現在の国産大型バイクを大きく2つに分けると、1つは高性能で大排気量、さらにハイパワーで細部にまでこだわった高品質なものと、
もう1つが、今回ご紹介するコストパフォーマンス(コスパ)に優れた格安モデル、例えばこのホンダ「NC700S」などに分ける事が出来ると思われます。
特にここ近年の大型バイクで、リッターオーバーのものに関しては軒並み200万円を超えるモデルが登場しまくり、
確かに良いには良いけど、確かに乗りたいには乗りたいけど…、欲しくても「庶民には手が届かない代物」だったりしますよね。(笑)
それに比べ、この「NC700S」は新しい試みとして、他の2台を含め3台のオートバイを「同じパーツの流用」で出来るだけコストを抑えたものとして登場します。
具体的には、クロスオーバースタイルと呼ばれた「NC700X」と、有段式自動変速機(DCT)を備えたスクータースタイルの「NC700-DCT」がそうです。
で、基本ベースとなるこの「NC700S」の初期モデルの登場が2012年からで、実はコスパでしかも大人気を博したヤマハ「MT-07」より2年も前に登場してたんですよね。
また、2014年には排気量を50ccアップさせた「「NC750S」へと進化を遂げ、現在もなお新車で売られ続けてるモデルだったりします。
とにかく最大の特徴は「新車価格」で、初期モデルだと598.500円(税込)、また上位グレードのABS付きでも647,850円(税込)と大型バイクとしては激安です。
もしかしたら、大型ミドルでここまで安いモデルは、なかったんじゃないかって思われます。(違ってたらごめんなさい…)
で、何故ここまで「安いのか?」と言うと先にお伝えした様に、くり返しになりますが3台のオートバイをほぼ同類のパーツ流用で販売したところにあります。
実は、この手の「策」って過去に何度もありましたが、ここまで価格に反映できたのは「NC」シリーズが初めてじゃないでしょうか!多分…。(笑)
しかも、ただ安いってだけではなく、早々とフューエルインジェクション(FI)仕様となっていますし、純正でラジアルタイヤが装備されていました。
また、ここで詳しいスペックを見てみますと、エンジンは水冷式4スト並列2気筒SOHC4バルブで排気量が669cc、
最高出力は50psで、最大トルクが6.2kgとなっています。しかも市街地での平均燃費が「40kmを超える」と言った優れた燃費性能で、
ガソリンタンク容量が14リットルなので、給油なしで570km近く走ることが可能な様です。
さらにフレームはスチール製ながらダイヤモンド式が採用され、エンジンは吊り下げ式で非常に近代的でまとまったフォルム(デザイン)を持っています。
また、ガソリンタンクはダミー(本当のタンクはシート下)で、そこを利用してかなり大きな収納スペースも確保できています。
これだけしっかり設計されてて、60万円ちょいあれば新車で買えた訳ですから、ひつこいですが安いとしか言いようがないですよね。(笑)
多分、世間的にはこう言った大型バイクを求める声も多く、それに早々と答えたのがホンダだったと言えます。
ただ、難点もあって車重が乾燥重量で211kgあり、取り回した時結構重い感じがしますし、サスペンションがイマイチでダンピングに多少の違和感を感じます。
しかし、それを見越してもボク的には新車価格の安さの方が優(まさ)ってますけどね。(笑)
もちろん700cc近い排気量を持っていますからトルク力は十分で、中型バイクよりしっかり加速してくれますし高速道路での100km巡航も当然ながら全然平気です。
最後に中古市場を見てみますと、大体安いもので35万円あたりから、高いもので60万円前後で取引されている様です。
比較的「年式が新しいモデル」なので、安からず高からずと言ったところでしょうか。
とにかく近年の「大型ミドル」で一番最初に出した「コスパに優れた1台」だと言えそうですね!(笑)