緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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2024年02月29日 | 男子新体操
3年続けて宮城県白石市で開催されている男子新体操の祭典、「ONE GYMNASTICS FESTA」 (以下OGF)、4年目の今年はクラウドファンディングで150万円集まったら開催することになっていました。



OGF、今まではコロナで助成金が貰えて、それで開催できていたみたいです。
「コロナの頃は助成金が貰えた」とは能楽の先生も言ってましたので、イベント系はコロナが明けて逆に大変になった面もあるみたい。

男子新体操に特化したイベントって、あまりないので私も応援する意味で支援のお金を出したのだけれど、仮に達成しても白石まで見にいくのは遠慮しておこうと思っていました。
理由は関西から宮城県白石市は遠いということ。

それともう一つ、一昨年は行ったのだけど白石市の印象が良くなかったこと。
それはブログにも書きました。

旅先で現金難民になる(´;ω;`)ウッ… - 緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

最近、予定が立て込んでいて、ブログをupするひまがありません。ブログネタばかり溜まっていきます。写真の整理もできないです。人に読まれなくても、記録代わりに書き残し...

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ところが150万円は早々と達成し、セカンドゴールとして250万円を設定、それを達成出来たらもう一か所で開催することになりました。
期限は2月29日。
それも2月28日に達成しました。

で、もう一か所の開催場所はというと9月に岡山県井原市付近らしい。
ふ~ん。

まだ確定ではないみたいですが、私の考えでは井原市は、街の雰囲気は悪くないけど行くのに無茶無茶不便な場所。
宿泊施設もないと思う。

白石市は新幹線の駅がある場所なので交通の便は良かった。
もう一か所は井原カップが行われ、同じように新幹線の駅がある岡山市にしといた方が良いと思う。
その方が誰でも行きやすい。
と書いてみたけれど、誰も私の意見なんか聞いてないって。(笑)

でも岡山県なら是非行かなくちゃね


12月の男子新体操演技会 振り返り②

2024年01月23日 | 男子新体操
肝心の花園大学の新体操発表会ですが、そこでも尾上達也選手が大活躍でした。
プログラムの最初は、系列の花園幼稚園の園児達によるミッキーマウスダンスでした。
そこで園児達と一緒にトレードマークの大きな白い手袋をはめて踊っていたのが尾上選手。
『あんた、井原でバラの花を口に咥えて踊ってませんでした?』と思わず言いたくなった。

尾上選手、全日本のスティックの演技では、ほとんど神がかっていて鬼神のようだとさえ評されていたのに、ここでは超可愛い振付のミッキーマウス。
鬼神からバラの花を咥えるところまでは何とか分かりますがミッキーマウスは反則でしょ。
いわゆるギャップ萌えというやつで、婆の私も好きになってしまいそうでした。

花園大学の新体操部は岡山にある倉敷芸術科学大学の男子新体操部と仲良くしていて兄弟みたいな感じです。
一緒に練習したりもするそうですが、オープニングはコラボしての集団演技でした。

白のTシャツが倉敷芸術科学大学で青が花園大学の学生。
このTシャツは花倉コラボTシャツといって、私も白を購入しました。
夏になったらそれ着て新体操見に行きます。

花園大学の集団演技、毎年見事なのですが、今回は少しバラけた印象。
短期間で、場所も京都と岡山という二つの集団を合わせての演技ですので、それでも上手くまとめた方なのかもしれません。

賛助出演では色んな団体や個人が来ていて、細かく書くときりがないです。
男子新体操だけでなく、花園大学の新体操部は女子もいるので女子の新体操もありますし、賛助出演の中には女子で男子新体操をする少女の選手も2名いました。
男子新体操でしたが少女らしさを演出した創作演技でした。

