緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

初めての茶事

2019年06月28日 | 茶道
茶道ですが、流派を替えて公民館で続けています。
月に2回なので楽です。
最近、先生から、先生の自宅の方の教室でも習わないかお声がかかりました。
『この人は続きそう』と思われたのでしょうか。
まだ返事はしていません。

それともう一つ、茶事にも誘われ、行ってきました。
茶道では、茶事が本来の正式な茶会なのですが、行きたくても簡単に行けるというものでもなさそうです。
やはり縁がないとだめみたいです。
茶事が終わって、先生に挨拶をした時「茶事が経験できて嬉しかったです」と私が言うと、先生も「茶事は誰もが経験できるものではない。あんたはラッキーや」と言われました。

実は私、茶道には興味が元々あったのですが、習ってみたいと思ったのはNHKのETV特集で「おんな一人 70歳の茶事行脚」というドキュメンタリーを見たからです。
番組案内はココ
半澤鶴子さんという女性。日本で数少ない茶事の出張料理人だそうです。

番組は、70歳を過ぎて、茶事を極めようと一人で車を運転し、時に野宿しつつ全国を行脚された2年間の記録です。
旅で出会った見知らぬ人を茶事に誘い、その土地の食材で料理し、茶を点てる、そんな普通にできることではないことをされた方です。
この番組、私は偶然見たのですが、私だけでなく、その生き方で多くの視聴者に衝撃を与えたようです。

その茶事ですが、どの茶道の教室でもやっていることではないようです。
前に習った流派の教室の場合、大寄せの茶会でさえ1年に1度足らずで、延々と稽古だけの茶道教室を開いていたようです。
今度の先生は公民館の茶道教室も引き受けながら、自宅で本格的な茶道の教室を開いています。それで公民館の教室と両方習いに行っている人もいるようなのです。

自宅の教室の方に私を誘われた時、先生曰く「自宅の教室では公民館のように気楽な雰囲気でなく、一からビシッと全て教えます」との事でした。
他の生徒さんに聞くと、茶事も、最近熱心に行うようになったとのことです。
何でも、先生は自分の知っていることを全部伝えておきたいとのことらしいです。

今回、私が初めて経験した茶事は朝茶事と呼ばれる茶事ですが、本当の朝茶事は朝の6時か7時に始めるらしいです。
先生曰く「でも、それじゃあ来る人が嫌がるやろ」ということで11時開始でした。(朝早くじゃ先生も嫌だと思う)

本来、朝茶事では供される懐石は朝ごはんらしくあっさりとした物らしいのですが、その日出された懐石は時間を昼近くまでずらしたこともあったのか、最初に御膳が運ばれ、その後も次から次へと大鉢で料理が運ばれてきて、堪能できるものでした。
朝茶事は夏の間、朝早くの涼しい時間に茶会を楽しむように設えられています。
お料理もまた夏らしい鯛の刺身の和え物や鱧のお吸い物、賀茂茄子の田楽など季節の食材が使われていました。

茶事の懐石は、いわゆる懐石料理の元である料理で、当然一つ一つも美味しいものでした。
お酒もふるまわれ、客同士の会話が弾むよう工夫されていましたが、私は初めてで、周りもほとんど知らない人ですので緊張しっぱなしでした。
懐石は、先生の妹さんも茶道の先生で、一緒に教えておられるのですが、妹の先生が作られたお料理であるとのことでした。

もちろん全員着物で参加です。
私はこういういで立ち。

6月ですので単衣でしたが、月末でしたので紗でも良いと言われていました。
でも茶事に着ていくような紗の着物を持っていませんのでこれにしました。
写真ではグレーに見えますが、実際には薄いブルーで、いわゆる伝統色の「甕覗き」です。
高価なものではなく、Amazonで買った中古の着物で、中国製のポリエステルです。
私の場合、大変な汗かきなので、夏場はザブザブ洗えるポリエステルの方がよいのです。

懐石の後、主菓子と呼ばれる見た目も美しく涼し気な和菓子が出され、頂きました。
その後、中立ちと言って、一旦、茶室から出て寄付とか待ち合いと呼ばれる別の部屋に行きます。
茶事では、客が最初に入って身なりを整える部屋でもあります。
そこには懐石を頂いている間に、衝立に客の人数分の花入れが掛けられていて、衝立の横にはたくさんの花々が置かれていて、中立ちで待つ間に客が自由に花を活ける趣向です。

