mimi-fuku通信

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NHK2010『日本怪談百物語&妖しき文豪怪談』:怪談の考察

2010-08-13 00:00:00 | テレビ番組


 『日本怪談百物語(その弐)
 
 放送局:総合/デジタル総合
 放送日:2010年8月16日(月)
 時間 :午前0時10分~午前3時40分(210分)
 番組HP→
http://www.nhk.or.jp/program/kaidan/
 
~8月15日(日)深夜の放送です。

 
『シリーズ:妖(あや)しき文豪怪談』

 放送局:NHK-BShi
 放送日:2010年8月23日(月)~26日(木)
 時間 :午後10時~11時 or 11時15分
 
 集中再放送(4話連続)
 放送局:NHK-BShi
 放送日:2010年8月29
日(日)
 時間 :午後9時~翌1時30分

 

 <mimifukuから一言>

 昨年に続き2本立ての“話芸による怪談”を放送。
 ・1本は既にBS2で放送された『最恐!怪談夜話2010』
 ・1本が15日深夜に放送される『日本怪談百物語(その弐)
 
~さらに今年はBShiでドラマSP『文豪の怪談』を4夜連続放送。

 『最恐!怪談夜話2010』
 
については敢えて今年の放送を紹介しなかった。
 番組を個人的に観るつもりがなかったからだ。

 『日本怪談百物語(その2)』
 昨年放送された(その1)を見逃し悔しい思いをしたので、
 今年こそは見るぞ!と考えている。

 『最恐!怪談夜話』は現代の語り部達の物語。
 『日本怪談百物語』は過去の名作怪談物語。
 恐らく大衆受けするの『最恐!怪談夜話』の方だろう。

 昨年の『最恐!怪談夜話2009』の感想として
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20090825

 ~『最恐!怪談夜話2009』は、
 現代庶民が最も待望する怪異体験談を含む恐い話。
 江戸・明治の怪談説話と現代の怪談との違いは、
 物語が単純化され救いがないこと。
 江戸・明治の怪談が理由の存在する復讐・怨念物語なら、
 昭和~平成の怪談は通り魔的な物語。 
 救いのない通り魔的な(対象者との過去の接点がない)現代の怪談説話は、
 物語の舞台がホテルや浴室の鏡やエレベーター等の、
 逃げ場のない日常の場が舞台になっている。

 と文字にしている。
 恐らく“2010”の内容も似たり寄ったりの恐怖体験がメイン・テーマ。
 だから番組の紹介をしなかった。

 8月4日(2010年)に新宿・末廣亭(寄席)に行ってきた。
 その記事の中でこんな文書を文字にしている。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20100811

 漫才と落語の違い
 寄席を経験し現代風の漫才はその場の楽しみこそ提供できるが、
 家に帰って話の内容がまるで記憶に残っていないことに驚いた。
 逆に柳家権太楼さんの落語は初めて聞く演題であるものの、
 そのストーリー展開の楽しさは映画を観るように脳裏に張り付いた。
 
現代の漫才(お笑い芸人)を否定するわけではないが、
 “大衆(庶民)が求める分かりやすさ=単純明快”
 が芸の基準に置かれ、
 “大衆は娯楽に複雑な思想や教訓を求めない”
 が現代漫才が提供する速度性(ショート・コント方式)なのだろう。
 
日本的な情緒ある話芸とアメリカ的な単純明快の娯楽。
 落語が持つ日本的な了見は学習(予習・復習)を聞き手に求めている。
 現代漫才が持つスピード感は一瞬の笑いを手に入れようと必至だ。
 落語が目指すお笑いと現代漫才が目指すお笑いとは、
 本質的に違ったものであり時代を映す鏡のようにも感じる。
 
 感の良い方なら私が何が言いたいか直にお分りであろう。
 戦後の日本のアメリカナイズ(Americanize)された文化形態は、
 “大衆(庶民)が求める分かりやすさ=単純明快”
 が基本的な思考の基準に置かれていると考えられる。
 
 日本の古典的な怪談話(江戸後期~明治初期)には、
 道徳感が求められるものが多い。
 “人を殺してはいけない・人を騙してはいけない”
 と言う当たり前の契約を破ったものに襲う恐怖の復讐劇。

 代表的な物語として、
 『四谷怪談』『怪談:牡丹灯篭』では多くの人間の死が顕著だ。
 特に『四谷怪談』の激しい怨念は悲惨な結末(皆殺し)をむかえる。
 また、
 『怪談:牡丹灯篭』は落語家としても誉高い初代:三遊亭圓朝が書いている。
 物語は『四谷怪談』ほどに悲惨ではなく日本人好みの?仇討ちで幕を閉じる。
 ~日本人に死刑賛成論者が多いのも忠臣蔵などに見られる仇討ちに理由が?