女子の男子新体操に関しては、今は様々な試行錯誤の最中なのでしょうね。

お金の話をすると、井原フェスティバルは500円、花園大学新体操発表会は無料です。

花園大学に行ったのは12月17日だったのですが、23日にはバレエの「くるみ割り人形と秘密の花園」を見に、神戸文化ホールに行きました。
こちらは有料でそこそこの値段。バレエですから。
バレエと男子新体操、何の関係があるのかと思われそうですが、ある意味それが知りたくて見に行ったのです。

きっかけはYouTubeにあった、ある男子新体操の演技に対するロシアの人のコメントでした。
彼は「これはロシアのバレエの古典だ。振付師は誰か?」とコメントしていたのです。
それを読んで、いくら何でもバレエと男子新体操は似ても似つかないだろうと私は思ったのですが、でも人(外国人)によってはそんなふうに思う何かが男子新体操にはあるらしいのです。

そんな時、2名の男子新体操の選手がバレエの舞台に賛助出演すると知り、それが「くるみ割り人形と秘密の花園」だったのでした。
バレエの中に男子新体操はどのように組み込まれているかが知りたかった。

結果は、あの長丁場の舞台で一番観客が拍手していたのは2名の男子新体操の選手が演じていた時でした。(私の後ろの席の人は「凄い」「凄い」を連発してた。)
でもそれは彼ら2名のタンブリング、つまりアクロバットの演技に対する拍手だったのです。
これはちょっと違うなと思いました。

私は男子新体操が本来持つ美しさがそこでは十分に表現されていないと思ったのでした。
振付師の意図が違うというか、単純にアクロバットが期待されていたのかなと感じられたのでした。
もちろん、振付師は男子新体操のアクロバットの芸術性を理解して起用していたと思いますが、それでもアクロバットを重視しての起用だったと思います。
男子新体操出身のダンサーやパフォーマーにはアクロバットが期待されることはよくあることかもしれません。(アクロバットができるから需要があると聞いたことがある。)

翌日のクリスマスイブには、私は「南甲子園体操クラブ発表会」に行きました。
無料です。
場所は兵庫県立尼崎西高校の体育館。
地元も地元、30分超で行ける所です。

地元の尼崎西高校、実は男子新体操が強かったのでした。
南甲子園体操クラブで新体操をやっていた子達が場所的に尼崎西高校に入学することが多かったからみたいです。

開場を待っている人達の話を漏れ聞くと、前日に香川県であった坂出工業高校新体操部の発表会を見て、その日は尼崎西高校に来たという人もいました。(はっきり言って推し活です。)
遠方から見に来る人の場合、坂出市と尼崎市はまとめて行ける場所みたいです。
尼崎市在住の私が香川県まで行くとなると、ちょっと考えますが。

南甲子園体操クラブ発表会の場合、もちろんそこ出身のOB選手の素晴らしい演技も見られるのですが、今クラブにいる小学生達の演技というか、OB選手も含めての縄跳び競争や逆立ち競争も楽しいのでした。

縄跳び競争で競技に特別参加した兵庫県のマスコットキャラクターのはばタン。

はばタンはひよこじゃなくてフェニックス(不死鳥)です。
阪神淡路大震災の炎の中から不死鳥のように蘇る被災地をイメージしてます。

はばタン、でかくて重い着ぐるみの筈なのですが縄跳びしてました。
さすがに自分で縄は回せず、二人の人に回してもらってましたが回す方も大変だったと思う。
ずいぶん縄跳びが続いて『はばタン凄~い』って感じでした。

でも私は見たのでした。
はばタンが縄跳び競争が終わって、見るからにヘロヘロな様子で体育館奥の扉に消えたのを。
後で逆立ち競争の時はさすが参加せず、必死に逆立ちしている選手達にちょっかい出してました。

OB選手の中で、地元でちょっと話題になったのは現在青森大学在学の岩淵緒久斗選手でした。
彼は確か大学2年の時にインカレで優勝し、2023年の全日本では個人総合で2位でした。
そして今年の春からシルクドソレイユに入団します。
彼は高校生の頃から夢はシルクドソレイユで活躍することと言ってましたので夢を叶えるのですね。
才能のある若い人が海外に活躍の場を求めるというのは頭脳系も身体系も同様のようです。

