仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

トレヴィの泉で二度目の恋を

2017年07月09日 | ムービー
『トレヴィの泉で二度目の恋を(原題Elsa & Fred』(2014年/マイケル・ラドフォード監督)を見た。
物語は、「80歳の"偏屈な老人"、フレッド・バークウェル(クリストファー・プラマー)は、長年連れ添った妻を亡くして7ヶ月になる。娘リディア(マーシャ・ゲイ・ハーデン)の勧めで一軒家からアパートへ転居することにしたのだが、その引っ越し中、隣の部屋の住人エルサ・ヘイズ(シャーリー・マクレーン)運転のクルマが、リディアのクルマに追突してしまう。一時は知らないふりをするものの、リディアの子供が現場を見ていたことから、居合わせたエルザの長男スコット(レイモンド・ヘイズ)が後日に損害賠償をすることとなった。ところが、エルサは"未亡人である自分の年金で5人の孫たちを養っている"という作り話でフレッドを騙し、彼は同情心から小切手を返却したのだった。一見ぶっきらぼうな彼の優しさにエルサの心は・・・」という内容。
本作冒頭でのエルサの事故シーンは、「あ、これはやるな」と思いながら見ていたら、本当にそうなった。
あれはありえそうで怖い。
(^_^)
ここ数年の日本では、高齢者が運転するクルマの高速道路の逆行や通行人などを巻き込んだ重大な事故が、よく報道で取り上げられるのだが、このエルサには「注意力、集中力って必要だよなぁ」と再認識させられる。
(^。^)
無茶苦茶に嘘つきで、何事にもいい加減な感じのばあちゃんだが、若い頃に見た映画(『甘い生活』1960年/フェデリコ・フェリーニ監督/イタリア)のワンシーンを再現したいという夢を未だにあきらめていないことや、奔放で前向きなその人間性を見ていると、何だか憎めない感じがしてくる。
しかし、それは映画作品だからであって、実際にああいう人が近くにいたらきっと大変だろう。
(^_^;)
ラヴァーン「買い物に行きます。何か欲しいものは?」
フレッド「30歳若返って健康な前立腺が欲しいね」
ラヴァーン「分かりました。あるかどうか見てきます」
それほど登場場面は多くなかったものの、フレッドの世話係、ラヴァーン(エリカ・アレクサンダー)の脱力感も面白かった。

偲ぶ会

2016年03月31日 | 映画サークル
ましけ映画サークル3月例会(2016年3月8日)の終了後、本年1月に急逝された当映画サークルのメンバー、故守○典之氏を偲び、"偲ぶ会"を開催した。
例会後、元陣屋からマルジュウ井とうに会場を移動したのだが、ここのマスターは昨年の同時期、守○氏と同じ病院に入院していたこともあって、忘年会(2015年12月1日)の際にも体調や顔色のことを心配していたし、この日も随分と悔しそうに思い出話をされていた。
さて、公的資料がほとんど存在しない"ましけ映画サークル"なので、正確にいつから活動をしていたのかが定かではないのだが、平成12年度総会資料を見ると、会員名簿No,1の欄には守○氏の名前があった。
仕事柄、氏の元には話題の映画作品の地方上映等について情報が集まってきたのだろうし、また、当時は小林政広監督が増毛町をロケ地とした映画を数本撮影していたこともあり、それらのプレミア上映会開催もあって映画好きを自称する人達が集まってきたのだろう。
残念ながら初期の数年間の記録はマッタクないのだが、『仁左衛門日記』に記述がある例会の守○企画を拾っていくと、
●2005(平成17)年
【2月】『デイ・アフター・トゥモロー(原題The Day After Tomorrow )』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)
【6月】『Ray/レイ(原題Ray)』(2004年/テイラー・ハックフォード監督/アメリカ)
【11月】『ミリオンダラー・ベイビー(原題Million Dollar Baby)』(2004年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
●2006(平成18)年
【3月】『ショーシャンクの空に(原題The Shawshank Redemption)』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)
【5月】『ヒトラー~最期の12日間(原題Der Untergang)』(2004年/オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督/ドイツ)
【9月】『ヴェニスの商人(THE MERCHANT OF VENICE)』(2004年/マイケル・ラドフォード監督/アメリカ・イタリア・ルクセンブルグ・イギリス)
●2007(平成19)年
【4月】『ザ・センチネル~陰謀の星条旗(原題The Sentinel)』(2006年/クラーク・ジョンソン監督/アメリカ)
●2008(平成20)年
【2月】『ホテル・ルワンダ(原題Hotel Rwanda)』(2004年/テリー・ジョージ監督/イギリス・イタリア・南アフリカ)
【7月】『サラエボの花(原題Grbavica)』(2006年/ヤスミラ・ジュバニッチ監督/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)
●2009(平成21)年
【1月】『バンテージポイント(原題Vantage Point)』(2008年/ピート・トラヴィス監督/アメリカ)
【6月】『最高の人生の見つけ方(原題The Bucket List)』(2007年/ロブ・ライナー監督/アメリカ)
【12月】『運命を分けたザイル(原題Touching the Void)』(2003年/ケヴィン・マクドナルド監督/イギリス)
●2010(平成22)年
【4月】『グラン・トリノ(原題Gran Torino)』(2008年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
【12月】『サブウェイ123 激突(原題The Taking of Pelham123)』(2009年/トニー・スコット監督/アメリカ)
●2011(平成23)年
【6月】『アンストッパブル(原題Unstoppable)』(2010年/トニー・スコット監督/アメリカ)
●2012(平成24)年
【1月】『バトル・オブ・シリコンバレー(原題Pirates of Silicon Valley)』(1999年/マ-ティン・バ-ク監督/アメリカ)
【7月】『スリーデイズ(原題The Next Three Days)』(2008年/ポール・ハギス監督/アメリカ)
【9月】『グレート・ディベーター/栄光の教室(原題The Great Debaters)』(2007年/デンゼル・ワシントン監督)
●2013(平成25)年
【1月】『みえない雲(原題Die Wolke)』(2006年/グレゴール・シュニッツラー監督/ドイツ)
【9月】『デンジャラス・ラン(原題Safe House)』(2012年/ダニエル・エスピノーサ監督/アメリカ・南アフリカ共和国)
●2014(平成26)年
【1月】『推理作家ポー 最期の5日間(原題The Raven)』(2012年/ジェームズ・マクティーグ監督/アメリカ)
【7月】『ザ・イースト(原題The East)』(2013年/ザル・バトマングリッジ監督/アメリカ)
【12月】『ジャッキー・コーガン(原題Killing Them Softly)』(2012年/アンドリュー・ドミニク監督/アメリカ)
●2015(平成27)年
【11月】『THE GREY 凍える太陽(原題The Grey)』(2012年/ジョー・カーナハン監督/アメリカ)
といった作品で、『デイ・アフター・トゥモロー』は2005年の第1回仁左衛門賞、『ショーシャンクの空に』は2006年の第2回仁左衛門賞を受賞し、『グラン・トリノ』は2010年仁左衛門特別賞を受賞している。
守○企画はハリウッドの大作を取り上げることが多く、仁左衛門企画と比べてハズレがなかった。
見逃していた名作や話題作で楽しませてくれたのが守○企画だった。
映画サークル例会の時に守○氏が座っていたうしろのあの席は、これからも指定席だ。
あらためて、守○典之氏のご冥福をお祈りいたします。
いずれ、また会おう。

