たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

古代紅染色の代表・紅梅に吹く香風

2006-03-13 11:45:18 | Lyricism

紅梅は白梅より、少し遅く咲き出す。色香ともに日本人の精神性に深く関わってきた。歌に、菓子に、衣染色に。

東風吹かば 匂い寄こせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ
ときは延喜元年。前の右大臣菅原道真。京から筑前の太宰府へ向かう、都を離れる日、家族と好きな庭の梅の木に、前掲の歌を残して旅立った。主に梅が会いに行った「飛び梅伝説」

清少納言は「木の花は 濃きも薄きも、紅梅」と紅梅がお好き。

高浜虚子「紅梅の紅の通へる幹ならん」と、虚子は黒い枝に赤を観た。
そして鷹羽狩行さんは「紅梅や枝枝は空奪ひ合ひ」と実景を超す世界を描出している。 
たにしは「うめ焼酎」が好きだ。