日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

頑張るしかないですねえ、何でも。

2015-11-27 13:44:28 | 日本語学校
晴れ。

快晴。無風。…ちょっと寒い。

一昨日は「日本語能力試験」の模試をやりました。採点も、中国人学生が多かった頃は、「読解」に多く点をつけ、それなりの形でできたのですが、「非漢字圏」の学生達にそれをやってしまうと、途端に寂しいばかりの点数となり、人によっては、やる気を失ってしまうということもあり、なかなか難しいところがありました。

というわけで、配点は…みな一問一点で、それで採点しました。難しくても優しくても一律にすると、…違いますね。それなりに、うれしそうな顔を見せてくれます。漢字を覚えるだけでも大変なのに、このときはこういう読み方と一つ一つ覚えなければならない(…というわけでもないのですが、彼らにしてみればそう思えてしまうらしい)…大変…。

「文字語彙」の「漢字」に関するところでは、その漢字の読みや形が判れば、答えがすぐに出ても良さそうなものなのですが、そうはできないところが「非漢字圏」の学生の、「非漢字圏」たるところ。

それが一文の中で問われているものですから、最後の句点まで、全部読んでしまうのです。で、時にはその「一文」の、他のところで(知らない漢字があったり、訳の分からない単語があったりして)引っかかってしまって固まってしまうということもある。…もちろん、全部読んでそれから答えることができるなら、そうすることが一番良いのですが。

おまけに200字くらいの文章から1000字を超えるものまで出てくると、必死で読んでいる学生ほど時間が足りなくなってくる。それで、まず問いを見、そこに書いてある単語ないし、漢字に注意し…云々という受験のテクニックを教えた方が、点が取りやすくなるので、それを教えてしまうということも…あってしまう。(本来なら、答えが出ればいい、合えばいいと最初から考えるべきではないのです。きちんと読もうとしている人には、まずはその習慣をつけさせた方がいいのです。だから、テクニックめいたことは教えない方がいいのです。きちんと読める人は、放っておいても、自然にそれができるようになるものですから)

なにせ、大卒であっても、(文章中の)筆者の意見や、あるいは、まとめ的なものは、この辺りを見た方がいいとか、この接続詞の後ろを怪しいと思えというのとかが通じない人するもいるのです。いえ、これは理系だからというわけでなく。
 
おそらく、彼らは漢字に「かまけてしまう」のです。本来ならば素直に読めばそれほど難しいものではなくとも、真面目にやっていればいるほど、漢字に「かまけてしまう」のです。

面白いことに、「N3」合格は、「テキトー」な学生が案外合格でき、「几帳面に」漢字を覚え、読み進めようとする学生ほど時間が足らなくなって合格できないということがあるのです。もちろん、きちんと漢字を覚え、問題を解けている人は合格できているのですが、中間がいないのです。

学校には来ているけれども、大して漢字を読めも書けもしないという学生でも、アルバイト先で日本人と話す機会が多ければ、「N3」に合格してしまうということもあるのです。

知っている言葉を拾い、それで答えていける才覚があるから、時間内にできるのでしょう。普通に読ませたら、一つ一つの漢字の前で立ち往生してしまうだけの人たちなのですが。

もっとも、こういう人たちは、よほど心を入れ替えて勉強しませんと、次がありません。「N3」レベルで終わりか、あるいは、どんどんレベルが下がっていくかだけなのです。日本にずっといても。

学校で勉強できる単語や文法というのは、工場やレストランでいつも使われている言葉や文法とかなり違っています。分野も広いし、書き言葉的な部分も少なくないのです。日常生活で、彼らが耳にすることも目にすることもほとんどないといっても良いでしょう。

それにくらべ、学校でコツコツ勉強していた学生。たとえ、日本語学校にいる間はなかなか上手になれなくとも、頑張っていれば、努力は報われるものです。大学や日本人が多い専門学校に行けば、事情が変わってくるのです。急に花開いて、「N2」に合格できましたという知らせをしてくれることだってあるのですから。

やはり、「天は自ら助くる者を助く」なのですね。

日々是好日
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