以上、駆け足で12月の男子新体操演技会の報告でした。
12月はあちこちで発表会や演技会があって忙しかったのでした。

12月の男子新体操演技会、振り返り

2024年01月18日 | 男子新体操
昨年12月、男子新体操関係の催しに、近場の4つほど行きました。
遅くなりましたが簡単に振り返りを書いておきます。

男子新体操だけでなく女子の新体操も、12月は試合が終わっていて発表会のシーズンです。
私は試合よりも発表会の演技の方が好きかもしれません。
選手達は伸び伸びと楽しんでいるし、ルールに縛られない創作演技や集団演技も見られるからです。
そして今年は本格的なコロナ明けで、思いの丈の声援、声掛けなども解禁になりました。
皆で楽しもうという雰囲気がありました。

最初に行ったのは12月3日、岡山県井原市で開催された井原フェスティバルです。
人によっては這ってでも行きたいという催しです。

私は体育館のフロアを見下ろす観覧席ではなく、フロアに置かれた席に座りました。
お隣にはやはり一人で見に来た女性達が座っていました。
聞けば一人は名古屋、一人は富山から来たとか。
富山の人は泊まりだったそうです。

井原フェスティバルは、見に行くほとんどの人のお目当ては男子新体操なのですが、女子の新体操の演技も見られます。
それも男子に負けじと2023年に大活躍した一流どころのチームや選手達が招待されていました。
国士舘大学や日ノ本学園高校!! 彼女達の演技も無茶苦茶見応えありました。
もちろん、地元の女子チームも頑張ってました。

写真は禁止なのですが、終了後、選手達との自由な写真タイムがありました。
その時に選手達が演技するタンブリングマットの上に乗っても良いということでした。
そんな機会って滅多にない。

私はタンブリングマットって、どれくらい跳ねるのか自分で確かめるべく、喜んでマットの上に上がり、ピョンピョンしました。
タンブリングマットは跳ねるというより、タンブリングの際に選手の体にかかる衝撃吸収が目的のマットで、ピョンピョンするとボンボンって感じでした。

その時に撮った井原高校の選手達。サービスでI字バランスをしてくれてます。(I字バランスは誰でもできることではありません!)


集合写真


私が一番印象に残ったのは招待されていた花園大学の尾上達也選手の演技でした。
全日本では総合で3位でしたが実力的には1位と変わらない。
実際種目別では4つの種目のうち2つが1位、後の2つが2位。
総合で1位2位の選手よりも良かった。
花園大学、ここ数年団体が元気ないので、個人総合でも花園大学の彼に優勝してほしかった。

尾上選手、井原フェスティバルでは創作演技を見せてくれました。
途中で赤いバラの花を口に咥えて踊り始め、観客一同呆気にとられて見てました。
たぶん、バラの花を咥えて踊った男子新体操の選手は彼が初めてだったんじゃないでしょうか。

演技の途中でバラの花を投げたのですが、演技終了後、スタッフがそれを拾い、井原高校出身で今現在青森大学在学の原田選手に渡したみたい。
そして、なんちゅうファンサービスをしてくれるのでしょうか、原田選手は跪いて尾上選手にバラの花を返した・・・。

写真はOuen Mrg様からお借りしました。こんなベストショットはプロでなければ撮れません。
私は見ていなかったのですが、見ていた女性ファンは騒然となったらしい。
萌え~、ですね。

原田選手、知る人ぞ知る、井原高校の最高傑作と言われている2019年の演技で中心となっていた選手で、国内外で人気があるのですよ。
跪いてバラの花を返した一件は、私はその時は見てなくて気づかず、帰ってからSNSで騒がれていて知りました。



2週間後、私は花園大学新体操部発表会に行きました。
友人も見たいというので二人で行きました。
花園大学は京都の大学です。
ラグビー場のある花園と思われ、東大阪の大学と勘違いする人がいるらしい。
京都の臨済宗の大学で、座禅のカリキュラムもあるとのことです。

