たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

梅咲く郷に吹く花信風

2006-03-09 12:55:57 | Lyricism

「花信」花が咲いたという知らせ(広辞苑)。
いにしえの歌人たちが何千首も詠んでいる。
季風、日差しの微妙な変化への感性が、日本文化の精髄になっていた。

石ばしる 垂水の上のさ蕨の 萌え出づる 春になりにけるかも (万葉集 巻8‐1418 志貴皇子)
春されば まづ咲く宿の 梅の花 独り見つつや 春日暮さむ (万葉集 巻5‐818 山上憶良)  
妹が家に 咲きたる花の梅の花 実にし成りなば かくもせむ (万葉集 巻3-399 藤原朝臣八束)
梅の花 今盛りなり 思ふどち 插頭にしてな 今盛りなり (万葉集 巻5-820 葛井大夫)
袖ひぢて結びし水のこほれるを 春立つけふの風やとくらむ(紀貫之・古今集)

風綴り⑦ <四季・春の風>
春風 春一番 凱風 花信風 二十四番風 花風 梅風 そよ風 
微風 花吹雪 東風 こち吹く風 春嵐 田起こしの風 スギ花粉風 
募集 もっと教えて<春の風>

花粉症知らずに吹く杉の道
たにしの通る道でのあぶ句