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最適食事量は「腹5分」、よって「1日1食」にするしかない!

2012年11月20日 | 朝食抜き・断食で健康

最適食事量は「腹5分」、よって「1日1食」にするしかない!

 自然の状態で暮らしている動物の生息数は、基本的に許容限度いっぱいいっぱいになっています。生息数が許容限度を超えてしまうと、1個体が生きていく上で必要な食糧が絶対的に不足し、子が生まれなかったり育たなかったりして生息数が少しずつ落ちます。そして、何かの事情で生息数がガクンと減ると、1個体が生きていく上で必要な食糧が十分に得られるようになりますから、子が次々と生まれ、皆育ち、あっという間に許容限度に達します。こうして、生息数は一時的に増減しながらも、許容限度いっぱいのラインにずっと張り付くことになります。
 ですから、自然の状態で暮らしている動物は、通常、生きていく上で必要な食糧がギリギリ得られるだけですから、体の生理機構もそれに適応したものになっています。
 よって、摂取した食糧は無駄なく吸収され、余剰栄養分は飢餓に備えてしっかり備蓄されます。でも、備蓄能力には限界があり、それもかなり低いレベルのものになっています。これは、際限なく余剰栄養を体内備蓄できるという状態が歴代にわたって延々と続くような自然環境を経験したことは全くなく、大量備蓄に適応した生理機構を作りようがなかったからです。

 さて、動物園で飼われていたり、実験用の動物には、定期的に餌が与えられます。どの程度が適量なのかは経験的に分かっているようで、過剰には餌を与えないようにしているようですが、動物は、飢餓に備えて体内備蓄可能な限度いっぱいまで、食べられるときに食べておこうとし、餌を欲しがって暴れるでしょうから、経験的な適量値というものは、どうしても過剰投餌傾向になるでしょうね
 そこで、これは別の目的でなされたのですが、どの程度餌を減らしたら、どの程度寿命が変わるかの実験が行われました。その結果は、どんな動物も、餌を4割減らしたときが最も長生きし、寿命が4~6割も伸びたのです。そればかりでなく、毛並みが良くなり皮膚の張りも出てくるというオマケ付きです。
(2016.3.14挿入:こうした動物実験は今までに幾つか行われており、概ね同じような結果が出ているようですが、2009年にウィスコンシン大学が発表したアカゲザル[25年以上の観察結果で継続中]の中間報告が有名になり、広く知れわたったのですが、その数か月後に米国国立老化研究所から発表された同じアカゲザル[20年以上の観察結果]での実験結果では「効果は認められなかった」というものになっています。同研究所の見解では「環境や食事の質など様々な要因が影響するのではないか」としています。)
 たぶんこれは、自然の状態では、飼育下と比較すると、いつも(平均すれば)4割減の食糧しか入手できていなかったからでしょう。自然の状態で生きていくのに過不足ない量、つまり、もっとも生理機構が円滑に働く最適な量が、4割減の餌であったと言えます。
 この最適量をベースに置けば、いつもは7割増しの餌を与えられていたことになります。
 7割も多く餌を食べれば、当然にして体がおかしくもなろうというものですよね。

 さて、我々現代の日本人が摂っている食事は、ヒトの生理機構が円滑に働く最適な量になっているでしょうか。
 1日3食、欲しいだけ食べて飽食しています。
 たぶん、飼育動物より多めに食べていることでしょうね。飼育動物には過剰に餌を与えないようにしているでしょうから、きっと腹八分程度に留め置かれているのではないでしょうか。それでも飼育動物は餌の与えすぎであることがわかったのですから、ヒトの生理機構が円滑に働く最適な食事の量は、2割減のさらに4割減、これを計算すると、0.8×0.6=0.48となり、5割減が最適量となることでしょう。
 ヒトも動物でして、飽食時代なんてものは、近代に入って暮らしが豊かになって初めて経験するようになっただけですから、ヒトの生理機構は、とても過栄養に適応できているはずはなく、最適量の2倍量もの食事を取っていては、毛並みも悪く皮膚もたるんだ不健康体になってしまうのは、当然の報いでしょう。
 それにもかかわらず、人の平均寿命が延びたのは、別の要因によります。
 一昔前までは、平均寿命は今より随分低かったですが、これは乳児死亡率が高かったり、子供の疫病が大きな原因となっていて、また、大人は感染症でどれだけか平均余命を縮めていましたから、そうなったのですし、昨今では老人医療が丁寧に行われるようになりましたから、寝たきり老人が多くなって、それでもって平均寿命を延ばしているだけのことです。