私が花園大学の発表会に行ったのは2度目でした。
今回は新体操とは関係なく、ちょっと特別な体験をしました。
というのも、私は極度の方向音痴で、前に行った時は何がなんだか分からない内に発表会が行われる花園大学の体育館前の門に着いていたのですが、今回は友人と一緒だったのでスマホのナビを利用したのでした。
それが良くなかった。

前に行った時とはまるで違う道だなと思ったのですが、とにかくナビの通りに歩いていくと花園大学に着いたのは着いたのです。
でも、花園大学のキャンパスってだだっ広くて色んな建物がある。
着いたのはたぶん正門だったのだと思います。
そこから体育館に行く経路が分からなかったのです。

そこでちょうど大学から出てきた中年男性に体育館の場所を訪ねてみました。
するとその人は「僕は大学の関係者ではありませんが」といいつつ、引き返して大学の受付まで案内してくれました。

その先でも、体育館に着いたものの変な場所から入ったので観覧席に行けずにいると、通りがかった新体操部員の若い女性がやはり付き添って案内してくれました。
観覧席で、私は前年にフロア席から見て見辛かったので体育館上部のキャットウォークに行く方法を別の新体操部員に聞くと、やはり付き添って案内してくれたのでした。
どの人もとても親切で、そこまでしてくれなくて良いのになぜか付き添って案内してくれる。
その親切な振る舞いが全く自然で、なんか申し訳ないくらい。

そして帰り道、行きと異なる門から出たのでバス停までの道が分からない。
犬を連れたお爺さんが歩いていたのでバス停の場所を聞くと、お爺さんの分かる範囲ながら丁寧に教えてくれ「分からなくなったら歩いている人に聞いてください。誰でも親切に教えますから」とのこと。
私、自宅周辺で人に道を聞かれたら、そりゃあ自分は教えはするけれども、自信を持って自分が住む町の住人が「誰でも親切に教える」とはよう言えない。

その先はお爺さんの教えてくれた通りに行くつもりだったのですが友人は不安だったらしくコンビニを見つけると「コンビニでもう一度聞いてみよう」と言い出しました。
私は内心『コンビニの店員に聞くなんて迷惑じゃん』と思いましたが友人が不安そうなので仕方なくコンビニに入りました。

すると20歳前後のお兄ちゃん店員がしゃがみこんでレジ前の棚に品出しの最中。
私が遠慮がちに道を尋ねると了解って感じで立ち上がって店の外に出て詳しく道を教えてくれたのでした。
そこには、ほんのわずかのめんどくさそうなそぶりもなく、全く自然に親切が示された感じ。
爽やかというか何というか。

この日、私が花園大学とその周辺で出会った人達は、誰もかれもが異様に親切だったのでした。
人には親切にすべしというローカルルールが花園大学周辺にはあるのでしょうか。
「誰でも親切に教える」というお爺さんの言葉からすると単なる偶然とも思えなかったのでした。

長くなったのでここで一旦切ります。


男子新体操の女子選手

2023年11月30日 | 男子新体操
タイトルを読んで「どういう意味?」と思われる人もいるかもしれません。
そもそも男子に新体操なんてあるのかと思う人もいるかも。

以前にも何度か詳しく書きましたが、男子新体操は日本が発祥の、ほぼ日本固有のスポーツです。
国外では、ロシアが日本式の男子新体操を少しやっている程度。
対して女子の新体操はヨーロッパが発祥のオリンピックでも競われている世界的なスポーツです。

この二者はルールその他の内容もまるで異なるものです。
同じ新体操と名付けられたのは日本における歴史上、組織運営上の理由からです。
詳しく知りたい人はこちらの記事の中ほどに書いてありますので読んでください。⇒ここ

