緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

東北旅行 岩手と青森へ ③

2023年03月19日 | 旅行
二日目に泊まった奥入瀬渓流の近くのホテル、ほんとにお洒落で良いホテルだったのですが、私は夜中の3時頃『これは一体何?!』と思う経験をしました。

いえ、ホラーな話ではないのです。
以前にも何度か書きましたが、私は更年期を過ぎてもホットフラッシュ、つまり“のぼせ”に悩まされるスーパーフラッシャーと呼ばれる体質の人間です。
夜中に急に暑くなり、大汗をかくなんてことは普通にあります。

その夜も大汗をかいて、目が覚めました。
熱気がこもった布団を冷まそうとして布団を動かした時です。
なんともいえない嫌な匂いがしました。
別に自分でガスを出したわけではないです。

何かを煙で燻したような、ちょっと形容しがたい匂いでした。
一体何が匂っているのかと思いました。
お風呂に入る際に着替えた自分の下着か、シーツないしは布団か、浴衣か。
でも寝る時は匂いなどしなかったのです。

真夜中に起き上がって匂いの探索などしたくなかったので、そのまま寝ようとしても少し動くと匂いがして、深い眠りに落ちることはありませんでした。
浅い眠りのまま、結局、5時半くらいに起きました。
それで色々と嗅いで分かったことは、臭いのは浴衣でした。

浴衣はディナーの時にも着ていて、その時は臭くなかったのです。
寝る時も臭くはありませんでした。
要するに汗をかいて、湿ったことによって、浴衣についていた匂いが出てきたのです。

以下は私の推測です。
通常、ホテルの浴衣はベッドの上に置いてあります。
ところがそのホテルは入り口付近にあるクローゼットの中に入れてあったのです。
それを見た時、靴と一緒に浴衣を置くのかと、ちょっと気にはなったのです。
クローゼットには、着てきたコートや上着類、さらには履いてきた靴も入れるからです。

旅行者が身に付けていたそれらは、たいてい湿っていて、閉め切ったクローゼットの中で乾くことになります。
その時、湿気はその匂いと一緒にクローゼットの中の乾いた物に一旦移るのではないかと思います。
つまり浴衣は、匂いや湿気を吸ったのだと思います。

最終的には浴衣も乾いてしまい、乾いている限り匂いもあまりしないのですが、それを着た私が大汗をかいたことで、沁みついていた匂いが発散したのではないかと思います。
浴衣をクローゼットの中に入れていなければ避けられることですが、ベッドの上に置くと着ない場合に邪魔という判断があったのかもしれません。

最近の宿泊施設ではフロントの横に浴衣を置いてあり、必要な人はサイズや柄を選んで部屋に持っていくというやり方もあります。
その方法がたぶんベストなのだと思います。
いずれにしても、大汗かきの私だからこその災難でした。

そんなわけで3日目は睡眠不足で、バスの中でもすぐ寝てしまい、ちょっとお疲れモードになってしまいました。

観光は近くの奥入瀬渓流からでした。
雪で遊歩道が歩けず、道路から渓流を眺めました。








奥入瀬渓流に添った道路を少し歩いて写真を撮ったのですが、その道路、若い頃にバスで移動した思い出がありました。
私の記憶では、バスの中の方が目の位置が高くなり、奥入瀬渓流の美しさがよく分かります。
地元の人の話によれば、時期は秋が良いのだそうですが、物凄い人出だそうです。
この日は私達以外、ほとんど人はいませんでした。

次の目的地は十和田市現代美術館でした。
見応えありました。



最初に外で出迎えてくれたのはこの馬でした。
「フラワー・ホース」という韓国の作家さんの作品です。

十和田市は歴史的に馬との関わりが深くて、街中にたくさんの馬のモニュメントが置いてあるのですが、この馬は中でも明るくて、私は気に入りました。

美術館の中で、一番衝撃を受けた作品、「standing woman」

4メートルくらいの大きさで、それだけでも迫力ですが、細部まで精密に作られた彫刻です。



顔やあご、乳房、お尻等のたるみ、落ちた肩が自分自身の老いとも重なり、人生の厳しさ、孤独、それでも生きてきたことの風格を感じました。
モデルはおらず、多くの女性達の姿を参考にしているそうです。

作品はたくさんあって、来た人が参加する形の作品もあり、全部見るには時間がかかりました。
写真は自由に撮れました。
十和田市に行かれるのならお勧めの美術館です。

その後はランチで、そろそろ帰る頃になりました。
でも添乗員さんがサプライズと言って、時間が余ったので青森県立の三沢航空科学館に行くことになりました。

三沢航空科学館は航空機ファンというのか、飛行機オタクというのか、宇宙オタクというか、そういう人が行けばもの凄く楽しめる施設です。
そうではない私でも楽しめました。

青森県立三沢航空科学館

青森県立三沢航空科学館は、「大空」と「飛翔」をテーマに、未来を担う子どもたちが楽しみながら、科学する心、感動する心、挑戦する心を育む施設です。

青森県立三沢航空科学館

 

