みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
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国境の町

2016-08-25 | ぴんぼけシリア

イタリア中部でマグニチュード6.2の地震がありましたね。
しかし同時に驚いたのが、トルコ軍地上部隊のシリア進攻です。
24日にトルコ軍が攻撃し始めた国境の小さな町ジャラブルスには、17年前に行ったことがあるのです。
その時のピンボケ写真です。


あの辺に少し店があるかな?というような町


サハラ砂漠にも、こんな町があります


この道を進むとユーフラテス川にぶつかります


有るか無いかわからない耕地の傍らで休む人々

ここでお茶をご馳走になりました

いったい今この人たちはどうしているんだろう、生きているだろうか、と心配になります。

ユーフラテス川

向こう岸はトルコです

ユーフラテス川の岸辺で、クルド人グループに会いました。PKK(クルディスタン労働者党)の支持者のようでした。以前に私が通っていたアラビア語コースの先生がクルド人だったなどと話したので、PKKのバッジを記念にくれて、禁止されている党だから他人に見せないようにと言われました。シリアでは誰にも見せませんでしたが、持ち帰り、今でも引き出しのどこかにあるはずです。

これまでにも少し書きましたがシリア内戦はますます混迷の泥沼に入り込んでいます。
内戦と言っても、周辺国(トルコ、サウジアラビア、イラン、ロシアなど)の利害が交錯する代理戦争となっています。

新聞のHPからコピーした勢力分布図

ジャラブルス(Jarablus)の位置がわかります

赤がシリア政府、黄土色がクルド人、グレーがIS(イスラム国と称するテロ集団)、明るい緑が全然統一されていない反政府グループ、濃い緑がファタハ戦線(原理主義者)、茶色が混合(競合?)地域。そして国境南のグレートと白のストライプ部分が、トルコが中立化を要求している地域です。

アメリカは今のシリア政府とISには反対なので反政府グループを支援していますが、空爆や物資投下の支援だけでは戦況を根本的に打開することはできず、だからと言って地上部隊を派遣するのは危険すぎます。
ロシアは昔からシリアの支援国だったので、今もシリア政府を支援。イランもシリア政府を支援しています。従ってロシアとイランの敵は、反政府グループとISということになります。
サウジアラビアは反シリア政府ですが、今はイエメンも攻撃しています。イエメンの2015年内戦参照。
トルコは反IS・反シリア政府ですが、トルコの最大の「敵」はクルド人で、クルド人がトルコの領土の一部で独立することを、どうしても阻止したいのです。
トルコが遂に地上部隊を送り込んだことで、事態がエスカレートするのではないかと心配です。
私の友達(アッシリア人)の出身地カミシュリはクルド人地域ですが、トルコが進攻するかもしれません。


事態はとても複雑なので、詳しくはウィキでご覧ください。
シリア騒乱(時々刻々事態が変化するのでデータが少し古くなっています。多分そのうち更新されるでしょう。)
クルド人
ダマスカス
アレッポ
イスラム国


 今日の蛇足

以前、日本から来た人が「ここは地震がないから楽だね、ただ石を重ねればいいからね」と言っていましたが、ヨーロッパでも地震地帯はあります。
イタリアとギリシャが多いように思います。それでも、昔ながらの石造建築も多いので、マグニチュード6ぐらいでも、建物が沢山倒壊します。
日本の耐震建築は世界一だと思います。それでも、どんな天変地異にも100%安全ということはありえません。
世界の地震分布図






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