すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。

私がソーシャルブックマークにネガコメを書かない4つの理由

2007-12-11 11:46:21 | メディア論
 私は議論が大好きな人間だ。だけど個人的信条として、相手の反論権が担保されない場では相手に対して否定的なことはあまり書かない。いや別にモラルがどうたらの話じゃない。反論がこない状況では、議論にならないから気が乗らないのである。

ソーシャルブックマークのコメント欄は文字数制限があることと、レスを返せないという2点がブログ本体のコメント欄より劣っており、それがブロガー自身に悪印象を与えるようなコメントに結びつくことも多いのではないだろうか。

●北の大地から送る物欲日記『ブックマークコメントを見る視点での違い』


 文中で筆者のhejihoguさんは、ネガティブ・コメントを4つに分類した上でこう分析している。おおむね同意できるご意見だ。ソーシャルブックマーク(以下、SBM)は機能上、自由に相手と往復書簡を送り合い議論する仕様になってない。

 だからブクマ・コメントで異論・反論を述べられると、批判された側には言われっぱなし感が残る。このへんは以前、アスキー連載『ほめる“はてブ”、けなす“はてブ”』(ASCII.jp)でも書いた通りだ。

 で、自分の考えを整理するのにちょうどいい機会なので、今回はネガコメに関して私の個人的な意見を書いてみる。

■私は仕様に合わせたコメントを書く

 前述の通り、SBMは議論するのに向いてない。ただし私はだからとって、SBMのコメント欄が議論できる仕様になったほうがいいとは必ずしも思わない。

 なぜならSBMはあくまでブクマするためのものであり、議論が目的のサービスではないからだ。実際、議論するためにブクマを使ってるユーザはいないんじゃないだろうか? 

 で、議論ができない仕様であるならそれはそれで、その仕様に合わせた内容のコメントを書くのがベストだと私は考える。

 相手の反論権が担保されない状態(議論に向かない仕様)であるにもかかわらず、相手に対し否定的なコメントを書くのは私は好きじゃない。だから私はネガティブなブクマ・コメントはほとんど書かない。

 ただし誤解を避けるために言っておくが、私は別に「相手を批判するな」と主張してるんじゃない。冒頭に書いた通り、私は議論が好きな人間である。

 だから記事に異論を述べて議論しようと思ったときには、自分のブログを使う。ブクマ・コメントじゃなくブログでエントリを立て、相手に反論トラックバックを送る。これなら双方向の議論が成り立つ。うちの過去ログを読んでもらえばわかるが、こんなふうに議論したケースは何度もある。

 さて、もうひとつ但し書きをつけたい。

 以上のことは、あくまで私の個人的な信条である。私は自分の私的ポリシーを他人に押し付けるつもりはない。「少なくとも私は」ネガティブなブクマ・コメントは書きません、というだけの話だ。

 また私がここで言ってる「ネガティブ・コメント」とは、ekkenさんの定義にかなり近い。(誹謗中傷じゃなく)相手に対する異論・反論は、正当なネガティブコメントであると私は考えている。

■私ならこういうブクマ・コメントは書かない

 さて抽象論が続いた。話をわかりやすくするためには、具体例をあげるのがいい。そこで私なら書かないだろうブクマ・コメントの実例を、2件だけ紹介する。

【モデルケース1】

 以下は、私のアスキー連載『信頼できる「場の空気」はいかにして生まれたか? 「発言小町」に見る読売新聞社のCGM観(後編)』にいただいたsuVeneさんのブクマ・コメントである。

「んで、いかにして生まれたんだ」

 これは私の原稿中で、「信頼できる場の空気がいかに生まれたか?」の理由が明示されてない(とsuVeneさんが感じた)ことに対するツッコミである。その意味では正当なコメントだ。

 だけど私がその理由をあらためて説明するのは、字数制限がある上にブログより双方向性の落ちるブクマ・コメントでは無理だ。たとえば可能な限り短く、suVeneさんのご意見に反応してみよう。