タイトルの「男子新体操の女子選手」というのは、だから言葉通り、男子新体操をやっている女子選手という意味。



毎年岐阜で開かれる新体操のクラブ選手権ですが、この選手権では様々なカテゴリーがあり、見ごたえがあります。
今年は私も見に行く予定でJRの切符の予約までしたのにコロナに罹り、行けませんでした。

色々なカテゴリーの中でミックスというのがあるのですが、そこで男子新体操の演技に女子選手が参加することが今までもありました。
そして今年は全員女子のチームが初めて登場するという、ある意味記念すべき年となりました。

実は男子新体操をやりたいという女子は昔からいたそうです。
ただ公的に認められていなかった。女子は女子の新体操をやってくださいということだったらしいです。
今現在、あちこちで女子の選手が出てきたのは、学校ではない民間の体操クラブでは断る理由がないからかもしれません。(クラブにとっては顧客になる?)

スポーツにおけるジェンダーフリーをあれこれ言上げするのであれば、当然学校等のクラブ活動でも女子の参加を認めなければなりません。
しかしそうなると男子新体操という名称そのものも変えなくてはなりません。
そして名称変更は国外においても歓迎されると思います。

というのも、YouTubeをはじめとするSNSで男子新体操を見た外国人の中には、日本の男子新体操が、新体操ではないのに新体操と名乗っているとして、時に非難の声があるからです。
翻訳時に女子の新体操と同じ男子の新体操(メンズ リズミック ジムナスティクス)と訳されてしまうからです。

これはよく分かります。
そんなことは実際にはないのですが、もしどこかの国が、柔道ではない武術を柔道と名乗っていれば、日本人としては『やめてほしい』と思うでしょう。それと同じです。
日本体操協会は、その問題を何年も放置していますが、早く是正した方が良いです。
そして女子の正式参加は名称変更の良い機会でもあるのです。

ここで書いたような事柄はメディアで報じられることのないことです。
男子新体操自体が、鹿児島実業高校のお笑いに特化した演技以外メディアでは見られないのです。
メディアが一面的な取り上げ方しかしないことは今更なことです。
でも、男子新体操は魅力あるスポーツです。
そうでなければ小さな女の子が男子新体操をやりたいとも思わないでしょう。

事実として、男子新体操は性別も年齢も身長差も、関係なく包み込める、いわゆるインクルーシブなスポーツです。
(この記事内で挙げたレックススポーツクラブの女子チームの身長差を見てください。)

男子新体操は超マイナーなスポーツですが、今、男子新体操に取り組んでいる少女達が、この先も奇異の目で見られることなくこのスポーツを続けられるよう、私としては応援し続けたいと思います。


新体操の西インカレを見学

2023年06月06日 | 男子新体操
先日、グリーンアリーナ神戸で開催された新体操の西日本インカレに行ってきました。
新体操のクラブ選手権や全日本には昨年行ったのですが西インカレは初めてです。

私もよく知らないのですが、新体操では西インカレと東インカレがあります。
東インカレは東京より東の大学の学生選手権大会ですが、西インカレはその前に九州インカレ、関西インカレ、東海北信越インカレなどの地域ごとインカレがあってその後に行われます。
ちなみに東インカレにはそういう地域ごとのインカレはないんです。

それを知らなかったものですから私は『あれっ、関西インカレがあったのにまた関西でインカレするの?』と不思議に思いました。
これは私の想像ですが、新体操では女子が多いという事情があるのではないかと思います。
西日本は女子の新体操が盛んですから、西インカレをやる前に地域ごとでインカレをやって参加人数を絞るのではないでしょうか。

たとえば、新体操では競技は男女交互に行うのですが、私が行った西インカレでは、個人では女子が二人続けて演技し、その後男子が一人演技してました。その繰り返し。
団体では男子は早々と演技が終了し、その後女子の演技が続いていたようです。(私は男子の演技が終了した時点で帰りました。)