 日本の古典的な怪談物語の鑑賞者は復讐の理由を見出し、
 怨まれないための契約を探ることで自らの溜飲をさげる。
 しかし、
 現代の怪談物語は理由のない突然の恐怖に襲われ、
 理不尽な境遇に対する答えを求める事ができない。
 それがつまり、
 “大衆(庶民)が求める分かりやすさ=単純明快”
 であり、
 病める日本病の一端を担っていると考えることは妥当であろう。
 ~深く物事の全体像を見ずに点の解答を追い求め振り回される。

 下記は20代頃に出合った概念を元に私が創作した言葉であるが
 精神構造の基本概念を知ることで多くの怨念や怨霊の意味が理解できる。
 ~ただし言葉の意味を絶対に正しいと証明することは誰にもできない。

 “蛇(へび)に呪いをかけたのは人々を蛇から遠ざける先人の知恵である”
 ~呪いの多くは子供を危険から守るために親達が創造した知恵である~
 ~同時に“もののけ”などの精神的な負担を人々に与えた事実も否めない。

 詳しくは述べない。
 言葉の意味を各々で考えていただきたい。
 この続きは、
 来年の怪談物語で続けよう。
 

 <ブログ内:関連記事>

 
*怪談夜話2009:怪談映画/話芸/Jホラーの秘密(NHK)
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/76a9a3797e1286d14e6035e1dc848d5d
 
 *日本の怪談2008/名作映画放送:NHK-BS2(番組情報)。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/863101c25b35f2b88761533d1e711e5a


 ~NHKホームページより記事転載。

 『日本怪談百物語(その弐)』

 “怪談を百語ると異界の主が現れる”。
 個性豊かな役者10人が一堂に会し日本伝統の肝試し、
 「百物語」を3時間半にわたりお届けする。
 取り上げる怪談は、
 日本三大怪談として知られる「番町皿屋敷」「牡丹灯篭」はもちろん、
 「四谷怪談」の基になった「四谷雑談集」を披露。
 さらに夏目漱石や川端康成など近代の文豪たちの奇抜な怪談など、
 さまざまな怪談“百話”を紹介する。

 【朗読】
 奥田瑛二,  野際陽子,  荒川良々,  富田靖子,  湯澤幸一郎,
 中村獅童,  水野美紀,  平岩紙,  與真司郎,  水野絵梨奈


 『シリーズ:妖(あや)しき文豪怪談』
  
 太宰治・川端康成・芥川龍之介・室生犀星。
 文学史に名を残した文豪たちにはもう一つの世界がある。
 数々の名作を執筆する一方心の闇に取り憑かれ、
 幻想的な怪談作品を書いていたのである。
 文豪たちが見つめた闇とは? 
 闇の彼方に見つめた真実とは?

 番組は文豪の怪談を大胆に映像化した短編ドラマと、
 文豪の怪談執筆の秘密に迫るドキュメンタリーで構成する。
 短編ドラマを撮るのは、
 世界でも評判の高い4人の日本人監督だ。
 文豪たちの妖しき世界が残酷で美しい映像となって今蘇る!

 ★8月23日(月)『片腕』☆
 (原作・川端康成/「パラサイト・イヴ」「シャッター」の落合正幸監督)

 『「片腕を一晩お貸ししてもいいわ」と娘は言った……』物語は、
 異様な世界観の中で進んでいく。
 日本初のノーベル文学賞に輝いた康成は、
 「心霊」「性愛」というモチーフを生涯追及し恋愛怪談に昇華させた。
 川端美学の中に潜んでいる妖しい魅力を伝えていく。

 ★8月24日(火)『葉桜と魔笛』☆
 (原作・太宰治/「鉄男」「悪夢探偵」の塚本晋也監督)

 屈折した罪悪意識がテーマの名作を残した太宰治。
 彼の怪談への執着は凄い。
 ベースにあるのは生まれ育った青森の独特の異界観だ。
 こうした原経験に罪の意識が織り込まれた怪談は独特の迫力がある。
 自殺する直前まで書き続けた太宰の怪談世界に迫る。

