ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

仙台市役所より (追加の内容があります)

2011-07-18 | 放射能関連情報
 仙台市 市民局 市民協働推進部 交流政策課の方よりご連絡いただきました。

 仙台市役所HPにて、私が撮影した仙台広場などの画像が紹介されています。
「ミンスク市からの支援」

http://www.city.sendai.jp/koryu/1198687_2446.html


 この夏にはミンスク市へ仙台市の高校生を保養滞在のため招待する話が出ています。
 私としては今、経済危機真っ只中のベラルーシへ日本人が行くのは大丈夫かな? と少々心配なのですが、反面日本では難しい体内放射能の測定などベラルーシでは簡単にできることができたら、本当にいいなあと思います。
きっとミンスク市役所は、大歓迎していろいろな交流プログラムを用意してくれるでしょう。
 ミンスク市民との交流はもちろん大切ですが、せっかく遠いところを来るのですから、日本ではまだできないことで、ベラルーシではできることをするほうがいいと思います。
 ミンスク市役所から電話があったときに、私のほうから訪問団メンバーの体内放射能を測定することをお願いしておきました。 今の日本ではなかなかできないですから。

 測定は1回だけではなく、到着後すぐに計測し、さらに帰国直前にもう一度測定して、その結果を比べることができたら一番いいです。
 これで、ベラルーシでの滞在中、体内の放射能値が減ったかどうか分かります。
 ミンスク市役所が私の要望をきいてくれるかどうか分かりませんが・・・。
 せっかくなので、保養所では放射能対策メニュー(カリウム・カルシウム強化メニュー。高ペクチンの食事)を出してほしいです。
 仙台市役所からも、この点について強くミンスク市役所側へ要望してほしいです。
 ベラルーシの専門家よ、日本人の子どものために今こそ、知恵を結集させてください!

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以上は6月18日の書き込みです。
 以下は7月18日の追加内容です。仙台市役所からこのような連絡をいただきました。
 体内放射能の測定については、ミンスク市役所側からも提案があったそうです。(私はミンスク市役所を見直しましたよ。)

 しかし仙台市役所側は辞退したそうです。その理由は・・・

「原発事故による放射能について、仙台市内の学校は健康に影響はないと仙台市が発表しているにも関わらず、なぜ市が募集する事業で検査を行うのか、という反発の声」
「海外での検査に対する不安の声」
「日本から来たことを理由に放射能汚染を疑われているように子供が感じるのではないかという保護者からの批判的な意見」
 があったからだそうです。

 このような意見が出るのも理解できますが、体内放射能の測定を渇望している日本人も大勢いるのに、と思いました。
 こちらをご覧ください。
 木下黄太さんのブログ「福島第一原発を考えます」から7月12日付の記事
 「北海道がんセンターのWBCについて」

http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/2e1cf6075fbe53c76ba8495f5bc0beeb


 この記事のコメント欄に書き込まれた方の7月15日付記事より抜粋します。
「北海道への帰省予定にあわせ、北海道がんセンターへホールボディカウンターの予約電話をしましたが、すでに多く集まり過ぎて予約を一旦締め切っているそうです。
 13日現在、キャンセル待ちも受付けておらず、今後の再開予定も未定とのこと。また、まめに問い合わせてみます。
3・11から4カ月以上経ってから内部被ばくを測定しても遅いくらいだが、「自分の体の現状を把握しておきたい」という欲求は日々増すばかりです。多くの被ばく者が同じ思いで過ごしていることと思います。
 今回、予約はとれませんでしたが、北海道がんセンター様の英断と、誠実なご対応への感謝をお伝えしました。現場も戦場かと思いますが、日本人の危機です。ぜひ、検査を継続して頂きたいと願っています。」

(ちなみに「3・11から4カ月以上経ってから内部被ばくを測定しても遅い」ということはないです。ベラルーシは25年経った今でも、事故後に生まれた子どもも測定していますよ。)