銅鑼がなって後半が始まります。
もう一度茶室に戻り、濃茶と薄茶を頂く流れです。
お茶碗をはじめとしたお道具類も夏らしくベネチアングラスや薩摩切子など、亭主の趣向が凝らされていました。茶道が総合芸術と呼ばれる所以です。

もちろん、あらゆることに決まり事があり、日頃のお稽古がものを言うのですが私は場所が変わったこともあり何が何やら(◎_◎;)
特に着物を着ての立居振舞、私は全然です。
蹲(つくばい)で手を洗ったりするのですが、狭い場所での所作はなんか苦手・・・。
反省点ばかりの茶事でした。

で、茶道の稽古を今後どうするのかですが、正直、両手拇指CM関節症もあり、できるのかどうか分からないのです。
その事も先生にお話して、それでも構わないなら秋から先生の自宅でのお稽古も行ってみようと考えています。(秋になると年齢的に年金が丸々もらえて経済的に楽になるし。)
なんか、今の先生は色んなことが学べそうなので、興味は津々なんです。

今回の茶事も、客をもてなす亭主やお手伝いする半東、客の中で一番重要な正客など、今の生徒さんに役を振り分けていて、とにかく場数を踏ませ、慣れさせようとしています。
続けてみれば厳しいながらも面白いように思いました。




福知山でササゴイ

2019年06月23日 | 野鳥
福知山市の街中の街路樹で、ササゴイがコロニーを作って子育てしているということで、いつものバードウオッチングのグループで見に行くことになりました。
ところが、どういう行き違いなのかは分かりませんが、集合場所の福知山駅に着くと、来ていたのは先生と私だけ。

行くと言っていた人、どうしちゃったのか。電話を掛けたりしましたが・・・。
人数少なくて、先生がお気の毒・・・・。
福知山はさすがに遠いですから。
というわけで二人でバードウオッチングと相成りました。
プロのバードウォッチャーと二人でバードウオッチングなんて、私にとっては贅沢なんですが。

コロニーのある街中に着いてみて、またまた目算違い。
去年の同じ時期、幼鳥が出てきていたのに、今年はまだ抱卵中で見られなかったのです。
今年のササゴイの子育ては10日くらい遅れているみたいです。
場所はこういう所。
逆から見ると

自動車がビュンビュン行き交っています。
ササゴイはケヤキの茂った葉の中に巣を作っています。
時折、親鳥が飛んできて葉っぱの中に入っていきます。
あちこちフンだらけ。
警戒心の強いササゴイがこういう場所で巣を作るなんて、とても珍しいことなんだそうです。

巣のある木に張り紙して、地元の人達はやさしく見守っています。
文言は

そこにいても、たまに親鳥が飛んできても、すぐに茂った葉っぱの中に隠れてしまいますので、歩いて5分ほどのササゴイが餌を採る近くの河川に移動しました。
最初はなかなか見つからず、でもいました。

餌を採ろうとしているところ。









この餌取は失敗だったみたいです。
にしても、ササゴイの尾羽、どうなっているのでしょう。
そもそも尾羽があるのかどうか。まあ、短いのがあるみたいです。

ササゴイ、ゴイサギと少し似ています。
ただ、ゴイサギは留鳥ですがササゴイは夏鳥で、冬には見られません。
日本画的趣きという面ではゴイサギの方が上。
でも先生がフィールドスコープで見せてくれた抱卵中のササゴイの胸の羽毛はとても美しかったです。
(うまく隠れていて、胸の一部分しかスコープに入れることはできなかった…。)

ササゴイが餌取していた河川では、背の高い草叢の中からオオヨシキリの騒がしい鳴き声が聞こえました。
姿はまったく見えず、こちらも子育て中なのかもしれません。

河川の横の田んぼにはチュウサギがいました。
私、チュウサギを見たのは今回が初めて。
ダイサギやコサギはいつでもいますし、見られますが、チュウサギは夏鳥で、冬には見られない白鷺なのです。
数も減っていて、見る機会が少ない野鳥です。
もっと近づいて見ようとしましたが、警戒されたのか逃げられました。