それくらい女子の参加者が多いのです。
競技人口自体、男子は女子の10分の1くらいらしい。

ですから、実際には男子の方は西インカレの前に地域でインカレする必要はないと思うんです。
でもやらなくちゃいけないみたいです。
詳しい事情は分からないので間違っているかもしれません。
いずれにしても、そうやって8月に上位者による全日本インカレ(全インカレとか全カレとか呼ばれる)が開かれ、大学生の日本一が決まります。

そして全インカレの上位者(個人・団体)が10月末に行われる全日本選手権(通称はジャパン)の出場権を得ます。
全日本にはインカレで成績の良かった大学生だけじゃなく、インハイ(インターハイスクール)上位の高校生の団体や個人、またクラブ選手権を勝ち抜いた民間のクラブチームや社会人チームの個人や団体も参加できます。

インカレで全日本の出場権を得られなかった大学生は、大学のクラブに所属する形でクラブ選手権に参加し、敗者復活戦みたいにそこで勝ち抜いて全日本に出ることもできるようです。
そして全日本でその年の新体操日本一の団体や個人が決定されるわけです。
もっとも、ここ数年はコロナの影響で開催がかなり変則的だったみたいです。

とまあ、そんなこと、言われなくてもスポーツ好きな人は皆知っているのかもしれませんが、ここではスポーツ観戦初心者の私が最近知ったことを一応書いておきます。

先日私が観に行ったのは西日本インカレです。(通称は西インカレ)
グリーンアリーナ神戸は家から1時間15分の距離で、行き方も阪急電車と神戸地下鉄だけで、近いので二日続けて行きました。
場所は駅の傍で直ぐ分かったのですが、例によって会場に入るのに戸惑いました。

そこが会場だと示す看板があるわけでもなく、複数の扉には〈締め切り〉〈締め切り〉・・・と張り紙が…。
閉め切りと書かれていない扉を押しても閉まっていて…。
幸い私の後から来た人が開く扉を見つけてくれて、私はその人の後をつけて入りました。

入るのに戸惑ったのは私一人ではなく、席に座っていたら「入れなくてウロウロした」というような声が聞こえましたので、本当に『ここは秘密の花園か』と思う程、入りにくかったです。
新体操、ただでさえ観る人少ないのに、もうちょっと来てくれる人に親切にしてもいいと思いました。
ちなみに入場・観戦は無料です。

会場内は途中から入っても座れるほどの込み具合です。
私は一番見やすい男子側の席のマットの正面になる辺りに座りました。
ただ、私の座った席は選手の関係者席だったかもしれません。
そういうこともはっきり書かれていなくて分からなかったです。

個人の競技が終わり、団体の公式練習の時の写真です。


写真や動画は関係者であれば事前に申請すると撮ることができるようです。
私は関係者ではないですが、上の写真は競技中ではないのでスマホで撮りました。

向こう正面の席がガラガラみたいですが、向こう側は選手の席で一般の人は座れません。
左奥のマットは次に演技する選手達の練習用マットで、競技は手前正面のマットで行われます。
その手前のテーブルのある所は審査員席です。
右隣に縁がピンクのマットが見えますが、そこは女子用のマットです。
競技用のマットは、大きさは同じですがマットの種類が男女異なるのです。
私は男子新体操を観に行ったのですが、女子の演技もちゃんと見られる席に座りました。

男子と女子はそうやって仲良く演技するわけですが、知る人ぞ知る、新体操というスポーツは男子と女子ではやっている内容がまるで異なっていて、ほぼ別種のスポーツなのです。
そのことを知らない人が多すぎて、男子新体操の選手に向かって「リボンをクルクル回しているのか」などという失礼なマウント発言をしてしまうことにもなってます。

ついでだから豆知識的に日本の新体操について書くと、新体操の前身として団体徒手体操という競技が日本では戦前からあったみたいです。
戦後、それは第二回目の国体から正式種目として採用されています。
もちろん団体徒手体操は日本発祥のスポーツで、ヨーロッパ発祥の新体操とは異なるものです。