仁左衛門賞 / 2006年

2006年12月15日 | 映画サークル
ましけ映画サークルは12月12日(火)の例会で今年の予定を終了したが、今年の【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2006年】は何だろうかと考えてみた。
ちなみに、昨年の【ましけ映画サークル2005仁左衛門賞】は、『デイ・アフター・トゥモロー』だった。
今年、ましけ映画サークルで上映したのは下記の作品で、
【1月/仁左衛門企画】『ヤング・フランケンシュタイン(原題Young Frankenstein)』(1975年/メル・ブルックス監督/アメリカ)
【2月/小○企画】『ビッグ・リボウスキ(原題The Big Lebowski)』(1998年/ジョエル・コーエン監督/アメリカ)
【3月/守○企画】『ショーシャンクの空に(原題The Shawshank Redemption)』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)
【4月】不明(たぶん欠席)
【5月/守○企画】『ヒトラー~最期の12日間(原題Der Untergang)』(2004年/オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督/ドイツ)
【6月/仁左衛門企画】『スキージャンプ・ペア-Road to TORINO 2006-』(2006年/小林正樹監督/東宝)
【7月】不明
【8月/忠○企画】『泳ぐひと(原題/The Swimmer)』(1968年/フランク・ペリー 監督/アメリカ)
【9月/守○企画】『ヴェニスの商人(THE MERCHANT OF VENICE)』(2004年/マイケル・ラドフォード監督/アメリカ・イタリア・ルクセンブルグ・イギリス)
【10月】中止
【11月/仁左衛門企画】『絶叫屋敷へいらっしゃい!(原題/Nothing But Trouble)』(1991年/ダン・エイクロイド監督/アメリカ)
【12月/長谷○企画】『オネアミスの翼~王立宇宙軍』(1987年/山賀博之監督/東宝東和)
この中から『泳ぐひと』『絶叫屋敷へいらっしゃい!』の2本は最初に除外だろう。
(^◇^)
残った7作品からの第2次候補は『ショーシャンクの空に』『ヒトラー~最後の12日間』『ヴェニスの商人』で、この中から1作品を選ぶとなると、やはり難しい・・・。
難しいが・・・【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2006年】は、『ショーシャンクの空に(原題The Shawshank Redemption)』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)でどうだろうか。
この映画に栄えある(?)【灰色のモアイ像】を贈ろう。
あの主人公のしたたかさ、タフさは見習いたいものだ。
さて、来年は"ましけ映画サークル"でどんな名画と出会うことが出来るのか、楽しみである。

ヴェニスの商人

2006年09月13日 | 映画サークル
映画サークル9月例会は、守〇企画の『ヴェニスの商人(原題THE MERCHANT OF VENICE)』(2004年/マイケル・ラドフォード監督/アメリカ・イタリア・ルクセンブルグ・イギリス)だった。
これは言わずと知れたシェークスピア原作の戯曲だが、映画化されるのは初めてというから驚きだ。
ユダヤ人の金貸しシャイロックを演じるのは、アル・パチーノ
よくぞこの役柄を引き受けたものだと思うが、"シェークスピア原作"で、"その中でも一番人気がある話"で、"初めての映画化"だということが彼のチャレンジ精神に火をつけたのだろうか。
仁左衛門は原作を読んだことは無いのだが、中学の文化祭でこの演劇をしたことがあって、自分の配役が何だったのか忘れたものの物語は知っていた。
中学の文化祭だなんて何十年も前の話なのだが、「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す」という台詞がとても印象に残っていて、この台詞をワクワクしながら待っていたのだが、この作品では遂にこの台詞は出てこなかった。
あれは翻訳家か脚本家がその諺を入れてみたかっただけのことだったのかもしれない・・・。
(^_^;)
先日見た『ザ・ハリケーン』(1999年/ノーマン・ジュイソン監督/アメリカ)もそうだったのだが、"正義"(justice)という言葉がとても強調されて使われていたことに何となく違和感を覚えた。
というのも、これはキリスト教の聖典の下に守られているキリスト教徒の正義や倫理の話であって、ユダヤ教の聖典の下で生きているユダヤ教徒の正義や倫理を尊重したものではない、ただのキリスト教の屁理屈だと思ったからだ。
(大昔の)キリスト教徒がユダヤ教徒をさげすんでいる日常を自然な状況とした上での単なる復讐劇であって、異教徒を同じ人間として尊重せずにつばを吐きかけたり追い込んだりしていた貿易商アントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)には裁判の結果、寛大な処遇がされたりする。
まぁ、所詮は16世紀のヨーロッパを舞台にした架空の物語なので、熱くなることもないのだが。