たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

3冊目の女の子の小説です。近藤史恵著「たまごの旅人」

2022-04-29 10:51:35 | 本・読書
令和4年4月29日 今日は祝日「昭和の日です」
明日で一年の3分の1が終わります。
若い女の子の「お仕事小説」に嵌っている。



「和菓子のアン」坂本司著、
「天国はまだ遠く」瀬尾まいこ著に続いて、
近藤史恵著「たまごの旅人」(実業之日本社)です。

堀田遥さん。海外旅行の派遣添乗員です。
中学生のとき、両親と台湾旅行に行った。
そのときの添乗員さんの「素敵さ」に魅入られてしまった。



本人は、旅が好きだと思っていた。
「好き」なことを「仕事」にしたら、
こんなに楽しいことはないと思っていた。

スペイン語習得のため「アルゼンチン」にも留学した。
身分は「派遣」であったが、念願かなって、
「海外旅行添乗員」の職に就くことができた。



研修を終え最初の添乗は、
「アイスランドのオーロラ見物」になった。
2回目は「クロアチア、スロベニア9日間」

本書によると、スロベニアには、
「日本人98%が行かない国」というデータがあるという。
「たにしの爺」そんな記録があるなんて、全く知らない。

爺が今後、ヨーロッパに行くなら、
最も行きたいのはこの2国、思いを募らせながら、もう、
行くこともないだろう幻の国になっている。
「アドリア海」の陽光を浴びたい。

遥かさんが添乗業務をこなしながら、
スロベニアの首都・リュブリャナの風景、旧市街の佇まい。
ブレッド瑚、ボストナイ鍾乳洞見学などの記述は、
羨ましくも参考になりました。

次はフランスは「パリ」。
参加者、それぞれパリに描く想いは様々であったが、
現実に見たリアルなパリのギャップに戸惑うのだった。

そして、中国「西安・北京」にも行った。
ツアー一行の荷物が「ロストバゲッジ」で、
行方不明になってしまった。
荷物は無事に戻って「頤和園」「万里の長城」見学をした。



新米添乗員としては、かなりな、
ハードなスケジュールをこなした半年でした。
ツアーのお客さんには、「厄介な困った人」が必ず居ます。

わがままな人、同行者となじめない人、頼りたがる人、
体調を崩す人、なにかと不満顔をする人、身勝手な人、
「好きな仕事」に就いたはずだったが、滅入ることも多々であった。
遥さんは、そんなお客さんに寄り添い、健気に応えていくのでした。

そして最終章「沖縄のキツネ」
コロナ禍、旅行業界は「死の海」状態になってしまった。
派遣添乗員は真っ先に「お払い箱」です。

遥さんは、実家にも居にくくなって、
沖縄の寂しい海岸べりの寮で「缶詰状態」暮らし。
「コールセンター」のバイトに就いて、
糊口を凌ぐ羽目になったのでした。

看護師をしている幼馴染で親友の千雪さん。
添乗業務中にはスマホで「近況報告」をし合っていました。
そして、石垣島出身で東京で劇団研究生をしていたが、
帰ってきていた女の子、美鈴さんと知り合いになった。

遥さん、街に立って、スマホの画面に話しかける
「千雪見ている」「凄くきれいね」
チャットも入ってきた。
次に美鈴さんが「こちら竹富島です」
旅に出られない人たちに、リモートで動画配信プレゼント。
新しい旅行形態を予感させたエピローグでした。

「大型連休」が始まっている。
リアル旅行者が日本中に溢れていることでしょう。
コロナ分科会はGW後の感染急拡大に「要注意」。 

感染も。事故も。自己責任です。ご用心ください。
ご近所徘徊、図書館の本で「妄想旅行」が安全です。
読み終えたら、感想文の「綴り方教室」で痴呆予防です。

追記ーーきょう4月30日は「図書館記念日」
NHKの朝のラジオで30日は「図書館記念日」だと知りました。
そのような記念日があることを初めて知りました。
徘徊途中の公民館に併設の市図書館の分館は休憩に立ち寄り、
新聞、週刊誌で時間をつぶします。
大型活字の本を借り出したり、読みたい本を取り寄せたりしています。
感謝しています。ありがとう。