 我々現代の日本人が、最適量の2倍量もの食事を取っているがために、必然的に不健康となり、様々な生活習慣病を抱え込む羽目に陥ります。
 単に、肥満は体に悪いと経験的に言われてきましたが、新たな知見を紹介しましょう。もっとも、これは随分前に分かっていたようで、小生が知らなかっただけのことですが。
 これも、前号に引き続き、南雲吉則著“「空腹」が人を健康にする 「1日1食」で20歳若返る”からの抜粋です。

 メタボが寿命を縮める本当の理由
 …本来、内臓脂肪は一時的な「飢えや寒さ」に備えて体内に蓄えておくべきものでした。ところが飽食の現代では、過剰に蓄えられた内臓脂肪が、四六時中、燃え続けるようになってしまいました。
 そのため、余分な内臓脂肪をため込んでいる人は、季節を問わず、しょっちゅう汗をかくわけですが、ここで問題になるのは、それだけではありません。
 物が燃えるときには、必ずスス(煤)が発生します。内臓脂肪も例外ではありません。このススが、じつは私たちの体に、大きなダメージを与えているのです。
 内臓脂肪が燃焼する際に発生するススを、医学的には「サイトカイン」と呼びます。このサイトカインはそもそも原始的な動物に備わっている免疫物質です。
 外から菌や毒物などが体内に入ってきたとき、リンパ球はこのサイトカインという攻撃物質を出して、それらの敵に立ち向かいます。サイトカインは、外からの悪者に体の中から対抗するためのいわば「武器」ともいうべきものなのです。
 ところが、このサイトカインには、自己と外敵との見分けがつかないという弱点があります。そのため、敵が体内に入ってきたときに、敵に向かって放った弾で、自分自身も傷つけてしまうということになるのです。
 体中で内臓脂肪が燃焼している最中にも、内臓脂肪から「アディポ・サイトカイン」といううススが発生し、私たちの血管の内皮細胞をさかんに傷つけます。傷ついた血管にできたかさぶたは血管を硬く硬化させて「動脈硬化」を起こすのです。
 アディポ・サイトカインには、血管の柔軟性を保ち、動脈硬化を予防する「善玉アディポ・サイトカイン(アディポ・ネクチン)」と、血栓(血液のかたまり)をつくりやすくし、動脈硬化を促進させる「悪玉アディポ・サイトカイン」があります。
 正常な状態では、それぞれの分泌量はバランスよく保たれていますが、内臓脂肪が蓄積した状態では、善玉の分泌量が減り、悪玉が過剰に分泌されてしまいます。
 メタボの体型の人が動脈硬化を起こしやすく、心臓病や脳卒中を起こす割合が非常に多いというのも、内臓脂肪を燃やす際に出るススである悪玉アディポ・サイトカインが、自らの血管を痛めつけているからにほかなりません。
 人類が飢えや寒さから身を守るために発達した内臓脂肪が、飽食という新たな環境下で燃焼した結果、寿命を縮めるというのは、本当の話なのです。
 何万年もかけて獲得した遺伝子の最適化は、急激な環境の変化には、すぐに適応できないというのが一番の欠点だといえるでしょう。

 長い引用となりましたが、メタボの本当の恐さをご理解いただけたでしょうか。
 メタボの方が健康体を取り戻すには、今現在、ヒトの生理機構が円滑に働く最適量の2倍量を食べている
のですから、食事の量を半減させるしかありません。
 それには、「1日1食」以外に取るべき方法はないでしょう。
 一般的に、メタボの方は、朝食2、昼食3、夕食5の比率でしょうから、「夕食だけの1日1食」にすれば、最適摂取量に半減されることでしょう。なお、朝食3、昼食3、夕食4の比率の方であっても、夕食だけにすれば、普段の夕食より食べる量が増えましょうから、やはり半減することになります。そして、メタボの方は、今は20キロ、30キロにもなる重い脂タンクを腹の周りに巻いて動き回っているのですが、脂タンクがだんだん軽くなるにつれ、エネルギー消費量も減りますから、腹いっぱいと言えども、食事の量は順次減ってくることでしょう。
 小生も「夕食だけの1日1食」にしており、夕飯を腹いっぱい食べています。
 
それでもって、健康、健康!皆さんにもお勧めします。
 一時の空腹感を乗り越えれば誰でも出来ます。もっとも、いきなり1食にすると、体を壊しかねませんから、まず朝食を少しずつ減らし、次に昼食を少しずつ減らすなどの方法で、体を慣らす必要がありましょう。


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