前々回アップした川べり劇場で、めったに上演されることのないオペラを見てきました
パウル・ヒンデミットのオペラ「画家マティス」です。
主人公の画家はピカソと並んで呼ばれることの多いアンリ・マティスではなく、名高いイーゼンハイムの祭壇画を制作した16世紀の画家マティアス・グリューネヴァルトです。
オペラの主人公は宮廷画家を務め、今は修道院で創作に励んでいますが、宗教改革と農民戦争による社会混乱の中で、修道院で画作にふけっていてよいものかと悩みます。農民戦争の渦に巻き込まれながらも、最後に自分の使命は絵を描くことだと決意し、イーゼンハイムの祭壇画を完成させるというストーリーです。
子供の頃、画集で、この祭壇画を見て深く印象に残っていたので、大いに期待してオペラを見ました。とても良い上演で舞台装置も素晴らしかったのですが、現在上演中のためか、まだYouTube動画はありませんでした
「画家マティス」の祭壇画をWikipediaフリー画像でご覧ください。
第1面「キリスト磔刑」
第2面左と中央画面は「受胎告知」と「キリスト誕生」(まさにクリスマス)
第2面右の「キリスト復活」
神秘的で、おどろおどろしい雰囲気(季節としては復活祭向き)
私も最初に見たとき衝撃を受けましたが、ヒンデミットも画面にみなぎる画家の気迫を感じたのでしょう。リブレットもヒンデミットが書いたものです。オペラの主人公は農民の側に立つので、当時のナチス政権によって上演禁止となりました。
Wikipedia:パウル・ヒンデミット
Wikipedia:画家マティス
Wikipedia:マティアス・グリューネヴァルト
イーゼンハイムの祭壇画には第3面があります。第3面も含む詳しい紹介はこちら(英語)
この祭壇画はコルマールで見られます。これまでに行ってみようかなと思ったこともありますが、祭壇画「参拝者」が多くて落ち着かないのではないかと敬遠しています。
蛇足
日本では24日までお休みですね。ここいらは25日と26日がお休みです。
25日はキリストさんのお誕生日、26日はキリスト教最初の殉教者、聖ステファヌスの記念日です。
小さい頃にこういう絵を見たら、芸術性以前にトラウマになりそうですが、ななみみずさんはいい方向に刺激を受けたのですね。
そういえば水木しげるさんは小さい頃見たお寺の絵馬の地獄図に影響を受けてあの世や妖怪に興味をもたれたみたい。
あと、お守りをしてくれたのんのんばあさんの影響かな。
私の行っていた幼稚園がキリスト教(新か旧か不明)だったり
小学校の頃、プロテスタントの敬虔な信者から「主の祈り」を教わったり
その影響で聖書を読んだり、西洋絵画を見ながら育ったり
というわけで「十字架のキリストさん」色々見ているので
「これは特に迫力があるな~」とショックを受けたという感じでした
とにかく、子供の頃の印象というのは、深く残りますね。
それが原点になる出発点になるということは多いと思います