ササゴイの幼鳥を見られなかったのは残念でしたが、ササゴイの成鳥は見られたし、チュウサギも今回初めて見ることができたので、それだけで収穫ありました。
幼鳥はいつかリベンジして見たいですね。




世界は「自分達」だけではない

2019年06月14日 | 話題
私は阪急沿線に住んでいるのですが、今、阪急電車の中吊りが話題になっています。⇒ココココ
50万円の給料と30万円の給料が比較され、50万もらっても生き甲斐がないより、30万でもやりがいがあれば良い、みたいな趣旨です。
働く人を応援するをコンセプトで他にも色々な言葉があるみたいなのですが、炎上してしまって中吊りは中止になったようです。

冷静になって考えなくても、今の世の中で30万円の給料をもらっている人がどれくらいいる? という話なのです。
中吊りの言葉を選んだのは阪急電鉄の人みたいですが、正社員の方なのでしょうね。
阪急電鉄で働く非正規雇用の方に、その中吊りの言葉をどう感じるか聞いてみたら良かったのにと思います。
阪急沿線は富裕層が多いって、単なるイメージに過ぎませんから。

もう一方で、またまた年金問題です。
ずいぶんと世間を賑わしている金融庁の報告。
あれは、そもそもは、リタイアして年金生活に入っても、月に掛かる費用が26万円。
でも年金は21万円しか貰えない。だから今の内に投資でお金増やしましょう、って金融機関の広告をそのまま持ってきての話でした。
10年も前から広告では盛んに言ってましたが、あれも、現役なんだけど26万円も収入がない人がたくさんいるんです。

広告の時はターゲットがある程度の資産がある人なわけで、それで問題にはならなかった。
金融庁の報告では、それがあたかもすべての人に当てはまる一般の話であるかのように扱われてしまったのです。
そこが問題だったと思います。
年金で生活できるかどうかは人それぞれで、大半の人は生活できない、というのが何を今更的な常識ですから。

この二つの出来事で思うのは、今のような「格差社会」では、いわゆる上の方にいる人達は、数では多い筈の下の方の人達が見えていないのではないかということ。
上の方になった人達が努力しなかったというのではありません。
それなりに苦労して上の方になった人達は「自分達」以外見えなくなるのではないかということです。

そのことで、昔、ある市民活動のグループで経験したことを思い出しました。
そこでの会合で、専業主婦から30代で大学に入り直し、40代で大学の先生になった女性が、たまたま女性の話し言葉について話が及んで「私達は一般の女性がどういう話し方をしているか、聞いたこともないし知らないですしね」と当然のように言いました。

20年以上も経ってまだその言葉を覚えているのは、“一般の女性がどういう話し方をしているか、聞いたこともないし知らない”なんてことがあり得るのかと、その時思ったからなんです。
その人は特別育ちが良いのかもしれませんが、別に皇室の人ではなかったので、普通に出歩き、電車にも乗っていた筈なのです。
そしたら嫌でも人の話し声が聞こえてくる筈なのです。
なのに“聞いたことがない”とはどういうことだろうかと不思議だったのです。
その人自身の話し方は確かに一般的ではなく、まるでNHKの女性アナウンサーのようにしゃべる人でした。

もう一つ、常々その人に違和感を感じていたことは、その人が語る主語がほとんどいつも「私達」だったこと。
確かに彼女が「私達」といってもおかしくない立場の人がその場にいたとしても、私のようにとうてい「私達」に含まれない人間もその場にいたのです。
なのにいつも主語が「私達」だったのはどういうことだったのだろうかと。
私は彼女にとっては見えない、存在しない人間だったのかもしれません。
ちなみに私が「私達」という主語で話をすることは滅多にないことです。

その人は極端な例だったのかもしれません。
でも自分とは異なる人達が身近にいても、その声が聞こえず、存在を認識することもできない人は確実にいるみたいです。
全然悪気がないのですが、いるのは「自分達」だけ。
阪急電車の中吊りを選んだ人や、金融庁の報告を作った人も、いつの間にかそんなふうになっていたのかもしれません。