薫風、緑風、新緑滴る、藪ウグイス、日永

2022-04-26 13:23:30 | 頂き物
令和4年4月26日 山は笑い、新緑滴る徘徊の道。
20日に84歳になったからとは、思いたくはないが、
年の割に健脚だったが最近は、急に衰えを覚える。



90分、8000歩、5キロのノルマがきつくなった。
速度が遅くなり膝の痛みを感じるようになった。
昨日は、診療所で左膝にヒアルロン酸を打った。



この時期、徘徊の道を辿れば、新緑が眩しく、
ホーケキョ、山ウグイスが鳴き交わしている。
「歩けなくなる」そんな日を想像したくない。



「誕生日の励ましに」プレゼントが届きました。
長男家族からは「山形牛」のすき焼き丼セット。
次男家族からは「沖縄うまいもの詰め合わせ」。
三男家族からは「紀州有田の夏ミカン」ほんと?



今週末から「大型連休」が始まります。
身の回りの「危機管理」に注力します。
5月2日は「八十八夜」で、新茶です。

強さとは何か…「植物の生き方」を知る本を読んだ。

2022-04-20 05:08:06 | Weblog
令和4年4月20日 きょうは「84歳のお誕生日」でした。
昭和13年4月20日、千曲川と神川の合流する辺りで産声。
戦前戦中戦後の昭和の50年、平成の30年、令和4年まで。



「沈香も焚かず屁もひらず」大病もなく馬齢を重ねています。
これまで、これと言った「社会貢献」もなく誇る功績もない。
いまでは、老境の癒しとして自然の移ろいが、安らぎですね。



「たにしの爺」の日課は道野辺の徘徊と妄想です。
道すがら、花を見て、巨木を見て、芽吹きを見る。
目に入る圧倒的な景色は、植物のたくましさです。



落葉の秋から、枯木立の冬を越え、今は緑滴る季節です。
植物樹木なしには、人間も動物も生きられない。



自然界の悪知恵の頂点に立つ人間。
弱者強食、捕食、食物連鎖の動物。
草食動物に黙って食べられる植物。



その植物の「生き方」を知る本に出会いました。
稲垣栄洋著〖植物はなぜ動かないのか〗弱くて強い植物のはなし



(「強さ」とは何か?)本書の書き出しです。
そして(植物は動かない。目も耳もないし、手足もない。
考えたり、話したりすることもできない。)
それでは(植物は劣った生き物なのだろうか)と、問う。



さらに(植物はこの自然界を生きるために、
さまざまな生きる知恵や工夫を発達させている。
鋭い牙や爪を持っているわけではないので、強そうなイメージはなが、
植物は、この自然界を強く生き抜いている「弱くて強い」)
これが「植物という生き物のすがた」なのだ。と。



それでは「強さとは、いったい何なのだろう?」
本書は弱くて強い植物の生き方を教えてくれた。



植物は「光合成」で生きている。
太陽の光と根から取り入れた水とで、
「葉緑体」でエネルギーに変換して成長している。
「光合成」がなかったら、
地球上の食物連鎖に生きる動物は存在できなかった。



植物は動かない。これを植物の「固着性」という。
植物は自分で栄養を造れる(光合成)から、動物のように、
餌を求めて動き回る必要がない。
草食動物に食べられても、居心地が悪くても、逃げ出すことはできない。



そんな植物は「変えられるものを変える」ことだとう。
でも植物は「環境を変えたり」「移動したする」ことはできない。
それなら変えられるものは「自らを変える」しかない。
この変化する能力を「可塑性」という



その現場の環境に対応できるように変化をする。
「固着性」と「可塑性」が植物の生き方なのだ。
「食うか食われるか」食物連鎖の生物界の底辺に生きる植物。





雑草から巨木まで「生存戦略・環境適応力」をもって、
「動けない」強さで、「みどりの地球」を支えている。
「弱くて強い」植物なしに、動物は生きられない。
まして人間はなおさら、今朝のキャベツに感謝しよう。



