薬屋のおやじのボヤキ

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食生活は“油断”が一番です。食事から油を断ち、米国式食文化からの決別を!

2013年07月05日 | 食養

食生活は“油断”が一番です。食事から油を断ち、米国式食文化からの決別を!

 消化力が落ちる梅雨時が”油断”(食事から油を断つ)を始める好機です

 下手な料理人がお客の味覚をごまかす簡単な方法があります。油と塩と砂糖の3種類を濃い目に使うのです。最近、飲食業界の安値競争が進んだこともあって、こうした飲食店が多くなった感がします。
 実は、これ、世界一貧相な米国食文化の特徴です。つい最近まで、西部開拓に明け暮れていたお国ですから致し方ありませんが。
 彼の国では、重労働の毎日でしたから、高カロリー食品が求められ、料理に油は欠かせませんし、汗をかくから塩分の補給も必要です。そして、食べたら直ぐにエネルギー源になる砂糖が求められます。
 加えて、皆、忙しく一日中働きますから、手っ取り早く料理ができて、かつ、立ち食いが可能なファスト・フード(ファースト・フード)が主流にならざるを得ないのです。

 戦後、この米国式食文化が洪水のごとく日本に流入してきました。
 日本が戦争に負けたのは、体が小さかったからだ。米国人のように背が高く、筋肉マンにならなくちゃいかん。米国の食文化を見習おう、というわけです。
 終戦後、緊急に必要とされたことは、カロリー不足の解消です。
 脂肪は炭水化物と同じ重量であっても何倍ものカロリーがあり、脂肪を積極的に取るべしと、「油炒め運動」なる栄養改善が婦人会を通して急速に普及しました。
 今日では、油炒めや揚げ物、そしてドレッシングがかけられた物が毎日の食卓にのぼるようになり、油の消費量は戦前の19倍にもなっています。
 その昔、マグロのトロは「猫またぎ」と言われ、人はもとより猫も食べないほどに油が多く、貧乏学生が食べる以外は捨てられていたようですが、今日に至るや、トロは貧乏学生には高嶺の花と化し、庶民の口にも滅多に入らない高級食品に!

 こうして、現代の日本人は油に馴れてしまい、油まみれの食生活に急変しました。若者は何とか脂肪消化酵素が出て対応可能ですが、中高年ともなると無理です。消化不良と便秘が急増し、腸内環境を悪化させます。

 戦後しばらくして、カロリー不足の緊急課題を乗り切ったら、本題の体づくりのための肉食がすすめられました。
 先ずは、牛肉のすき焼きで始まり、そして、高度成長によってステーキなるものが普及し、今日では焼肉が全盛の時代となりました。
 肉食にも馴らされた日本人は、今日では戦前の16倍の肉(魚も2倍)を取っています。

 こうして、油まみれの上に肉食中心の食生活になってしまったのですが、冒頭で述べましたとおり、味にごまかしが利きますから、美味しい、美味しい、と満腹に食べて、米国式食文化に大満足しています。

 こうなれば、自ずと生活習慣病が蔓延します。既に、20数年前には肥満、高血糖、高脂血症(脂質異常症)、高血圧が重なれば「死の四重奏」と恐れられ、近年ではメタボリックシンドローム(通称:メタボ)と名前を変えて騒がれています。

 最大の原因は、何と言っても油(脂肪)の取りすぎです。これが直接的に脂質異常症を引き起こし、過剰な脂肪が血管壁に沈着し動脈硬化を引き起こして高血圧にしてしまいます。また、油でカロリー過剰となり、摂取した炭水化物から作られるブドウ糖は引き取り手がなくなり、血液中を漂って高血糖にします。

 日本人が米国人並みの食生活になれば、日本も米国と対等になれると皆が思い、ここに大いなる油断(本来の意味の油断)があったから、そうなったのでしょう。
 米国人は米国式食生活でもまだ良いでしょうが、しかし、日本人がそうでは体を壊します。日本人が健康を取り戻すには、食生活において、先ずは“油断”しなければならないのです。「油を断つ」しか方法はないのです。

 戦前の食生活に戻せば、日本人が米国人と対等になれるのです。
 何とも皮肉な話ですね。
 
そうそう、“皮肉”と言えば、獣や鶏の「皮や肉」も断たねばいかんですね。魚を戦前の2倍も取っているのですから、それで十分です。
 しかし、しかし、
            

(本稿は、当店「生涯現役新聞」2008年7月号外をほぼそのまま掲載したものです。)

追記:
 先日の製薬会社セミナーの帰りには参りました。セミナーの後で懇親会があったのですが、簡単な食事しか出ませんでしたので、解散後に、とあるラーメン店に入り、ラーメンを注文したのですが、油ギラギラのうえに塩っ辛いといったらこの上なし!
 半分も口にできず、退散。よくも皆さん、こんなごまかし料理が食べられるものだと感心させられました。きっと、ごまかしに馴らされてしまっているのでしょうね。
 よって、バックナバーを引っ張り出して記事にした次第です。
 なお、家に帰ってから、早速に油の消化薬をしっかり飲みました。梅雨時ということもあり、油の消化力がガクンと落ちてしまった還暦過ぎの薬屋のおやじのボヤキ。おそまつ。


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5 コメント

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いつも、拝見させていただいております (長岡のくすり屋のおっちゃん)
2013-07-06 18:20:06
はじめして。
私は新潟県長岡市で小さなくすり屋をやっています。
いつも、先生のブログを拝見して勉強させていただいています。
感謝しています。
とにかく内容が誠実で濃いので尊敬しています。
まだ、「水かぶり」はしていませんが。
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ためになるブログですね (大豆)
2013-07-07 02:23:21
1日2食で検索していたらこちらにたどり着きました。
内容も充実していてこれからゆっくり読んでいこうと思います。
長生きしてこれからもブログの更新頑張って下さい。
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ダイエットしたけど・・・ (由美子ママ)
2013-07-09 18:44:34
高血圧の上,高コレステロール(-"-) 5kg痩せていったんコレステロールの薬をやめたのに、数値が薬飲むまえと変わらず、ショック・・・油をほとんど取らず、甘いものも減らして、運動もしてるのになぜ・・・絶対薬やめたくて、頑張ってるのに。どうしてでしょう?
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Re.ダイエットしたけど…(由美子ママ様) (薬屋の親父)
2013-07-10 08:38:19
高血圧の適正値は「年齢+90」と考えて良いですし、総コレステロール値は更年期過ぎの女性は280が適正としてかまいません。
その詳細は、このブログのカテゴリー「高血圧」「脂質異常症」をご覧いただくとして、検診の基準値なり適正値というものは、基本的に無いに等しいものです。
定期的に検査をされているのでしたら、その経年変化が体調の変化を示している、と考えて、生活習慣を正す指針にするという捉え方をなさってください。
さて、ダイエット。これも、このブログのカテゴリー「朝食抜き。断食で健康」を参考になさってください。
1日1食へ持っていければ、必ずダイエットできるでしょう。更なる体重コントロールは時々1日断食です。
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ご返答ありがとうございます (由美子ママ)
2013-07-10 19:13:34
ホッとしました^_^今度病院行った時、頑張って薬やめたいと、言おうと思います。ちなみに51歳,154㎝、44㎏です。降圧剤は7年位、コレステロールは3年位飲んでます。永年の油もの、甘いものの取りすぎは、1年程の節制では、数値は下がらないのでしょうか・・・(*^_^*)
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