すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【なでしこ無気力試合】批判している人は矛盾に気づいてない

2023-11-04 08:49:59 | サッカー日本代表
「ドーハの悲劇」で日本はいったい何を学んだのか?

 私はこの件に関して賛成でも反対でもないので取り上げるつもりはなかったのだが、気が向いたのでひとこと言及してみる。

 ネット上ではすでに大騒ぎになっているので説明は不要だろう。なでしこジャパンが来年のパリ五輪出場をかけたアジア2次予選・ウズベキスタン戦の件である。

 この試合、なでしこジャパンは2点を取り2-0とリードした時点で、準決勝で強豪オーストラリアと当たるのを避けるため、それ以上、点を取るのをやめた。で、70分間以上、彼女たちはただひたすらボールを回して時間を消費した。これが「無気力試合だ」として批判されている。

 ここでちょっと思うのは、では1993年10月28日に行われたイラク戦、つまりあの「ドーハの悲劇」で日本はいったい何を学んだのか? ということだ。

 それは「勝ち試合を勝て」「勝ち試合を殺し切れ」である。

「時間をうまく使え」が教訓だったのでは?

 あのドーハの悲劇でのイラク戦。試合終了間際まで日本は2-1で勝っていたのに無理攻めし、相手ボールになった。で、イラクのCKから「一発」を浴びて2‐2の同点とされ日本のアメリカW杯行きは露と消えた。

 あのとき日本中で巻き起こったのは、「日本はリードしているのに、なぜボールを安全にキープしてうまく時間を使わなかったのか?」という指摘だった。

 つまりドーハの悲劇のときは日本中が「なぜ攻めたのか?」と批判し、かたや、今回のなでしこジャパンの無気力試合では「なぜ攻めなかったのか?」と批判している。

 まったく矛盾しているのだ。ダブルスタンダードである。

時間稼ぎの「さじ加減」で許される、許されないが決まるのか?

 いや、もしかしたら、こういう言い分なのかもしれない。

「ドーハの悲劇のときは試合終了間際だった。だから『時間をうまく使う』行為は許された。だが今回のなでしこジャパンのケースでは「70分以上」にわたり時間稼ぎをしたから悪いのだーー。

 こういうことなのだろうか?

 ではいったい、勝っているときボールを保持してうまく時間を使う行為は、試合が残り何分以内なら許されて、残り何分以上あれば許されないのか?

 もちろんそんな決まりなんてない。

 結局、この件を批判してる人は論理性も何もなく、その場の「情動」や「気分」で叩いているだけじゃないのか? そんな気がする。

 実はこの問題を究極的に突き詰めると、「勝つためのマリーシアを認めるのかどうか?」という壮大なテーマに行き着く。マリーシアを認めない人は「正々堂々と戦え」と言ってなでしこジャパンを叩くし、認める人は叩かない。そういうことでしかない。

 つまり両者は永遠に交わらないのだ。

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