弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

ほぉ、成立させたのか!

2019年10月29日 | 法律情報
前回の記事で、神戸の教職員によるいじめ問題で給与を止める条例が制定されるかも…という話題を取り上げましたが、


どうやら条例が成立したようです。



 ◆神戸・教員間暴行 給与差し止め条例改正案が可決、成立 30日にも施行する方針



個人的には色々と疑問はあるものの、加害者とされる教職員が直接条例の有効性を問うとなると、


世間からの非難は相当なものと予想されます。



そういう意味では、私のような外野の人間があれこれ言うのはともかく、この条例の有効性を裁判等で


直接問う人はいないかもしれませんね。。。


(会社側で労働問題を取扱っていると、どうしても痛い目にあいやすいので、こういった給与差止という影響力の

大きい処分については慎重に検討する癖=心配が、私にはついてしまっているのかもしれません…)








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これって通用するのかな?

2019年10月24日 | 法律情報
配信報道ベースでみる限りでは、行為態様としてはかなり酷いことをしているな…という感想しかないのですが、

(しかも公開された反省文は”なんじゃこりゃ!?”というもので、益々火に油を注いだような気が)


さてさて法律家の立場としてみた場合、「へぇ~(そんなことできるの!?)」というニュースが配信されていました。



 ◆加害教員の給与差し止めへ 神戸市、条例整備を検討




感情論(=多数の市民の声というべきか!?)からすれば、給料支払いをストップするのは当たり前だと思うのですが、


普段から労務問題を取扱う一弁護士としては、いろいろと問題が出てきそうな気がするんですよね。。。




ちなみに、民間事業者の場合、よく就業規則等に


「懲戒処分の調査期間中は出勤停止、出勤停止期間中は無給」


という内容の規定が設けられていることがあるのですが、本当に形式通りに適用しても大丈夫なのか私自身は疑問を持っています。

(ちなみに、私は経営者側の立場で労務問題を取扱うことが多く、上記のような規定が整備されていることは

経営者側として対処方針を組み立てるうえではありがたいのです。が、有効性については疑義があるので注意という

コメントは必ず行っています)




今回の場合、公務員関係であること、背景事情としてこういった場面での対応規定の不備であったこと、


条例による拘束といった民間とは異なる特殊な事情が色々あるのですが、なんだか気になります。




この辺りについては、労働問題に詳しい弁護士、特に労働者側で対処している弁護士のコメントも見たいところなのですが


何か出てくるのかな?


(もう何かしら出ているかもしれませんが…)





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増税にかこつけた契約まき直しは要注意!?

2019年10月17日 | 法律情報
クライアントが、賃借物件のオーナーより、


「消費増税に合わせた契約書を作成したので、新たにサインしてほしい」


と言ってきたので、念のためリーガルチェックしてほしいと依頼してきました。





一般的な賃貸借契約書であり、各条項の内容についても現在用いている契約書と同一だったので問題はないかな…


と一瞬思ったのですが、よくよく見ると、賃料の上げ幅が2%増税分より多い…ということに気が付きました。。。




クライアントには、増税分を上回る新賃料になっているので要注意であること、現在用いている契約書では


自動更新条項がついているので、新たな契約書に巻きなおす必要性は乏しいこと(締結義務もないこと)を


説明しておいたのですが、しれっと増税分以上の賃料が書かれていると、なんだかだまし討ちされたような気分になりますよね。。。


(オーナーが計算ミスしていたと一応は信じたい)






ちなみに、誤解されないよう念のため付言しておきますが、住居用の賃貸借契約の場合、消費税増税による賃料アップはありません。

(そもそも住居用賃料は非課税です)


上記は事業用賃借物件の賃料を前提にした話となります。

(でも、無知に付け込んで、住居用賃料だるにもかかわらず、増額を図ろうとするオーナーはいるかもしれませんので要注意かも…)






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裁判の次回期日を調整する際に「差支え」理由は述べるものなの?

2019年10月10日 | 経験談・感じたこと
ツイッター上で話題になっていたのですが、某弁護士が、育児休暇を理由に次回の裁判期日を少し先に


設定してほしい旨要望したところ、裁判官が強い拒絶感を示した…ということがあったようです。




育児休暇を理由に次回の裁判期日を先延ばしてよいのかという点については、色々と意見があると思いますので


その点は他の方々にお任せしたいのですが、私の場合、裁判所から打診を受けた次回の裁判候補期日について


調整が難しい場合(なお、業界用語としては「差支え」といいます)、いちいち理由を言わずに、


「その日は差支えです」


と一言言うだけで、特に理由は述べません。



そして、今まで、理由を述べないからと言って裁判官から何か嫌味等を言われたという経験もなく、


そのまま別の候補期日を打診してもらう…という流れなのですが、差支え理由って説明するもんなんですかね!?




約19年弁護士やってきて、それなりの実務経験は身につけたつもりだったのですが、私の実務感覚が


おかしいのかな…と思って記事にしてみました。








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現場の本音と法の建前

2019年10月04日 | 法律情報
現在世間を騒がせている某電力会社の現金等授受事件ですが、単純な現金等授受の問題にとどまらず、


受渡側の属性等がささやかれるようになって、ちょっと違う方向に行きつつあります。


このためか某電力会社に同情するような声もチラホラあがりつつあるようなのですが、


私のような法律家の場合、どうしても「蛇の目ミシン事件」を思い浮かべてしまい、う~ん…となってしまいます。


(※蛇の目ミシン事件の詳細についてはググってください)





仮に現在噂されていることが本当だとしても、蛇の目ミシン事件に代表される裁判所の判断傾向からすると


法律上の責任が免責される可能性は極めて低いのではないでしょうか。


ドライ(というより冷酷な!?)な考え方かもしれませんが…







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潰れるときはあっさり…

2019年10月02日 | その他
私が関与していた法人が、破産手続き申立てを行うという苦渋の選択をするに至りました。



あくまでも法務という観点から関与していたため、具体的な資金繰りやキャッシュバランス等の詳細情報までは


確認していなかったものの、直前まで何とかなるという話を聞いており、また新規事業がいよいよ立ち上がるということで


法務面での関与(かなり特殊な業種なので規制が多い)で忙しくなるなぁ…と思っていた矢先でした。




結局のところ、メインバンクより予定されていた融資が実行されなかったことが原因なのですが、


歴史のある法人が一瞬で吹っ飛んでしまった場面を見てしまいました。


(ちなみに、諸般の事情により、破産申立手続きは別の事務所に所属する弁護士が担当しています)




係属中の訴訟案件などもあるので、とにもかくにも悪影響を及ぼさないよう必要な処理を行い、


一段落したところなのですが、なんだか虚無感があります。



対処しようがなかったとはいえ、何かしら手助けはしたかったなぁ。。。






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