金閣寺(舎利殿)は仏さまのお骨を納める建物だが、杮葺に金箔塗の外壁が映えて目を奪われる。
周囲の緑との対比が絶妙で、俗人にはこの世のものとは思えない美しさである。
だが此処には、天皇になろうとした男:足利義満の野望が込められている?
建物形式から見れば、1階は宸殿造、2階は書院造、3階は禅宗様寺院の外観である。
この意味は、1階には公家と天皇が、2階には武家である足利家が、3階には法皇にまで登り詰めた足利義満が住まうことを祈念した。
『逆説の日本史』に井沢元彦氏はこのように記述しているが、本当はどうなのだろう。
紺碧の空に燦然と輝き、今まさに飛び立たんとする鳳凰=法皇=足利義満?
舎利殿前庭に広がる鏡湖池には、大小さまざまな島と石が配されて、建物の優美さを際立たせている。
この平らに安定した石組からみて亀島を現わしているのだろう。
金閣を裏側から見ると西側に張り出した質素な建物に目がいく。
これは宸殿造の建物に付随し、池に張り出す釣殿と言われるもの。
言葉通り魚釣りを楽しむ場所の意味だが、お客様の饗応に使われたものか?
天皇になろうとした足利義満は自身を最上位に置き、下に幕府と朝廷を置くことを夢見たか?