いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

理想主義と歴史と伝統。 idealism and history and tradition

2017-07-18 20:05:09 | 日記
 (1)なかなか日本では理想主義(idealism)は根付かない。09年民主党(当時)政権はそれまでのほとんどが自民党長期政権で現実的保守政治が幅を利かせていた中で、本格的な政権交代となった。

 (2)民主党は高まいな理想主義を掲げて圧倒的な国民の支持を集めて政権党となったが、3年半で国民の期待を見事に裏切って自己破壊してしまった。
 理想主義が現実の政策に実効性をもたらさずに見事に理想だけに終わってしまった例だ。民主党から民進党と改名してもそのトラウマに縛られてその後は支持率ヒト桁台の低迷を続けている。

(3)日本社会の理念、思想があるとすれば、まずは戦前の天皇主権を中心とした君主主義だ。神格化された男子一系天皇のもとに、天皇中心の男性第一社会で権力至上主義国家で国民は社会資本のひとつとしてその他大勢であった。

 その君主国家日本がアジア侵略占領支配に向かって欧米連合国相手に世界戦争に突き進み、原爆投下敗戦を迎える。

 (4)その反省から戦後は平和憲法の下に天皇は国民統合の象徴として国民主権の民主主義政治体制で経済第一復興社会を目指すことになる。理想主義など根付くこともない歴史(history)、伝統(tradition)、文化(culture)尊重社会であって、戦後はそれらを否定することから出発した。

 (5)米国は祖先が英国から移り住んで理想に燃えた理想主義国家だ。ケネディ大統領は就任演説で、国家が緒君に何を成すかではなく、緒君が国家に何が出来るのかを問うてほしいと理想主義を訴えた。

 理想に燃えた米国は政治、軍事、経済、先端的分野で世界をリードしてあたらしい情報化、IT時代などを絶えず主導して担ってきた。

 (6)日本も戦後は米国に次ぐGDP世界第2位の経済国に成長したが、先端的分野では米国に追いつくことができないでいる。理想主義が根底に根付く国家、社会かどうかが大きな違いだ。

 その米国で今年、理想主義を捨てて現実的、保護的米国第一主義のトランプ大統領が誕生して世界を驚かせた。

 (7)現代社会は格差問題が社会を分断する時代だ。米国社会はもうひとつの自由主義思想の中で経済、社会に最大格差を生んできた。根強い人種差別社会もそれを助長した。

 米国の理想主義は必ずしもすべての幸福をもたらすものではなかったが(世界軍事戦略でも)、理想主義は米国の伝統的理念、思想だ。

 (8)理想主義を否定する格差社会成功者のトランプ大統領が格差社会で苦しむ人々の高い支持を受けてパラドックス(paradox)として登場したが、その後の支持率は36%と過去70年で最低(世論調査)に沈む。
 
 そしてそのまた下を行くのが安倍内閣で、直近のメディアの支持率調査で30%を切るところもある。今更理想主義ともいかないが、日本国民はどうする。

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