都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

成熟日本への進路―「成長論」から「分配論」へ 波頭 亮:20年で前作とは違う指摘

2010-11-20 07:47:38 | マクロ経済

 筆者はコンサルタントの経歴を持つ。「新幸福論―国富から個福へ」 (1991) 「個人が幸福になれる方法論を提起」し「個人の自由の大きさと人生の選択できる幅の広さが個人の幸福を決定する社会条件」で「個人は自分の幸福の形を見つけ実現の追求のための属人的資質・志向が求められた」としていたが、今回は、「個人から社会へ。自分という内向へのベクトルではなく、他者や社会に向ける目線や気持ちが幸せのために必要」と結論付けている。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

 成長から成熟へというのは、当然のパラダイム・シフトの理解だ。今後は開発より幸福だというのもあたりまえだろう。問題点として、日本は格差が小さい(おそらくジニ係数など統計の陥穽だろうが掘り下げが浅い)のと貧困者の割合が高い、弱者に厳しいのが問題としている。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

 コンサルタントだけあり、衣・食・住の保障コストを24兆円/年として、財源を消費税・金融資産課税・相続税のアップとしているが、なんで所得税の累進化や所得の総合課税がないのか理由がない。これではストック(資産)の移転はあるが、フロー(所得)の効果が薄い。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

 また、輸出産業と福祉産業へのシフトをあるが、高付加価値産業と労働集約への分化ともなる。生産能力向上と競争、機会の提供を含め教育の重視と援助がもっと必要だ。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

 行政主導政治の改革は閉塞感打破とヴィジョン実現に不可欠であり、指摘の人事権、特別会計の改革は賛同できる分析だ。但し、税収が増えるということは利権の排除など公正・公平な監視システムが必要だ。でないとばら撒きとなってしまう。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

私たちは幸せの分かち合いにむけ、「ただ乗り」や「掠め取り」の利権を正していきならがら、お互いを思いやる社会の共感が必要だ<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする