【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

結果論

2019-12-15 06:36:47 | Weblog

 ラグビーワールドカップでの日本チームの躍進を受けて、政府はラグビー支援の支出を増やすそうです。
 躍進する“前"に支援をしていたら、もっと早くもっと上に躍進していたでしょうにね。

【ただいま読書中】『魂に息づく科学 ──ドーキンスの反ポピュリズム宣言』リチャード・ドーキンス 著、 大田直子 訳、 早川書房、2018年、2700円(税別)

 “散文で考える科学者"ドーキンスの、講演やエッセイをあつめたものです。ドーキンスは「科学者がノーベル文学賞を受けても良いだろう。その場合の最有力候補はカール・セーガンだろうが、残念ながら彼は死んでしまった」と惜しんでいますが、私から見たらカール・セーガンの“後継者"はリチャード・ドーキンスに思えます。あなたがノーベル文学賞を受賞しても、私は驚きません。というか、“理系"の人間が文学賞を授賞しても良いのでは
ないでしょうか。
 「科学」とは「もの」であると同時に「思考法」のことでもあります。本書で著者は、進化論・量子論・遺伝学・インターネット・地球外エイリアン・創造論・巨大津波などなどなどなど、実に様々なものに言及していますが、その根底にどっかと位置するのは「科学的思考」です。本書の一部だけ読んで「自分が信じるものにドーキンスが賛成しない」と怒って本を置く人は、実にもったいないことをしていることになります。実際に私もドーキンスとは賛成反対が一致しない部分はありますが、しかし自分と意見が違う人からでも「賛成反対」ではなくて「考え方」について学ぶことはできるから、私は本は置きません。
 しかし、こういった「科学的思考法」についてのわかりやすい言説は、世界に広がりません。トランプ大統領のつぶやきはあっという間に世界中で受け入れられるのにね。なんともへんてこな世界です。




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