマス』文芸社 2020年11月1日



この作品はチョットした番外編の様な感じ? よりまったりとした内容らしいですね。
(未読です)

因みに余談ですが、
”Hamish” (ヘイミッシュ)という名前を聞くと、即 ”ジョン・H・ワトソン” が思い浮かぶのは私だけ?



(source : 文芸社、BBC & others)




『シャーロック・ホームズ家の料理読本』朝日文庫

2024-01-16 | Sherlock Holmes
”Sherlock Holmes Cookbook”

ファニー・クラドック(著)、成田篤彦(翻訳)

1月6日はシャーロック・ホームズのお誕生日とされており、過去この日に因んで色々書いてきま
したが 今年は手が回りませんでした。

又、この事も以前書きましたが、今年はグラナダ版シャーロック・ホームズの放送開始から40周
年を迎える年でもあり、何かと関連事項がみられるようになりました。

そんな折、フト目に入った情報が気になりましたので、ご紹介しておきます。

ファニー・クラドックによる『シャーロック・ホームズ家の料理読本』”Sherlock Holmes Cookbook” 
と言う本で、1976年に刊行された作品だそうです。
著者のクラドックさんはイギリスでは著名な料理研究家との事。

日本でも1981年晶文社から刊行されたそうですが、全く知りませんでした。


そして、その後
2012年に朝日文庫から再販されたそうです。

今回朝日新聞出版は、「書泉と、10冊』第7弾に選出され復刻が決定。
2024年1月6日に予約受付開始されたとの事。(ちゃんとホームズのお誕生日に因んでいる!)

【内容概略】
≪ベーカー街221B。ここで名探偵ホームズとワトソンのため、長年料理の腕をふるってきた下
宿の女主人・ハドソン夫人が、引退後、彼らの好きだった料理のレシピと、当時の思い出を語る。
二人が好きだったビールのスープ、スコットランド・ヤードの警部たちに出したマコロン・ガトー、
ホームズが旅に出るときのお弁当に必ず入れるチーズと玉ねぎのパイ、イギリスならではの臓物
料理の数々。『シャーロック・ホームズ』のパスティーシュ小説のようでありながら、ヴィクトリ
ア朝全盛期のロンドンの食文化・風俗の貴重な記録でもあるユニークな一冊。 ≫

<編集者による作品紹介>
『シャーロック・ホームズ家の料理読本』は、1976年にイギリスで刊行されました。タイトルは
”Sherlock Homes Cookbook"、著者のファニー・クラドックは本国では著名な料理研究家です。
都内の図書館で本書を発見したとき、料理本のコーナーに置かれていました。イギリス料理の本な
ど誰が読むのだろうと思いました。私事ですが、学生の頃ホームステイしていたイギリスの家庭で
の衝撃的な食事の数々を思い出したからです。怖いもの見たさで中を見てみると、「ビーフ・ティー」
「おお野うさぎの煮込み」「ラムの脳味噌のすましバター漬け」等々、聞いたこともないレシピの
数々……
しかしこれが『シャーロック・ホームズ』の世界観と相まって、滅法面白い! 本書は、料理のレシ
ピ本でありながら、130年前のイギリスの生活誌を記録した本でもあり、さらには『シャーロック・
ホームズ』のパスティーシュ小説でもあります。未知のレシピに味の想像を膨らませながら、令和
の日本から130年前のロンドン・ベーカー街221番地Bにタイムトリップできる大変ユニークな一冊
です。
(朝日新聞出版より)

目次
サラ・ハドスンの家事のヒント集

朝食
スープ
魚料理
鶏と禽獣肉のお料理
肉料理
臓物料理
チーズ料理
食後のお菓子
おやつ
お口直し
お飲みもの
ジャムや漬物

正典を読んでいても、又グラナダ版を観ていても時々お食事が気になってはいました。
ハドソン夫人はベーカー街221Bの大家さんでありますが、ホームズやワトソンのお食事等身の回りの
お世話もしていたようですね。

某 "SHERLOCK"でも、何度か
”I'm your landlady, not your housekeeper"・・・と言ってはいましたけど結構お世話してましたっけ。

もう一点、
ずっと気になっていた事の1つ。
ハドソンさんのファーストネーム。 何時も”Mrs.Hurson" と呼ばれていて、何処かで名前が表わされた
ことがあったかしら?とフト考えたりもしたのですが、今回改めて少し調べてみると 正典でははっき
り示されていない様なのですが、ある筋(?)によれば ”Martha” と言うのが有力説の様です。
又、ファミリ-ネーム(Hudson)”ハドソン”であったり”ハドスン”であったり、日本語表示が統一されて
いないという事もあります。
(因みに、上記目次には”サラ・ハドスン”となっていますが・・・・)。

シャーロック・ホームズのパスティーシュとも言える作品でもありながら当時の食生活も知ることがで
きる。 ホームズはどんなものを食べていたのか・・・。
色々な意味で興味が湧いてくる作品の様です。

何度も繰り返すように、グラナダ版放送開始から40年目を迎える今年、人気エピソードの順位投票やら、
その他何やら計画されているらしい(噂もあり)、色々な意味で期待感が膨らみます。



(source : 朝日新聞出版、晶文社 & etc.)


翻訳刊行待ちの海外ミステリ : 2024年(2)

2024-01-13 | ブックレヴュー&情報
・・・・その(2)です。

★ 刊行日、邦題も発表されていないので 今回も引き続き原作タイトルのままでご紹介します。

※『Mortmain Hall』マーティン・エドワーズ

『処刑台広場の女』で話題となった”レイチェル・サヴァナク”シリーズの第二作目です。

【内容概略】
≪線路上での不審な轢死、海辺のバンガローで起きた殺人事件、凍った湖での悲劇的な溺死……。
続発する不審死に、レイチェルは関連性があると信じて捜査を開始する。解決の糸口を探るため、
彼女はノースヨークシャーの人里離れた不気味な海岸にある邸宅、モートメインホールでのホーム
パーティーに参加するが……。ジェイコブ・フリントも引き続き登場!≫

大胆不敵な構図の本格ミステリであり、ジェットコースターサスペンス

前作『処刑台広場の女』はタイトルからは予想も出来ない展開にページを繰る手が止まらなかった
し、久々にドキドキしながら読んだ作品でした。



著者はこのシリーズとして続編3作を発表していると言われ、今回の”Mortmain Hall” (2020年)に
続き、”Blackstone Fell”(2020年)、”Sepulchere Street”(2023年)が発売済との事。
翻訳が待たれます。

※『The Key to Deceit』”金庫破りとスパイの鍵” アシュリー・ウィーヴァー


以前ご紹介した既刊『金庫破りときどきスパイ』の第二弾です。



【内容概略】
≪第二次大戦下のロンドン。テムズ川で、鍵のかかったカメオ付きのブレスレットをつけた女性の
遺体が発見された。陸軍のラムゼイ少佐からの依頼で、金庫破りのエリーはその錠を解錠する。カ
メオから見つかったものと女性が毒殺されていたことから、彼女はスパイ活動にかかわっていたと
判明。エリーは少佐に協力し、殺人事件の犯人と、死んだ女性の背後にいるドイツのスパイを探り
だすことに。手がかりは、女性が身につけていた高価な宝石類と、小さな時計の巻き鍵だけ――。
凄腕の金庫破りと堅物の青年少佐、正反対のふたりを描く人気シリーズ第2弾!≫

時代背景、正反対の美男美女2人のロマンス少々含め、サラッと読めるコージー系ミステリ。
1作目もそんな感じで楽しみましたので、2作目も期待。 脳みそ振り絞る固い作品の合間に楽しめ
そうな作品です。