                                   

庭の花です。
イシヅチホタルブクロが一つだけ咲きました。




コムラサキシキブの花も咲きました。秋になると紫の実をつけます。

白い百合も順次咲き始めました。

盛夏の頃に咲く花は考えてなかったですし、これから庭が寂しくなりそう。



ストレスコーピング

2019年06月07日 | 健康
シニアの為の健康と医療の教室に行ってます。
毎回、先生もテーマも違うのですが、ピンと来る話もあれば退屈な話もあります。

この講座の私の一番の目当てはプライマリーウォーキングを実地で学べることでした。
プライマリーウォーキングについてはココ
でも、その講座はまだ始まっていません。
現在の姿勢の確認から始めるみたいで楽しみです。

先日のテーマはストレスコーピングでした。
要するに上手なストレス対処法です。

先生によればストレス軽減に有効なのは、笑う、唄う、泣く、抱く、の4つだそうです。
笑う、唄うは分かるけど、泣くはどうなのか。
泣くとストレスホルモンのコルチゾールが排出されるので、泣けるDVDでもあればそれを見て泣けば良いとか。
でも私の場合、エンターテイメント(気晴らしとか楽しみ)で泣けないし、泣く時は本当にウツになりそうで、泣きたくはないです。

私にとってはストレス軽減になりそうにない「泣く」で考えたのですが、人によってストレス発散の方法はまちまちなのではないでしょうか。
人によっては、怒り倒したり、罵り倒したり、あれこれ文句を言い散らすのがストレス発散の人がいます。
そういう人達は、実は私が最も苦手とする人達なんです。(-_-;)
直接私に言っていなくても、それを傍で聞くだけでストレスなんです。

自動車に乗せてもらっても運転する人がそういうタイプで、車を走らせながら歩行者やら自転車やら車やらに「どこ見とんじゃボケ」とか「何考えとるんじゃカス」とかいう人。
傍にいるだけでも、たまったもんじゃないです。
私の今までの生涯には、そういうタイプの人達が周りに必ずいて、人知れず苦労しました。(今もいる・・・)
「単なるストレス発散や」と言われてもね。

話を戻すと、4つ目の「抱く」というのはどうか。この場合の抱くはハグのことです。
絶対に抱きたくない人もいる(笑)。
先生曰く、嫌がっている人を抱いてはいけない。
日本人はハグの習慣はないし、一体誰をハグしていいのか考えてしまいます。
でもペットでもいいんだそうで、私の場合はミーちゃんですね。

講座を聞いてから、ミーちゃんをギュッと抱いたりするようになりましたが、明らかに喜んでいます。
(抱き上げたりはしません。基本相手が嫌がることはしてはいけない・・)
ミーちゃん、元から私が寝ているとピタッとくっついてくる猫さんですから。
抱く方も抱かれる方もストレス軽減になるんだそうです。

笑う、唄う、泣くに共通するのは呼吸法なわけで、基本的には腹式呼吸が良いそうです。
眠れない時も腹式呼吸を心がければ眠れるとか。

というわけで、最近はちょっと可笑しいことがあっても大笑いするようになり、ミーちゃんを可愛がりで、私の場合はストレス軽減を図っています。




ホタルブクロが咲きました。

2019年06月07日 | 庭の植物
茶花シリーズで購入していたホタルブクロが咲きました。



昔はこの花の中にホタルを入れて遊んだみたいですが、今はそんな贅沢な遊びはできません。

ホタルブクロ、徳島の「岳人の森」でも一株購入していました。
そちらも蕾をたくさんつけていて咲くのが楽しみ。
イシヅチホタルブクロと言うそうです。
普通のホタルブクロより小さいのかな。

庭は今、ユリの花が満開。






毎年、雨の季節に咲いて、雨水の重さで倒れそうになるのです。

寄せ植えのガーベラ、次々咲くのは良いけれど、水をやたらと欲しがります。

ナンテンの花、やはり雨の時期に咲いて、あまり雨が当たり過ぎると実がならないとか。


梅の実も採らないといけないのですが、今日は雨で採れません。
どうせ採っても、去年と同様、持て余します。
近所の人に差し上げましょうか。