基本、子供向けなのですが、大人でも楽しめます。
実物もしくはレプリカの航空機もたくさんおいてあります。




展示物だけでなく、ここはかなり凝った体験型の展示が多くて、私も月と火星と冥王星の重力を体感できる椅子など、幾つか体験しました。

一人で空を飛ぶ体験もできたのですが、それに気づいたのが遅すぎて体験できませんでした。
要するに、うつぶせに吊り下げられた状態での一人ジェットコースターみたいなものです。
初日に「風の又三郎」の人間版を見たというのはこれです。
私もやってみたかった。

帰りは三沢空港から伊丹へと帰ったのですが、三沢航空科学館はその近くにあるのでした。
この施設は青森に行かれるのでしたらお勧めです。

というわけで、多少の不満やトラブルがありましたが、おおむね満足の行く旅行でした。
次の東北旅行はまた違った場所に行きたいものです。


東北旅行 岩手と青森へ ②

2023年03月15日 | 旅行
今回のツアーのメインは、東北エモーションという観光レストラン列車に乗って、車外の景色を見ながらアフタヌーンティーをいただくことでした。

東北エモーションは岩手県の久慈から青森県の八戸までを走る3両の列車です。
時間を替えればランチもいただけるそうですが、その時はツアーの貸し切りでスイーツとオードブルでした。

ちなみにスイーツもオードブルも注文した分がテーブルまで運ばれますが、何度でも注文してよく、というか何度も注文を取りに来て、実際何度も注文しました。
飲み物の方もフリーで、アルコール類も含め何度も違うものを注文できました。

3両の真ん中の車両がライブキッチンになっていました。
こんな感じですが、今回はコロナのせいかそこで食べることはなし。


私が座ったのは3両目。


ひょっとして、私って小食なのかもしれませんが、メニューには6種類のスイーツが載っていて、私は当然その中の2,3個を選ぶものと思ってました。
ところが皆さん、総盛りで頼んでました。

私、内心『エーッ!!』。
だってランチを2時間くらい前に食べたばかりですよ。

私は取り敢えず2個頼みました。(後で追加で注文しました。)
全部の種類はこんな感じです。(写真は東北エモーションのウェブサイトよりお借りしました。)


久慈から乗車し、窓の景色は最初は森の中のようでした。


一緒のテーブルになった人とのお話も弾んで、次はオードブルの注文。
オードブルは私も総盛りです。

ビールはアルコールフリーのもの。

列車は森を抜け、海沿いを走ります。








前回のコメント欄でも、しまそだちさんが触れられていたように、海沿いを列車で走ると和歌山の列車風景を思い出します。
和歌山の場合、左手はすぐ山で、地震が起きたら列車を降りて、すぐに左にある山を登らなければならないと思いながら列車に乗ってました。(ある意味スリリング)

その話をしたらご一緒のテーブルの方が和歌山出身の方で、地震が来た時には線路から山に登る道が確保されていると話されました。
南海トラフ巨大地震は必ず来ますし、地震から津波が来る時間は15分程度なので、和歌山は色々と対策しているみたいです。

今回のツアーは東北大震災で被害を受けた地域と重なっていることもあり、バスに乗車中もガイドさんはその話ばかり。
ただ、ずーっと説明しっぱなしで聞く方は疲れました。
大切な話であれば尚更のことメリハリをつけ、延々と話すのではなく、相手の心に届く話し方をするべきだと思いました。

今回のバスガイドさんだけではなく、バブル崩壊以降の観光バスのバスガイドさんは、バスが動いている間はほとんど休みなく話し続けることが多く、うるさくて疲れているのに眠れなかったり、キンキン声が頭に響いて特殊な拷問を受けている気分になったりしたことが何度もありました。
一緒に旅行した人が、バスガイドの声のあまりの五月蠅さに「ガイドさんをにらみつけてやった」なんて話していたこともありました。

でも、これはガイドさんが悪いのではなく、休みなく話し続けることが観光バス会社の業務命令なのかもしれません。
正直、昔みたいに観光に必要なことだけ話すようにしてほしいものです。
それじゃあバスガイドの意味がないと観光バス会社のトップは考えるのでしょうか。
以上、愚痴です。

東北エモーションは約100分の乗車で、その間、何度も追加注文して、食べたり、飲んだり、話したり、でした。
その後は観光することもなくバスで宿に直行。
宿は奥入瀬渓流近くの猿倉温泉にある洒落たホテル。

着いて、1時間あまりで夕食。
全然お腹が空いてない状態。
なのに夕食はフレンチのコース料理!!
『食べれるのか私』って感じです。

が、食べられるのですね、不思議と。
次から次へと運ばれるフレンチ。











料理はとても美味しくて、食べられないなんてことは全くありませんでした。
去年北海道に行った時は食事がひどかったのですが、今回は違いました。

海が近いということもあり、肉よりも魚介類が豊富で美味しかったのでした。
食材もさることながら料理が上手いのです。
東北エモーションとは違う人と同じテーブルになったのですが「美味しいものが食べられないのなら死んだ方がマシ」なんて話をしました。