-----------------【短く反応してみた例文】---------------------

「A=Bである」のような形では明示してないが、傍証は文中に複数箇所書いてある。傍証を並べ、直接的にはあえて言わないという書き方は、文章技法のひとつとしてありえる。そこを読み取ってほしいのだが残念だ。

----------------------------------------------------------

 文字数にして99字である。これ、なんのことだか意味わかります? おまけに説明すべきポイントは例文に書いただけでなく、ほかにもあるのだ。だけどもちろんブコメ欄には書ききれない。

 もちろん「自分は書きたいブクマ・コメントを書く。反論があるなら、相手は自分のブログで異議申し立てすればいいじゃないか」てな議論はあるだろう。だがツッコミが書かれたその同じ場(SBM上)で、かつ双方向のやり取りができるのでなければ、エキサイティングな議論にはならないと私は考える。

 したがってsuVeneさんが書いたブクマ・コメントは、私ならば書かない。(ただし私以外のほかの人が書くかどうかは、私のあずかり知らぬところである)

■SBMは自分の文章を解説する場ではない

 次は、私のブログ記事『ソーシャルブックマークで忘れがちな3つのこと』にいただいたululunさんのコメントだ。

【モデルケース2】

『エントリにするときに忘れがちな事「それ、本当にそのシステムだけに言える事?」意図的かもしれないけれど、松岡さんのソーシャルブックマーク「だけ」を取り上げるやり方は謎ですらある』

 私は上記の記事の冒頭で、「ソーシャルブックマークを使っている時にそれが顕著だ」とは書いた。だが「ソーシャルブックーマだけに言える現象である」てなことはどこにも書いてない。

 さらに文末では、「個室感覚と広場感覚がグレーゾーンなケースはソーシャルブックマーク以外にもいろいろありそうだ」とまとめている。

 また上記の記事はSBMに言及するのが主題なのだから、SBM「だけ」を取り上げるのは当然である。

 SBMが本題であることは、文中の冒頭に書いた「その意味でブクマ・コメントを書くときに、うっかりしがちな3つのケースをあげてみよう」の一文を読めば明らかだろう。

 で、こういう反論(自分の文章の解説)を同じSBM上にエンエンと書き、また相手から再反論をもらい、てな仕様には、SBMはなっていない。したがってululunさんがお書きになったようなコメントも、私ならば書かない。

 誤読されそうだから念押ししておくが、両コメントに反論するのが今回の主旨ではない。本エントリの主題はSBMにおけるコメントのあり方論議と、それに関する私の個人的スタンスである。

 たまたま記事の主旨にマッチしたので、話をわかりやすくするために2つの実例をあげた。誤解なきように。

■議論が成立しなきゃおもしろくない

 さて、まとめよう。

【ネガコメに対する私のスタンス】

 私がSBM上に異論をあまり書かない理由は以下の通りだ。

1. 字数制限その他の制約により、SBM上では自分の意図を完全に説明しにくい
  (相手に異論を述べる場合には、特に十分な説明が必要だと私は考える)

2. 機能上の特性から、SBM上では双方向の議論がしにくい

3. 議論とは、相手の反論権が担保された状態でやるものだと私は考えている
  (でなきゃおもしろくない)

4. 上記1~3の理由により、SBM上では私の考えるスタイルの議論が成立しない


【本日の結論】

 正当な異論・反論をやり取りする議論は、大いに結構である。だけど内容がいくら真っ当なネガコメであっても、双方向の議論が成立しない状況、または何らかの理由で相手の反論権が担保されない状態であれば、私は相手に対して異論を述べるコメントを書かない。

 ただしこれは私の個人的信条であり、他人に押し付けるつもりはない。

【関連エントリ】 (今回の後編的な記事です)

『SBMのネガコメは「言わせてもらうが反論するな」メソッドだ』

『「SBMでは異論・反論しない」なんて私は言ってないぞ』
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