※『Bobby March Will Live Forever』 アラン・バークス


これも過去にご紹介した”ハリー・マッコイ刑事”シリーズの第3弾です。

【内容概略】
≪シリーズ最高傑作と名高い本作の舞台も、前二作に引き続きグラスゴー。世界的に有名なロック
スター、ボビー・マーチが薬物の過剰摂取の末に死亡しているのが発見された。自殺か、事故か、
もしくは誰かに殺されたのか、捜査は慎重に行われたが、決定的なことはわからなかった。一方、
別の地域では、13歳の少女アリス・ケリーが自宅から数メートル離れた地元の店に出かけたまま
行方不明になる事件が起こっていた。
さらに、ハリー・マッコイは上司のマレーから、出かけると言ったきり消息を絶ってしまった15
歳の姪ローラを探してほしいと依頼を受ける。ローラの父親で地方政治家のジョンは、選挙への
影響を考えて事件を公にしないことを望んでおり、マッコイは秘密裏の捜査を求められる。やが
て捜査のなかで、三つの事件がそれぞれ関連しているのではないかと疑われるが……。 ≫

1970年代のグラスゴーが舞台の骨太な刑事モノ。
これも以前ご書きましたが、タイトルに1月 (”Blodu January" 『血塗られた一月』).
2月(”February's Son" 『闇夜に惑う二月』)と続いていましたので、三作目は”March"『三月』
と続きます。





(source : 東京創元社、早川書房 & etc.)



・・・・・・to be continued(まだ続きます)

翻訳刊行待ちの海外ミステリ : 2024年(1)

2024-01-10 | ブックレヴュー&情報
昨年も同様の趣旨で取り上げましたが、今年もこれから翻訳刊行予定されている期待大の海外ミス
テリ作品を取り上げます。

ここに取り上げる作品は 刊行日、邦題も発表されていないので原作タイトルのままでご紹介しま
す。

※ 『The Botanist』 M.W.クレイヴン

”刑事ワシントン・ポー”シリーズの第5弾

既刊4作品は ↓




【内容概略】
≪ワシントン・ポーの数少ない友人のひとりであるエステル・ドイルの父親が殺された。現場は雪に
閉ざされた密室で、そこにはエステルの足跡しか残されていなかった。逮捕された彼女は「ワシント
ン・ポーに伝えて」と話すのみ。一方、マスコミが「植物学者」と名付けた毒殺魔は、壁をすり抜け
ることができるようで、警察が講じた安全対策をものともせず犯行を重ねる。果たしてポーは、「植
物学者」を追い詰めることができるのか、そして、エステルの運命は。 ≫

昨年の同じ時期にコチラで第4作目"Dead Ground"→『グレイラットの殺人』をご紹介したので、丁度
1年ごとに新作が刊行されている事になりますね。
流石人気シリーズ!

楽しみです!

※ 『Fearless』 M.W.クレイヴン

同じくクレイヴンによるワシントンン・ポーとは別のアクション・スリラー長編だそうです。

【内容概略】
≪連邦保安官のエリート特殊部隊グループを率いていたケーニッヒが突然姿を消した。彼は誰にも
理由を明かさないまま失踪し、町から町、州から州へと漂流している。そして彼は、ガントレット
と呼ばれる砂漠の町へやってきた。そこには、凶悪な殺人犯たちがひそんでいたのだ。犯罪者たち
ははケーニッヒをただの漂流者としか考えていなかったが、それが彼らの地獄の始まりだった……。
ケーニッヒが悪をただす、アドレナリン全開のアクション小説。 ≫

クレイヴンさん凄いですね。
別キャラクター作品が2作出る様です。
”ケーニッヒ” が主人公らしいですが、どんな作品になっているのか…これも楽しみ。

※ 『Debts of Dishonor』ジル・ベイトン・ウォルシュ


これも以前ご紹介していた”イモージェン・クワイ”シリーズの『ウィンダム図書館の奇妙な事件』、
『ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎』に続く第三弾となります



【内容概略】
≪セント・アガサ・カレッジの卒業生で国際的大企業のカリスマ経営者、ジュリアス・ファランが死
亡した。英国東部海岸の町イーストハムでアルコール依存症の高級療養施設〈ヘッドランズ〉に滞在
していたところ、深夜の散歩中に崖から転落したのだ。妻と院長のランダム医師が遺体の身元を確認
し、ファラン・グループの経営は娘婿のマックスが継承。世間の騒ぎも徐々におさまった。ところが
事件の数か月前、サー・ジュリアンはセント・アガサの晩餐会で酔っ払って転倒し、イモージェンの
手当てを受けていた。その冷静な対応に惚れ込んだサー・ジュリアンは、自分はさまざまな相手から
命を狙われているのだと彼女に打ち明けていた……。≫



まだまだ沢山予定作品がありますので、
・・・・to be continued です。



(source : 東京創元社、早川書房 & etc.)

