印紙税が不要である、手軽に手続きができる等の理由で、契約手続きを電子化する事業者が増加してきています。
これ自体は時代の流れだと思うのですが、変革途上であることからこそ、色々と注意するべき事項があります。
本記事では、電子契約に切り替える場合に押させておきたい注意点を解説します。
弁護士 湯原伸一 |
印紙税が不要である、手軽に手続きができる等の理由で、契約手続きを電子化する事業者が増加してきています。
これ自体は時代の流れだと思うのですが、変革途上であることからこそ、色々と注意するべき事項があります。
本記事では、電子契約に切り替える場合に押させておきたい注意点を解説します。
弁護士 湯原伸一 |
使用者側(会社・事業主側)で人事労務に関するご相談を受けていると、ご相談者様において「勘違いしているな…」と思うパターンがいくつかあります。
今回は、そのパターンの内、
・従業員より、問題行動があった場合に違約金の支払い義務を定めた誓約書を徴収することは意味があるのか
・解雇予告手当を支払えば、解雇は自由に行うことができるのか
について、解説を行います。
従業員に対して違約金を課すことは可能か、予告手当を支払えば解雇可能か
弁護士 湯原伸一 |
社会的に衝撃の大きい事件・事象が発生した場合、結構な頻度で増える傾向があるのが、従業員の体調不良(精神疾患)への対応に関するご相談です。
ポイントを簡単にまとめてみました。
1.労災申請の有無の確認
最初に確認するべき事項は、従業員が労災申請手続きを行う意思の確認です。
というのも、労災申請するのであれば、申請結果を待たないことには、会社主導の対策を講じることが難しくなるからです(労災認定となった場合、解雇はもちろん、次に述べる休職制度の適用も不可です)。
なお、従業員が労災申請について特に触れてこない場合、あえて会社から健康保険制度上の傷病手当金の申請を勧める場合があります。これは形式上、傷病手当金は私傷病(労災ではないこと)を原因として申請手続きを行うためであり、将来的な労災申請を防止するための一手段として用いることを狙っていると考えられます。
2.就業規則の休職規定の有無の確認
労災申請の意思がないことが明らかとなった場合、次に就業規則の有無を確認してください。
その就業規則の中に「休職」に関する規定が存在するのであれば、以後は休職規定に従って処理を行うことになります。一方、就業規則は存在するが休職規定の定めがない場合又は就業規則それ自体が存在しない場合は、後述の4.を参照してください。
3.休職規定がある場合
まずは休職命令が発令できる条件(例えば欠勤が1ヶ月継続した場合など)を確認し、当該従業員が条件を充足するか確認します。
条件充足の場合、会社より当該従業員に対して休職命令を発令します。休職命令については言った言わない論争を避けるためにも、できる限り書面で発令することが無難です。この書面で一番明記しなければならないポイントは休職期間です。休職期間についても就業規則上明記されているはずですので、それを当てはめて記載することになります。
休職命令発令後は、基本的には従業員の回復待ちとなりますが、可能であれば1ヶ月に1回程度は連絡を取るなどして状況確認に努めるべきです。また、診断書の提出も促したほうが良いでしょう。
休職期間満了の2週間前くらいに、「休職期間が×月×日に満了するので、復職希望であれば主治医の診断書をすること」を当該従業員に連絡します。これについてもできれば書面で連絡することが無難です。
そして、休職期間満了時点で復職希望が出なかった場合(復職希望であっても診断書上復職可と判断できない場合)、就業規則の定めに従って退職処理を行うことになります(おそらく就業規則上は自然退職扱いになっていることが多いと思いますが、時々解雇扱いになっている場合もあるので注意が必要です)
4.休職規定がない場合
そもそも、労働者は会社に対して労務の提供を行う義務があるにもかかわらず、それができていない以上、労働契約を解除(解雇)されても文句は言えないはずです。そして、休職制度はその解雇をあえて留保する恩恵的制度にすぎない以上、休職制度が存在しないのであれば直ちに普通解雇することも、理屈の上では間違っていません。
ただ、ご承知の通り、解雇が法的に有効となるためのハードルは高いことから、任意で一定期間の間、休職制度に準じた取り扱いを行うことでトラブル回避を図るという作戦もあり得ます。その場合は上記3.に記載した手続きを実践することになります。
弁護士 湯原伸一 |
新年早々、大変なことが起こってしまいました。
被災された方々におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。
さて、小生なんぞにできることはたかが知れているのですが、過去の自然災害に対する例を踏まえると、官公庁が本格始動する明日以降、被災された事業者向けに様々な支援策が公表されると予想されます。
被災事業者が情報収集する上でキーワードとなるものを以下あげておきます。
◆災害救助法
・公庫または商工中金による災害復旧貸付け
・小規模企業共済による災害時貸付け
・セーフティーネット保証の特別適用
・既存債務の返済条件緩和
なお、これらの支援策に関する相談については、公庫・商工中金・商工会議所等に特別相談窓口が設置されるものと思われます。
◆激甚災害指定
・公庫による災害復旧貸付け利率引下げ
・中小企業信用保証の特例措置
なお、これらの支援策を受けるためには「罹災証明」が必要になると思われます。
本記事掲載時点では、経産省及び中小企業庁とも具体的な支援策を公表していませんが、明日以降、順次更新されるものと予想されます。
被災された事業者の皆様におかれましては、情報収集をして頂ければと思います。
弁護士 湯原伸一 |