団体徒手体操は男子と女子に分かれていましたが同じスポーツとして活動していました。(ちょうど器械体操のような感じ。)
1967年、団体徒手体操の選手とコーチの二人の女性がコペンハーゲンで開かれていた新体操の第3回世界大会に視察に行き、その華やかさにすっかり魅了されて帰ってきて「自分達は団体徒手体操ではなく新体操をやりたい」と主張したわけです。

その願いは叶いました。
当時の日本は今の中国みたいに勢いがあったのでしょう、とにかくやることが早かった。
2年後の1969年には日本は新体操の第4回世界大会に参加し5位に入賞しています。
これは色んな意味で「凄い」としか言いようがありません。
少なくとも当時の女子の団体徒手体操の選手達は、体型的には明らかに不利だったとしても身体能力的にヨーロッパの選手達と比べて遜色がなかったようです。

ただヨーロッパの新体操は女性限定のスポーツでした。
団体徒手体操をやっていた女子選手は新体操に移行しましたが、男子選手はそのまま団体徒手体操を続けました。
その上で、個人の種目もある女子の新体操に合わせて男子も個人の種目を新たに作り、女子の新体操との整合性を持たせたのでした。

団体徒手体操はフリーハンドで、手具を持たないスポーツでしたが、男子もその時点で初めて個人競技のみ手具を持つようになったのでした。(手具も女子のそれとは違う。)
そして名称も団体徒手体操から新体操に変えたのでした。
男子新体操が女子の新体操とは異なり、日本発祥のスポーツであるというのはそういうわけです。

当時、男女が違うスポーツをやることになったのだから男子と女子の組織を分けるという発想はなかったみたいです。
その結果、今現在、様々な問題が生じているのですが、ややこしいのでそれについては書きません。

閑話休題。

二日間、私が座ったのはどうやら大学や家族等の関係者の席だったみたいです。
二日目、私の後ろには某大学の選手のママさん達のグループが座ってました。
別に聞こうと思わなくてもママさん達の会話が聞こえてきて、それが面白かった。

私は気が小さいので、全日本を観に行った時には、個人の選手の演技は手具を落下しないか思ってドキドキしたもんです。
(私はフィギュアスケートでも、ドキドキし過ぎるからテレビでライブは見られず、結果が分かってから見る人です。)

別にファンでも何でもない他人でそれですから、仮にの話、自分の息子や孫の演技を見ることになれば心臓に悪すぎると思ってました。
ところが二日目はそういうママさんが私のすぐ後ろで集団で観戦してました。
いやもう、何とも言えない緊張が伝わってきましたね。

あえて詳しい内容は書きませんが、息子選手が何度も手具を落とすと嘆いたり、息子の状態を案じたり。
かと思うと仲間の息子選手のイケメンぶりを褒めたり。
それを受けて容姿端麗な息子選手をさりげなく自慢したり。
(男子新体操といえども見た目は大事ですからね。)

個人の場合、その選手がミスっても同じ大学に迷惑をかけるわけではないので、その分、ママさん達の気持ちは楽だったと思います。
でもママさん同士で気を遣い合っていることも、同じ大学の選手の演技を祈るように観る気持ちも伝わってきました。

どんなスポーツでも同じでしょうが、スポーツやっている子供の保護者は大変です。
選手達が本当に愛情をかけて育てられているのはよく分かりました。
男子新体操は決してメジャーなスポーツではないのですが、そんなこと関係ないですね。

肝心の演技ですが、全インカレでもジャパンでもないので、やはりレベル的には低い選手もいました。
日頃、YouTubeで凄い演技ばかり見ているので、実際にはこういうもんなのだなと理解。
当たり前ですが上手い選手は本当に上手かった。
たぶん、ジャパンでも上位に行くのだと思います。

期待していた団体の演技はちょっと問題あり。
色々と考えることはありましたが、それについては私ごときが語れません。

最後に団体で勝利した福岡大学に敬意を表して、同じ福岡大学の栗山巧選手の2019年全インカレのロープの演技を紹介します。
栗山選手、現在はシルクドゥソレイユでパフォーマーとして活躍中です。