 ★8月25日(水)『鼻』☆
 (原作・芥川龍之介/「フラ・ガール」「悪人」の李相日監督)

 芥川が描いた「1つ目」の絵がある。
 幼い頃から彼が見続けた「目」だ。
 彼は生涯見続けてきた幻覚を怪談作品へ織り込んでいったといわれる。
 ドラマは、名作「鼻」の裏側に潜む怪談的怖さに焦点をあてた作品を目指す。

 ★8月26日(木)『後の日』☆
 (原作・室生犀星/「誰も知らない」「空気人形」の是枝裕和監督)

 「ふるさとは遠きにありて思ふもの……」の詩で有名な犀星は、
 金沢の町で私生児として生まれ生まれてすぐに養子に出された。
 家族の愛を求め続けるが子どもを生まれてすぐに亡くしてしまう。
 死別した親子の悲しい交流を描いたこの作品は、
 彼の人生が色濃く投影されている。

 <資料:2009>

 *日本怪談百物語(その壱):NHK総合/デジタル総合
 ~2009年8月15日(土)翌日午前0時35分~翌日午前4時(放送終了)

 夏と言えば身の毛もよだつ恐い話。
 これは、真夏の真夜中から朝まで日本の怪談を語りつくす番組。
 夏の夜、怖い話で「ぞっと」して暑気払いするのは、
 私たち日本人の伝統文化。
 江戸時代から四谷怪談・皿屋敷といった怪談が受け継がれてきた。
 また小泉八雲が描いた怪奇文学「怪談」も日本の民話などから採取した物語。
 食人鬼・青柳の話など、日本人の恐れの源泉が見えてくる。
 一口に怪談といってもその描かれた背景や世界は様々。
 もちろん、ただ恐怖を感じさせるものばかりではない。
 恐怖の裏に当時の人々の想いやメッセージが込められている。
 さて真夏の夜。
 怪しいお寺の本堂に集まった老若男女10人。
 周囲には100本のろうそくが……。
 一つ話すごとに一本ずつ吹き消していく。
 最後に100本目のろうそくを吹き消すとはたして何が?
 夏の夜が明けるまでなんと3時間半。
 日本人が伝えてきた怪談話を追体験。
 本格的な講談や名優たちの絶妙な語りでたっぷりと震え上がっていただく。

 【朗読】
 一龍齋貞水(講談師・人間国宝)、加賀美幸子(フリーアナウンサー)、
 蟹江敬三(俳優)、小倉久寛(俳優)、緒方恵美(声優)、
 国生さゆり(女優)、松下由樹(女優)、
 山崎バニラ(活動弁士)、半田健人(俳優)、溝口琢矢(俳優)。

 10人はそれぞれ趣向を凝らしながら個性的な語りを披露する。
 「四谷怪談」「雪女」「耳なし芳一のはなし」など、
 2人がペアを組み朗読芝居の趣をなすものもお送りする。

 
 
<資料:2010>

 最恐!怪談夜話2010
 ^2010年8月7日(土)BS2 午後11時~翌1時(放送終了)

 昨年8月にBS2で放送した「最恐!怪談夜話」は、
 「現代の怪談」をとりあげ再現ドラマや心霊写真など、
 ほかの怪談番組にありがちな演出を一切排除。
 現代怪談を話芸ととらえ語りだけで恐怖を視聴者に伝えた。
 「怪談の真髄は語りにあり」という精神で制作した番組は、
 多くの怪談・オカルトファンさらに一般の視聴者からも高く評価された。
 今年も前回に引き続き「現代の怪談」を取り上げ好評であった演出をいかし、
 話芸としての怪談を楽しむスタイルを貫く。
 放送時間も90分から120分に30分拡大。
 最恐の怪談コンビ・佐野史郎・荒俣宏を今年も司会に迎え、
 新たな語り部(現代怪談の達人)を加え語りをグレードアップ。
 さらに、
 怪談とともに怪談トリビア(豆知識)の解説も充実させ、
 120分間、じっくり、たっぷり怪談を楽しんでいただく。
 BS2の夏の風物詩「最恐!怪談夜話2010」に乞うご期待!

 【司会】
  佐野史郎、荒俣宏

 

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