2月初放送ドラマ『マリアの極上レシピ~愛のお悩みと殺人を解決!』

2024-01-07 | 海外ドラマ
”Recipes for Love and Murder”

2022年
全10エピソード

2024年2月初放送のドラマの1つなのですが、困ってしまったのは・・・・。
1月も2月も新しく放送開始になる海外ミステリドラマは”スポーツ系”、”お料理系?” 等どの作品
も今ひとつ興味を持てないものばかりで寂しい限りなのです。

そんななか、唯一どうだろう??と思う作品がコレでして、コージー系、お料理系ミステリらしい
ので本来食指が動かなさそうな内容なのですが、唯一気になったのが ”南アフリカ” が舞台”ってと
ころでして。
南アフリカが舞台のミステリはもしかして初めて?かな?
個人的に仕事関係、友人、知り合い関係で南アとのお付き合いが長かった為特別な興味を持ちました。

南アの風景、風土、文化に視点重視ですが、内容が面白ければ良いのですが・・・・。

サリー・アンドリューの原作に元づいているとの事(翻訳版はないようです)


ミステリ―チャンネル(旧AXNミステリー)での初放送は、
2024年2月23日(金・祝) 夕方4:00 一挙放送   とのこと

内容概略:
新聞の料理コラムニストであるマリアがお悩みと事件を彼女の極上レシピで解決していく、南アフ
リカを舞台にしたミステリー!
2022年にAcorn TVで公開された、南アフリカを舞台にしたちょっとブラックでコミカルな殺人ミス
テリー!サリー・アンドリューのベストセラー小説を基にしたシリーズで、南アフリカの新聞で市
民からのお悩み相談に助言とお勧めレシピで答えるコラムを書いているマリアが、地域で起こる事
件の捜査を手伝う姿を描く。
南アフリカの小さな町の生活、殺人、愛、よだれが出そうな料理が組み合わさったユニークなミス
テリードラマ。

“タニー・マリア”(アフリカ語で「マリアおばさん」の意味)ことマリア・パーヴィスは、南アフリ
カのカルー新聞でレシピ記事を執筆しながら暮らしていたが、ある日、市民からのお悩み相談に助
言とお勧めレシピで答えるコラムを書くことになる。記念すべき1人目の相談者は、夫からの家庭内
暴力に悩む女性。彼女からのお悩みに真摯に答えるマリアのコラムは一躍人気を博すが、その直後、
1人目の相談者とおぼしき女性が殺害されてしまう。自分が彼女の死を防げたかもしれないという罪
悪感にさいなまれるマリアは、同僚の有能な記者ジェシーと共に、地元警察の刑事らと交流しなが
ら事件の真相に迫っていく。
毎エピソードにマリアが腕をふるう絶品料理が登場、南アフリカの絶景映像と共に視覚を楽しませ
てくれるほか、随所に南アフリカの文化を垣間見ることができる魅力満載の内容となっている。
また、マリアのスコットランドでの過去についても折々に描かれ、殺人事件の真相の行方と共に目
が離せない。








主演のマリア・ドイル・ケネディはアイルランドでは有名な歌手。女優としても有名で、「ダウントン・
アビー」「THE TUDORS〜背徳の王冠〜」などにも出演しており、 「THE TUDORS」ではキャサリン・
オブ・アラゴンを好演し、賞レースを賑わせた。
(以上 ミステリーチャンネルのINTRODUCTIONを引用)

キャスト:
監督: クリスティアン・オ-ヴァヘン他
脚本: カレン・ジェインズ
原作: サリー・アンドリュー

出演:
マリア・パーヴァス/タニー・マリア:マリア・ドイル・ケネディ
カヤ・メイヤー:トニー・キゴロギ
ジェシー・セプテンバー:カイリー・フィッシャー


尚、撮影は
ケープ・タウン、ウェスタン・ケープ地区のプリンス・アルバート等と エディンバラ等で行われたとの事です。

Trailerは下記で

https://youtu.be/ycR1VDYrpME?t=33



(source :Acorn, ミステリーチャンネル & etc.)


