仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ザ・ハリケーン

2006年09月07日 | ムービー
『ザ・ハリケーン(原題The Hurricane)』(1999年/ノーマン・ジュイソン監督/アメリカ)を見た。
物語は、終身刑を言い渡され投獄されたプロボクサーが冤罪を主張して司法と戦い続ける実話を描いたという内容。
主人公を演じているデンゼル・ワシントン(ルービン・カーター役)がとても痩せていて、仁左衛門が知っているデンゼル・ワシントンとはまるで別人のようだった。
『フィラデルフィア』(1993年/ジョナサン・デミ監督/アメリカ)の時にこの痩せ具合だったら、トム・ハンクスが演じた役が出来たのではないかとも思ったが、そうなると、複雑な話が余計複雑になってしまって収集がつかなかったか・・・。
(^_^;)
冤罪で終身刑に服している男の物語は、『ショーシャンクの空に』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)が強烈に印象に残っているが、この『ザ・ハリケーン』も充分すぎるほどに強烈な物語。
刑に服しているルービン・カーターは2回続けて有罪判決を受け、冤罪を主張し続けようとする気持ちが折れていたのだが、中古本として流通していた彼の自伝『The 16th Round』を手にした黒人少年レズラ・マーティン(ヴィセラス・レオン・シャノン)から受け取った1通の手紙のおかげで再び希望を取り戻すことが出来た。
人種差別の問題をテーマに抱える実話であるだけに、この映画には"遊び"がなく、深刻なまま物語が進行するだけあって、とにかく見入ってしまう。
それにしても、殺人事件の証拠を改ざんしてまで一人の人間の一生を台無しにしてしまうとは恐ろしい話である。
無実なのに終身刑を言い渡されて、一生刑務所の中にいろと命令され、「それは違うんだ!間違いなんだ!もう一度調べてくれ!」と叫んでも誰も取り合ってくれないなんて、自分だったら気が狂ってしまうかもしれないと思う。
この映画の元になった現実の社会では、証拠を改ざんした検察側が処分されたり、悪意を持って犯人をでっち上げた個人(警察官)らが何らかの制裁を受けたりしたのだろうか。
気になるところだ。