まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.先生の目標は何ですか?

2011-10-18 23:47:51 | 哲学・倫理学ファック
たぶん今年が初めてだと思うのですが、けっこう何人もの人から、
「先生の今の目標は何ですか?」 というような質問を頂戴してしまいました。
今年の1年生たちはどうしてしまったんでしょうか?
みんな自己啓発系の本とかにハマっているんでしょうか?
なんでぼくの目標なんかを知りたがるのだ?

ただまあ、「明日できることは今日やらない」 をモットーに生きている私としては、
こういう先の目標を見定める質問というのはとても有り難いもので、
今まであまり目標なんて考えることはなく、毎日を楽しくキリギリスらしく生きてきましたが、
学生の皆さんからこういうプレッシャーのかかる質問を頂戴して、
ちょっと先のことも考えてみる機会を得ることができました。
まずはそのことに対して看護学校の皆さんに感謝の気持ちを表明しておきたいと思います。

さて、それで私の目標ですが、しばらく何も思いつきませんでした。
やはり、できるだけ先のことは考えないようにして生きてきたからでしょう。
とはいえ、目標なんて何もありませんじゃカッコつきませんので、
なんとか考えてみました。
そこで思いついたのがまず1つ。

A-1.看護学校で使える教科書を書いて出版することです。

これは私の今の目標と言っていいでしょう。
長らく看護学校で使ってきた 『ホスピスの理想』 が絶版になってしまい、
ここ数年、看護学校では教科書を何も指定せずに授業を行っております。
これは不便であると同時に、たいへんもったいないことでもあります。
看護学校向けの教科書さえあれば、毎年皆さんに強制的に売りつけることができるのに、
それがないばかりに、『ホスピスの理想』 の数章をコピーして配付したり、
教科書をまったく使わずに授業をしたりしているのです。
うーん、なんてもったいないんだ。
早く教科書を書いて出版しなければ!
これは数ある私の目標のうちの1つだと言っていいでしょう。

しかし、この目標を達成するためにはその前に別の目標を達成しなくてはなりません。
それを終えないうちは、教科書を書くという目標に着手することができないのです。
その目標は何かというと、

A-2.博士論文を完成させる

これですっ!
これがなんといっても喫緊の課題です。
これがすまないうちは、教科書なんて書いている場合ではありません。
博士論文というのは、これまであちこちで書いてきた論文を使いながら、
それらをまとめたうえであれこれと加筆して、一冊の研究書として出版したもののことです。
もうずーっとこの仕事に取りかかっていますが、なかなか仕上がらずにいます。
こいつをまず片付けてしまわないことには、別の仕事に手を出すことができないのです。
というわけで、私の今の第1目標は博士論文を完成させることでしょう。
この仕事は人から依頼された仕事ではないので基本的に締切がありません。
締切がない仕事というのは、「明日できることは今日やらない」 をモットーに生きている私にとっては、
どうしても後回しになってしまうものなので、これまでなかなか日の目を見ずに来たわけです。
しかし、もうそんなことは言ってられません。
締切があろうがなかろうが、こんな仕事はとっとと終わらせなくてはなりません。
なにがなんでも近いうちに終わらせてしまいたいと思います。
これが今の最大の目標と言っていいでしょう。

しかし、まあA-1もA-2も個人的なちゃちな目標だと言ってしまえばその通りです。
私が教科書を出版して看護学生に売りつけようが、
博士論文を提出してうまいこと受理され博士号をいただこうが、
それで幸せになれるのは小野原雅夫個人のみであって、
みんながそれで幸せになれるなんていうことはまったくありません。
そんなもの、小野原だけのちっちゃなちっぽけな目標にすぎないということは
火を見るよりも明らかでしょう。
もうちょっと見栄えのいい目標はないのでしょうか?
あった、あった。ありました。
何年か前の代表質問に出されてお答えしたこともあったのですが、
こんなふうにお答えしておきたいと思います。

A-3.私の最終目標は世界平和です。

一気に話が壮大になってしまいましたね。
まあでも個人的な幸福を離れて、人類全体とも共有できるような普遍的な目標といったら、
もうこれしかないでしょう。
世界平和です。
多様で異質な人びとが互いの違いを認めあった上で、
それでも異質な他者たちとの共存を選択するというのが平和だと思います。
そんな平和がいつの日かこの地上に訪れるのではないか、訪れさせてみよう、訪れさせてやる、
それが平和を願う心にほかなりません。
私自身のちっぽけな夢なんかはいいとして、
できるだけ多くの人とそのスケールのでっかい夢を共有できることを夢見て努力していく。
こっぱずかしいですが、それが私の最終目標だと言えるでしょう。
「イマジン」 から出発した私は、けっきょくこの目標に帰っていくのでした。
自分がどれくらいあのときから成長したかわかりませんが、
その時々のベストを尽くして、あの目標 (=夢) に近づいていきたいと思います。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 福島に暮らし続けるということ | トップ | 緑が丘高校軽音楽部飲み »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
正戦争論 (サンデラー)
2011-10-19 17:52:05
月曜日の福大の講義、お疲れ様でした。お話が滑らかでしたので、体調が回復されたことと思います。よかったですね♪ さて、福大の「正戦争論」も2回終わりました。飛行機のフライトでいえば、1回目が「離陸」2回目が「巡航飛行」。3回目が「着陸」となりますね。「ソフトランディング」になるのかな…?私としましては少々ハードなのも、有りなのかなと思っています♪ それにしても、お疲れのはずの夜に長文のブログ。素晴らしいですね。ご本人は「キリギリス」だそうですが、どうしてどうして。やっぱり立派な先生です。福大でのあと1回、よろしくお願いします(^^♪
返信する
ハードランディング (まさおさま)
2011-10-19 23:58:32
サンデラーさん、コメントありがとうございました。
私の授業はソフトランディングをめざしていませんので、
どう転んでもハードランディングになるでしょう。
まあ、とにかく皆さんの思考を刺激し続けたまま、次の講義にバトンタッチできれば、
私の使命はちゃんと果たせたことになると言えるのでしょう。
これからいろんな先生方の話を聞いたとしても、ずーっと私の話を覚えておいて、
自分なりの正しい答えというものを、それぞれの立場で見出していただければと思います。
返信する

コメントを投稿

哲学・倫理学ファック」カテゴリの最新記事