2024年初放送が予定される英国ドラマ : (2)

2024-01-04 | 海外ドラマ
※『Rivals』 (原題)

8 エピソード

デヴィッド・テナント主演でジリー・クーパー原作の同名小説シリーズがドラマ化されるとの事です。

1980年代のイギリス。
架空のラットシャー郡の地元TV局を舞台に、ルパート・キャンベル=ブラックとトニー・バッディン
ガム卿という有力者の対立が、不倫や衝動的なセックスなどスキャンダラスな関係を織り交ぜながら
描かれる。

出演が何とも豪華版でして、



トニー・バッディンガム卿:デヴィッド・テナント
ルパート・キャンベル:アレックス・ハッセル
その他、
エイダン・ターナー、エミリー・アタック、ダニー・ダイア、キャサリン・バーキンソン
等が予定されています。

Disney+で配信予定だそうです。 (時期は未定)

それにしても、テナントさん、この所大忙しですね。
『グッド・オーメンズ』、『ドクター・フー』と続き、先日『グッド・オーメンズ』”3” も製作決定し
たそうですし、他にも色々出演作品があります。



次から次に楽しみが・・・・。(でもDisney+観られないし・・・・)

※『The Day of the Jackal』 (ジャッカルの日)

10 エピソード

エディ・レッドメインがSkyとPeacock の新ドラマ ”The Day of the Jackal" の主演と製作総指揮を務
める事になったとの事。

今作はフレデリック・フォーサイスの小説と、これを基に1973年に映画化された『ジャッカルの日』
をベースとしてドラマ化。「愛され、尊敬の念を抱かれている小説と映画を、大胆かつ現代的に再構
築する」といい、エディがタイトルロールの暗殺者「ジャッカル」を演じる。
SkyとPeacockは「この現代ドラマはオリジナルの物語のDNAに忠実に沿いながら、現代の不安定な
地政学的状況の中で物語の中心となるカメレオンのようなアンチヒーローを深く掘り下げます。
エネルギッシュ、映画的、世界を駆け巡る追いつ追われつのスリラーです」とドラマについて説明し
ている。

過去にはエドワード・フォックスやブルース・ウィリスによって演じられたことがある(そうです。
って、観ていないのです)ジャッカルをエディ・レッドメインが演じる事になった事について『パー
フェクトな人選!』と期待の声が寄せられているとか。



アカデミー主演男優賞受賞等演技力の高さには世界中が知るところですし、この名作をどの様に演
じてくれるのか非常に興味が湧いてくる作品です。

監督 : ブライアン・カーク
脚本 : ローナン・ベネット

リリース時期は未定ですが、続報あり次第追記します。
エディー君の暗殺者! この作品は非常に気になります。

因みに、

原作は読んだ筈(得意フレーズ)ですが、概略しか記憶に無いという残念な状況ですので、
何れ再読しようと思うのです。

『ジャッカルの日』上&下 (角川文庫)

フレデリック・フォーサイス(著)、篠原 慎(翻訳)篠原 慎(翻訳)

【内容概略】
≪累計50万部突破! 国際謀略小説の巨匠 不朽の名作が蘇る

黒幕は秘密軍事組織、プロの殺し屋が狙う〈大統領暗計画〉。

フランス、秘密軍事組織が企てたドゴール大統領暗殺――。依頼を受けたのは、一流の腕を持
つ外国人殺し屋、暗号名“ジャッカル”。国内全土で頻発する強盗事件を捜査するなか浮かび上
がってきた暗殺計画に、政府には激震が走った。殺し屋の正体を突き止め、計画を阻止すべく、
極秘捜査が始まる。国家最大の難題に挑むのは、国内一の刑事、クロード・ルベル。国際謀略
小説の巨匠フォーサイスのデビュー作にして最高傑作の新組版! ≫

※ 原作 ”The Day of the Jackal” は1971年刊行


(source : WhatToWatch、Variety、The River, 角川 & etc.)