すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ブラジルW杯 2014】 リアクションサッカーか? アクションサッカーか?

2014-07-05 08:42:03 | サッカー戦術論
単純な二元論はまったくのナンセンスだ

 ゆうべブラジル・ワールドカップを放映中のテレビの解説者が、「今回の大会はカウンター狙いのチームが多い。となればこの大会はリアクションサッカーが正しいのか、アクションサッカーが正しいのか、という結論が出る大会になるでしょうね」的なニュアンスのトンチンカンな解説をやっていた。

 どうも日本のサッカー界には、「どちらが正しく、どちらがまちがっているか?」という単純な二元論でしかものを考えられない人が多い。だがこんな思考法はサッカーじゃまったくのナンセンスだ。例えば「個か? 組織か?」なんていう無意味な二元論の議論と同じである。だってサッカーにはどっちの要素も不可欠なんだから。

 そもそもサッカーには絶対的な「正解」なんてない。そりゃ数学みたいに「正しい答え」がひとつしかないなら、どのチームもそのやり方を踏襲するはずだ。だが現実にはそうなってない。これはなぜなのか?

 複数の正解が成立しうる競技であるサッカーでは、どちらの戦い方が「より自分たちに向いているか?」が常に問われる。つまり比較論の問題であり、「どちらが正しいか?」なんていう単細胞な正邪の問題ではない。

 チームを構成する選手個々のキャラクター(特徴)と、彼らが複合的に組み合わさりチームとなった場合のキャラクター(方向性)、そして指揮する監督の資質や戦術的な志向性、さらには相手チームのスタイル。この4つの要素を総合的に考えた場合に、

1. 自分たちにはリアクションサッカーが向いているか?
  (リアクションサッカーをしたほうが、自分たちの資質がより引き出されるか?)

2. それとも自分たちにはアクションサッカーが向いているのか? 
  (アクションサッカーをしたほうが、自分たちのキャラがより生きるのか?)

3. 相手チームが格上でポゼッション・サッカーをしてくるなら、リアクションサッカー(引いてカウンター狙い)をする。

4. 相手チームが格下で、引いたサッカーをしてくるならアクションサッカー(ポゼッション・スタイル)で行く。

(一例だが)こういう柔軟な発想をしない限り、日本のサッカーは永遠に世界で勝てないだろう。

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