 仙台市民からの「海外での検査に対する不安の声」というのにはがっかりですね。放射線検査に関してはベラルーシのほうが日本より進んでいますよ。(今のところ)
 わざわざ1万キロも移動して、ベラルーシへ来るのにもったいないなと思いました。
 仙台市は他の都市とも姉妹都市提携を結んでいます。しかし、その中で(私が知っている限り)ミンスク市だけが保養滞在の申し入れをしたことにも、意味があると思ってほしかったです。
 
 しかもこういう仙台市のケースだと団体行動が求められますから、一人だけ抜けて測定しに行くわけにもいかないですよね。
 まあ、日本国内でもっと自由に測定ができるようになればいいだけの話なんですけどね・・・。
 人間には自分のことを知る権利があると思いますが・・・。 

 それにしても、仙台市は市内の学校にすでに放射能の安全宣言を出しているんですか?
 そうだったら、ミンスク市側が保養滞在を提案した時点で、
「大丈夫です。こちらは安全ですから、保養に行く必要はない。」
と断ればいいのに。
 日本からベラルーシへ行くとすると飛行機での移動になりますから、飛行中に宇宙から降ってくる放射線で被爆します。
 飛行時間が長いですから、これは高汚染地域に1週間滞在したのと同じぐらいの被爆量になってしまいます。
 でもヨーロッパなどに飛行機で行き来している日本人が、放射能のせいで病気になったりしないのは、非汚染地域に降り立って、生活を始める、つまり保養滞在と同じことをしていて、少しずつ放射能が出て行くからです。
 しかし今は、ベラルーシも日本も「放射能に問題のある世界でも少数派の国」になっているわけですから、(仙台市は汚染地域ではない、というのが仙台市役所側の考えらしいですが。)この二つの点を往復するなら保養にならないですよ。
 だからせめてベラルーシへ保養目的で行くのであれば、日本ではできないことで、ベラルーシではできることをしないと・・・と思っていました。

 ともかく仙台市は仙台市の学校は安全、と思っていて、ミンスクは仙台は安全じゃないだろう、と思ったから保養滞在を提案し、さらには体内放射能値の測定も申し出てくれたわけですが、明らかにお互いの考えが食い違っています。
 今回、私は滞在訪問団のために通訳をしてほしいと頼まれたのですが、多忙を理由に断っていました。(本当に忙しいんです。)しかし、両者のこのような食い違いの中で、通訳をすると間に挟まって苦労するのが見えています。断ってよかったな、と思っています。
 9日間も時間的に制約されてしまいますからね。こんな時間があったら、このブログ上で放射能のことを心配されている方々に少しでも役立つ情報を発信するほうがいいというか、私の役目だな、と思いました。
 
 こういうことをブログで公開すると仙台市民の方から
「仙台市は学校は安全って言っているのに、不安を煽るようなことを書くんじゃない。」
と言う批判がくるんだろうな・・・と思いながら、これを書いています。

 安全だと言っている仙台市のことを信じている市民の方のほうがやっぱり多いのかな、と思いました。
 本当に安全だといいのですが・・・
 安全だろうと予測できても、念のためさまざまな対策を取っておくほうを私はお勧めしたいです。福島第1原発から離れたところに住んでいても、食品は全国に流通していますから・・・。
 チェルノブイリ原発事故当時、情報を隠し、国民のために何もしなかったソ連政府。その後どのような結果を招いたか、考えてほしいです。

 話は変わるのですが、福島県にある都市にも姉妹都市があると思います。そのような都市から保養滞在の申し出があればいいですね。別にベラルーシやウクライナでなくても、非汚染地域で一時的に気分転換したり、その地の施設にあるホールボディカウンターで測定したり、ペクチン剤など飲めたらいいのに・・・。
 現状が変わらない限り、日本で体内放射能の測定の順番を待っていたら、何年もかかってしまうでしょう。
 
 日本の旅行会社もこういうツアーを組めばいいのに・・・。もちろん観光もして、楽しい旅行も同時にすればいいと思います。 もっとも、アップルペクチンサプリはフランスのパリでは売り切れ状態で、入手困難になっていると聞きましたが、これを教えてくれた人はパリ在住ではないので、本当? と思いました。
 リンゴ由来でなくてもペクチンやカリウム、カルシウムを摂るように心がけてくださいね。