あなたは自分が読みたくなる記事をどうやって探しているだろうか? 私はけっこうソーシャルブックマーク(SBM)頼りだった。だけど最近では、個人のニュースサイトを見返し始めた。『ゴリラブーツ』を知ってからだ。
『ゴリラブーツ』に出ている記事は、どれを読んでもおもしろい。たぶん管理人さんの物の見方やユーモアのセンスが、私の感性に近いのだろう。
同じことは、『駄文にゅうす』や『まなめはうす』を読んでるときにも感じる。
この自分にジャストフィット感というか、どれを読んでもおもしろいぞ。不思議だなあって感覚は、自分の嗜好に合うニュースサイトが見つかったときに独特のものだ。一方、SBMにはそんな感覚はない。
■ニュースサイトの管理人さんは「私小説作家」だ
この両者のちがいは、どこから生まれてくるのか?
ニュースサイトの場合、管理人さん1人が記事を選ぶからだ。ゆえに管理人さんの趣味が私に近ければ、そのサイトには私の好きなものばかりが並ぶ。
だが一方、SBMは嗜好のちがういろんな人が、それぞれの「好き」を持ち寄る場だ。だからニュースサイトとくらべ、自分だけのどれを読んでもおもしろい感がない。(そのかわり多様性に富んでいる)
もうひとつ特徴をあげよう。ニュースサイトは製作者がいい意味で、一方的に価値判断して情報を送り出す。その意味ではネット媒体というより、むしろテレビや新聞、雑誌などの既存メディアに近い。
もっと言えばニュースサイトの管理人さんは、ユニークな主観が売り物の「私小説作家」みたいなものだと思う。
かたやSBMは、情報の受け手が同時に送り手でもある。Web2.0的なユーザ参加型メディアだ。だからニュースサイトとちがい、出てくる答えにある程度の客観性がある。人々の最大公約数をチョイスするのにいい。
しかし自分だけの「好き」に出会うには、その最大公約数の答えの中から、さらにまた自分の目で選び出す必要がある。
両者のちがいを端的に表現した言葉である。
■記事の選び手はセンスが偏ってる方がおもしろい
以前、エントリ『偏った視点でブログを目利きする「必殺選び人」待望論』(2005年・4月18日付)の中で、ブログのセレクター(選ぶ人)についてこう書いたことがある。
つまりポジティブな意味で偏ったセレクターに相当するのが、ニュースサイトの管理人さんなのである。
「私」にとっては素晴らしいのに、「あなた」が読んでもおもしろくない。そんな落差のあるニュースサイトほど、存在価値があると私は思う。
■はてブの「お気に入りユーザー」も理屈は同じだが……
ところで前述した私と筒井氏の関係性から、何かを連想しないだろうか? そう、はてなブックマーク(はてブ)のお気に入り機能である。
自分と同じ記事をよくブックマークしている人を、「お気に入りユーザー」に入れておく。そうすれば「はてブ」でも、ニュースサイトと同じことが実現するはずだ。
あとはその人のブクマ一覧を見れば、どれを読んでもおもしろいぞになると思いきや……案外、そうでもない。
あくまで好みの問題なのだが、なぜか記事に当たりはずれがあるのだ。いったいどうしてだろう? 理由をつきとめようと前から首はひねっているが謎のままである。
まあそんなわけで、はてブ「注目のエントリー」や『はてブニュース』、『Alpha Clipper Clips』あたりをよく見ていたが、最近はまたニュースサイトにも目を通すようになった。『ゴリラブーツ』が私を変えてくれました、ってお話である。
【関連エントリ】 (今回の記事の後編的な記事です)
『書くときに役立つインスパイア源としてのSBM』
『ゴリラブーツ』に出ている記事は、どれを読んでもおもしろい。たぶん管理人さんの物の見方やユーモアのセンスが、私の感性に近いのだろう。
同じことは、『駄文にゅうす』や『まなめはうす』を読んでるときにも感じる。
この自分にジャストフィット感というか、どれを読んでもおもしろいぞ。不思議だなあって感覚は、自分の嗜好に合うニュースサイトが見つかったときに独特のものだ。一方、SBMにはそんな感覚はない。
■ニュースサイトの管理人さんは「私小説作家」だ
この両者のちがいは、どこから生まれてくるのか?