本書には、もっといろいろ学んだことがありました。
徘徊妄想が日課の84歳になって、
樹木や、咲く花や、赤い実を見る楽しさが増えました。
植物って、素晴らしい。

いやー、本を見るって勉強になりますな~
図書館本です「ちくまプリマ―新書」







最後まで読んでくださった方に感謝します。
4月20日、今日の誕生日の花は「山吹」だそうです。
ゴールドですね。
花言葉は「気品」「待ち侘びて」だそうです。
納得。



女の子の小説は癒し、瀬尾まいこ著「天国はまだ遠く」

2022-04-11 12:03:02 | 本・読書
令和4年4月11日 知らなかった作家に出会いました。
大型活字の図書館本で瀬尾まいこ著「天国はまだ遠く」
世はまさに春。木々は芽吹き、萌えのグラデーション。

女の子が主人公の「和菓子のアン」(坂本司著)に続いて、
「天国はまだ遠く」(瀬尾まいこ著)を読みました。
「仕事に疲れて死にたい」女の子の旅路の果てに…。



主人公は「山田千鶴、23歳」保険の外交をやっている。
自分でも適職だと思って就職してみたが、
ぜんぜん契約が取れない。

上司には責められるし、周囲の人間にも嫌味を言われるし、
いつもノルマに追われて……苦しかった。
死にたいと思うようになっていた。

処方されていた睡眠薬を溜めて、死に場所を求めて、汽車に乗った。
タクシーを乗り継いで、着いた先は、丹後半島らしい、
「海と山の見える」半魚業農村の一軒民宿「たむら」。
一夜の宿を取って、身奇麗にして、睡眠薬を十粒飲み下し、床に入った。
すとんと眠りに落ちた。

ドアをたたく音がした。
「飯ができたけど、どうする、今日は食べるやろ?」
男の声がした。

目覚めは爽快だった。
爽やかな朝。窓越しに太陽がまぶしい。
こんな清清しい朝を迎えるは最近なかった。

千鶴は丸一日、32時間、「死んだように」眠っていた、と聞かされた。
千鶴は「死ねなかった」のです。
千鶴はその朝から、ちょっとむさくるしいけれど気さくで、
民宿「たむら」の爽やかな青年と3週間暮らすことになる。

20分も歩けば一回りできるような山に囲まれ海に面した集落。
出会う人たちとの交流や、民宿青年の生活に接していく感動。
千鶴が「文字通り生き返っていく」。
千鶴の心が、ここで生きていくことに馴染んでいった……
民宿の青年とも、いい関係……

「でも…、ここには自分の居場所がない」千鶴は旅立ちます。

民宿「たむら」の青年は、三途の川の渡しを守る「閻魔大王様」でした。
「千鶴さん、キミがここに来るのは、早すぎますよ」なんてね。



「たにしの爺」がこれまで好んで来た小説分野とは異質で、
お手軽に読めて、暇つぶしに格好な読み物だと知りました。
「文豪小説」との軽重の云々かんぬんいう気はありません。

「暇つぶしに、お手軽に読めて」なんて言い方も、
作者には失礼な言い方かもしれませんが、
若い世代に支持されている人気作家さんだと知りました。
「読ませる筆力」は大変なのもだと評価しています。
何せ、半日で一気に読んでしまったほど、面白かったです。

「女の子」という言い方も、最近のジェンダー風潮からは、
「禁句」なのかどうか、気になるところですが、
84歳になる「徘徊爺」ですからご容赦ください。

「死にたいと思う」重いテーマの小説でしたが、
「生きたいと思う」再生していく過程が納得できて、
恍惚の徘徊爺も「読んで良かった」一冊でした。

こういう本のレビューを「ネタバレバレ」で書いていると、
老耄の脳細胞が、生き生きと再生してくる感じになります。

散り残りの花が風に舞っています

2022-04-08 12:04:46 | Journalism
令和4年4月8日 今日は花祭りの日です。
仏教の始祖、お釈迦様の降誕を祝して行う法会・潅仏会。
「天上天下唯我独尊」と人間の尊厳性を宣しました。

この日、各地の寺では花御堂を設け、堂の中に水盤を置いて、
釈迦の立像を中央に安置し、参詣者が御像に甘茶を注いでお参りする。
甘茶をかけるのは、お釈迦様が誕生されたとき、
9つの龍が天から清浄の水を注ぎ、産湯を使わせたという伝説に由来するという。
(ネットからの引用)