長くなるので一旦切ります。

東北旅行 岩手と青森へ ①

2023年03月12日 | 旅行
久しぶりに旅行に行きました。
岩手と青森へ、女性限定2泊3日のお一人様ツアーです。

今回の旅行、予約してから旅行支援が受けられることになり、手続きが色々と大変でした。
支援を受ける為には一旦予約をキャンセルし、もう一度予約し直さなければなりませんでした。
でもそれで、1泊につき5000円の割引になり2泊ですから1万円戻ることになりました。

各県2000円づつのクーポンの方はもっと大変で、発行の手続きは旅行社ではなくツアー客がしなくてはなりませんでした。
それも岩手県と青森県、別々に手続きしなくてはなりません。

電子クーポンなので、スマホで苦労して会員登録から始め、青森県の方はなんとかなりました。
でも岩手県の方がどんだけ探しても発行手続きの場所がない。
仕方なく旅行社に電話して聞くと岩手県はやり方が違うと・・。
そんなこと、旅行案内のどこにも書いてないがなー

要するに、クーポンの発行方法は県ごとに違うんだそうで、岩手県は紙のクーポンを旅行社から渡すとのことでした。
結局、青森県の方もスマホでは手続き出来ない人もいて、そういう人達には紙のクーポンが旅行社から渡されてました。
だったら両方とも紙のクーポンが楽みたいですが、電子クーポンは使える店が紙のそれよりも多いんだそうです。
原則、電子クーポンを使ってほしかったみたいです。

というわけで、旅行に行く前から一人で大騒ぎしてました。

当日、伊丹を1時15分発、花巻行きの飛行機だったので、ゆっくりと出発。
その日は宮沢賢治童話村という所に行きました。

童話村はフォトジェニックな施設という触れ込みでした。



私は若い頃、宮沢賢治の童話が好きで、結構読んでいて、自分なりのイメージが出来上がっていたので『ふ~ん』という感じ。
童話村はとても広くて色んな施設があるので、子供が行けば楽しいかも、です。


これは「風の又三郎」
この旅の最終日、思いがけず、この姿の人間版を見ることになりました。

この日は童話村の見学を終えると宿に直行。
宿は「あえりあ遠野」でした。
この宿では夕食前に地元の語り部による遠野の民話が聞けました。

遠野の民話といえば柳田国男の「遠野物語」ですね。
「遠野物語」も私は好きで何度も読んでいます。
そのせいか、方言がきつくて三分の一くらいしか分からないと言われている語り部さんのお話も分からないことはありませんでした。

「遠野物語」は柳田国男も書いているように、都会人をして戦慄せしめるような酷い話や不気味な話も多くあります。
正直、私も、語り部さんによって淡々と語られる遠野の民話には深く感動させられるものがあり、中でも「おしらさま」の話には涙がにじみました。


語り部さんのお話の後はお楽しみの夕食です。
これもコロナ対策なのか大きなテーブルに一人座って食べる「孤独のグルメ」方式。


内容は和洋折衷膳でこんなの。
見た瞬間、一人で食べられるのかと思いました。
もちろん、デザートまで全部ちゃんと食べました。
(残したのはジンギスカン鍋のキャベツの芯くらい)


翌日は8時に出発して宮古市の浄土ヶ浜へ。
三陸海岸の景勝地です。




遠浅の海が広がり夏は海水浴が楽しめる場所だそうです。
でももちろん、東日本大震災の時には津波が押し寄せ、建てたばかりのビジターセンターが1階も2階もぶち抜かれてしまったそうです。
今あるのは建て替えたビジターセンターです。
印の所まで津波がきたそうです。


次に向かったのは「久慈琥珀博物館」
その前に腹ごしらえで「ビストロくんのこ」というフレンチのレストランへ。
ちなみに、くんのこというのはその地方で琥珀のことを指すらしいです。

メインディシュは琥珀サーモンのステーキでした。

琥珀サーモンといっても、琥珀の粉が振りかけられているわけではなく、単に久慈は琥珀の産地だから名付けられたとのこと。
皮までパリパリで美味しかったこと!!

山深い場所のお洒落なフレンチのレストランなので、誰が利用するのかと思いますが、すぐ隣に「久慈琥珀博物館」があります。

久慈が琥珀の産地だということは初めて知りました。
琥珀で作られた様々な工芸品。







琥珀の大きな原石も展示されていましたが、パッと見て、私には琥珀だとはわかりませんでした。

博物館の後は「やませ土風館」という道の駅。
ここでは久慈の秋祭りで運行される山車が展示されています。
それが馬鹿でかいのでした。





いかにも東北という感じの山車でした。

長くなりそうなので②に続きます。