10月26日(木)は、6年生がアイヌ文化活動を行いました。
今回も、例年お招きしているアイヌ文化アドバイザーの門脇標さんと、アイヌ民族文化伝承ガイドの吉村圭一郎さんのお二人に講師を担当していただきました。
6年生は去年に続いての活動となります。
授業が始まる前に鉢巻や衣装などを身につけさせていただき、雰囲気づくりが行われました。
どの子も衣装が似合っていて可愛らしく、親密なやり取りを通して活動がスタートしました。
6年生は、昨年度に続いての活動だったので、さらに一歩踏み込んだ内容を扱いました。
これまでは、アイヌ文化等について学ぶことをメインの内容としていましたが、今回はアイヌの歴史等を通して「人権」について考えることをテーマとしました。
先住民族であるアイヌ民族は、土地や文化を奪われ、差別や経済的な格差で困窮した経緯があり、そうした状況は、残念ながら現代でも続いています。
授業ではまず「アイヌ神謡集」の出版を通して、アイヌ民族の文化を広め、アイヌ民族としての誇りを取り戻す活動のきっかけとなった知里幸恵さんの生涯を伝えるDVDを視聴しました。
DVD視聴の後、講師お二人の生い立ちや経験を語っていただきました。
決してきれいごとで済まされる話ではなく、簡単には解決などできない背景や問題について、子ども達は真剣に聞き入っていました。
生まれ育った環境の中で屈することなく、自分の人生を切り拓き、「今はアイヌに生まれて良かったと思っています」と語るお二人の言葉は、とても強く響きました。
講師のお二人は「現在は、アイヌについてメディアに取り上げられることも多いけれども、こうして直接触れ合う活動を一番大切にしています」と仰っていました。
今後多様な人々と接する中で、自らの未来をつくっていく子ども達にとって、今回の活動は、きっと大きなヒントや指針を与える契機となるでしょう。
6年生では、今回の授業で学んだ内容について、今後の道徳の授業でさらに話し合い深めていく予定です。
お二人を講師に招いてのアイヌ文化活動は今回だけではなく、11月2日(水)にも実施します。
この日は、3年生がアイヌ紋様の切り絵を制作し、2年生が歌や踊り、儀礼等の活動を行います。
アイヌ民族の文化や歴史を知ることは、私たちの地域についても深く学ぶことであり、多様な文化や価値観を大切にしながら豊かな社会をつくっていくための大切な活動です。