爺はこの「花御堂」の実物に接して、
甘茶を掛け、お参りを経験しました。
公民館サークルの街旅で上野、清水観音堂を参りました。
舞台に花御堂が設けてありました。

いま、プーチンのロシアによる「戦争犯罪」によって、
人の業とは思えない「人間の尊厳」が踏みにじられています。
日ごとに「狂暴化するプーチン軍」。

自由で人権を至上価値とする「民主主義」大国が集まって、
「武器や軍資金」を提供するから、自分たちで戦いなさい。
ウクライナ人の悲しみ悲憤の日常から救うことができない。
「制裁で締め上げて」も「プーチンの狂気が増す」ばかり。

上野さくら、不忍ノ池、青柳の花と桜、神田明神、湯島聖堂

2022-04-05 10:41:50 | 社会見学
令和4年4月5日 今日は二十四節気「清明(せいめい)」です。
「すべてのものが清らかで生き生きしている」という意味を表す。
花が咲き蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃です。

公民館サークルの9人で久しぶりに上京して、
上野・神田の街歩きをしたことの続きを書いています。
清水観音堂から続いて「不忍池辯天堂」に向かいました。
辯天堂には「大黒天(だいこくてん)」が祀られています。



短い参道の両脇には、多彩な食べ物の屋台が並び、
参詣者でかなりの密状態になっています。
そのまま弁天堂への階段に繋がっています。
ここでランチを予定していましたが、
諦めて次に進むことにしました。





蓮池の中のサクラ並木も人の群れで、
ベンチも塞がっていて座れません。
異国の言葉もかなり響いてきます。
入国者制限数の緩和が進んでいる?ヤバいな~





しだれ柳の芽吹きが盛りで、サクラと花の競演で魅せます。
サクラ、青柳の芽吹き、スワンボートを見ながら、
池之端の交差点に出ました。



そこから受験生たちの聖地「湯島天神」に向かいました。
結婚式を挙げたばかりのお嫁さんを目の保養にして、
ようやくランチに摂ることが出来ました。
この後、神田明神、湯島聖堂を回りました。











二つの聖堂をつなぐ聖橋を渡たりました。
橋の下は神田川、中央線、総武線、地下鉄丸ノ内線が走っています。
ニコライ堂(ロシア正教)に向かいましたが、
門が固く閉ざされています。



プーチンのロシアの「ウクライナ侵攻」
と関りがあるのかと見ましたが、
「コロナまん延防止」で公開停止中でした。

今回の「聖地巡礼」は正月企画でしたが、
コロナまん延の自衛策で延期になっていたもので、
花の季節になって実行することが出来ました。

爺にとっては、
このコースは個人的に何回も徘徊していますが、
大勢(女性が大半)で季節も異なり、それなりに楽しめました。
やはりご近所、独り徘徊より、たまには、
遠距離徘徊がいいものだと実感しました。

上野公園さくら、清水観音堂、月の松、枝垂れ桜

2022-04-04 10:40:17 | 社会見学
令和4年4月4日 冷たい雨が降っています。
「寒の戻り」とかで、昨日から寒い日ですね。
散り始めた桜花が冷たい路上に濡れています。

2日の土曜日は奇跡的に好天に恵まれました。
公民館サークルで上野・神田をめぐりました。
久しぶりの活動再開で上京しての街旅でした。



住居の周辺でも、桜はいくらでも見られます。
でもやっぱり「上野のお山のサクラ」は違う。
座り込み宴会禁止でも人の群れが続いていた。





桜並木と人の群れが、ずーっと続いている公園の奥まで行かないで、
私たちはまず、京成上野駅から一番近い清水観音堂を拝観しました。
京都清水寺の舞台に模した舞台は狭く、拝観者で一杯でした。





ここは、歌川広重が「名所江戸百景」で描いた、
「上野山内月の松」を見ることができます。





本堂裏手には「秋色桜(しゅうしきざくら)」という、
江戸時代から知られる桜があるという。
この枝垂れサクラがそうだと思います??。





「サクラは上野に限る」なんて自問しながら、
私たちは「不忍池辯天堂」に向かいました。
陽光桜も見事でした。




(つづく)