ニュースサイトの場合、管理人さん1人が記事を選ぶからだ。ゆえに管理人さんの趣味が私に近ければ、そのサイトには私の好きなものばかりが並ぶ。
だが一方、SBMは嗜好のちがういろんな人が、それぞれの「好き」を持ち寄る場だ。だからニュースサイトとくらべ、自分だけのどれを読んでもおもしろい感がない。(そのかわり多様性に富んでいる)
もうひとつ特徴をあげよう。ニュースサイトは製作者がいい意味で、一方的に価値判断して情報を送り出す。その意味ではネット媒体というより、むしろテレビや新聞、雑誌などの既存メディアに近い。
もっと言えばニュースサイトの管理人さんは、ユニークな主観が売り物の「私小説作家」みたいなものだと思う。
かたやSBMは、情報の受け手が同時に送り手でもある。Web2.0的なユーザ参加型メディアだ。だからニュースサイトとちがい、出てくる答えにある程度の客観性がある。人々の最大公約数をチョイスするのにいい。
しかし自分だけの「好き」に出会うには、その最大公約数の答えの中から、さらにまた自分の目で選び出す必要がある。
ニュースサイトにくるユーザーは管理人の趣向を求めてきている。
それに対し、SBMは(中略)集合知という観点から利用されることが多い。大多数のユーザーは多くの人が読んでいるニュースを読みたがってきている。
●tomityの日記『ニュースサイトとSBMの差は管理人主導か集合知重視かの違い』
両者のちがいを端的に表現した言葉である。
■記事の選び手はセンスが偏ってる方がおもしろい
以前、エントリ『偏った視点でブログを目利きする「必殺選び人」待望論』(2005年・4月18日付)の中で、ブログのセレクター(選ぶ人)についてこう書いたことがある。
思えば昔読んでいた作家の傾向は、10代から20代にかけてハマった筒井康隆の影響をモロに受けていた。筒井氏がエッセイなんかで「この作家の○○って本はおもしろい」と書けば、かたっぱしから買い漁ったものだ。するってえとあなた、ものの見事にそれは「おもしろい」のである。
つまり私が感じるツボと、筒井氏のツボはとても近いわけだ。だから筒井氏の選球眼に身をゆだね、巷にあふれる本をある程度、効率よく絞り込むことができた。
ブログにもこの理屈は当てはまるはずだ。
「客観的・中立的見地から選びました」じゃなく、「オレがおもしろいと思うものを独断と偏見で選んだ。なんか文句あっか?」的な、いい意味でのゴーマン・セレクター。もしそのセレクターと私のツボが似ていれば、きっとブログ選びがかなり効率的になるだろう。
つまりポジティブな意味で偏ったセレクターに相当するのが、ニュースサイトの管理人さんなのである。
「私」にとっては素晴らしいのに、「あなた」が読んでもおもしろくない。そんな落差のあるニュースサイトほど、存在価値があると私は思う。
■はてブの「お気に入りユーザー」も理屈は同じだが……
ところで前述した私と筒井氏の関係性から、何かを連想しないだろうか? そう、はてなブックマーク(はてブ)のお気に入り機能である。
自分と同じ記事をよくブックマークしている人を、「お気に入りユーザー」に入れておく。そうすれば「はてブ」でも、ニュースサイトと同じことが実現するはずだ。
あとはその人のブクマ一覧を見れば、どれを読んでもおもしろいぞになると思いきや……案外、そうでもない。
あくまで好みの問題なのだが、なぜか記事に当たりはずれがあるのだ。いったいどうしてだろう? 理由をつきとめようと前から首はひねっているが謎のままである。
まあそんなわけで、はてブ「注目のエントリー」や『はてブニュース』、『Alpha Clipper Clips』あたりをよく見ていたが、最近はまたニュースサイトにも目を通すようになった。『ゴリラブーツ』が私を変えてくれました、ってお話である。
【関連エントリ】 (今回の記事の後編的な記事です)
『書くときに役立つインスパイア源としてのSBM』