巨大都市ニューヨークはやはり災害に弱かった。
先週の月曜日(10月29日)にニューヨークを襲ったハリケーンサンディは天災が少ないと思っているニューヨーカー達に、また災害が起こってもたいした事はない直ぐに元の生活に戻るさ、と疑う事無く過ごしていた人々に対して強烈な警告を示したのである。
我が街エッジウオーター (EDGEWATER)はニューヨークの摩天楼が見渡せる川沿いの街である。この静かな街に対してもハリケーンは容赦なくその牙を剥いた。
ハリケーンがほぼ通り過ぎる頃、ランドクルーザーを駆って偵察に出かける。
いざ、出動!
そわそわするんだよなぁ、この野次馬根性(汗)
我が家の目の前の道には倒木が...
電信柱が完全に道を塞ぎ、送電を止める。
ああっー、こりゃー停電だわ、
無理やりむしり取られた木の枝がいたる所に散乱。
道の標識もちぎれて散乱。
生木の割れた新鮮な香りが痛々しい。
多くの道で通行止めをくらう。
街の主要道路は完全に麻痺状態。多くの大木が道に横たわる。
こりゃー時間掛かるな...。
ニューヨーク河口の水位が最高3メートル程上昇した。
川沿いに犇めく我が町のビジネスは多大な打撃を受けた。
池の中をトラックが渡っているのではありませんよ。
川沿いの駐車場です。
ニューヨークでの大洪水は大雨で洪水が起こったのではありません。
巨大な低気圧が大西洋の海面を広範囲に押したのが今回の洪水の原因でした。
ハリケーンの接近と平行した津波が押し寄せたのだ。
こうやって洪水は起こったのだ。
ショッピングモールは水に浸かり、多大な流物を残す。
停電、全てのお店は閉まる。
このままの状態が一週間以上も続くとは当初誰も予測しなかった。
皆、2.3日で回復するだろうという期待を持っていた...。
...しかし、
洪水を掻き分けゆっくりとランクルは進む。
水深は深いところで50センチ程。
バシャバシャとプールの中を走っている様だ。
楽しくても、楽しいなどとは言えぬ事情がある...この時は。
ニューヨーク市での被害はより深刻だ、
トンネルが塩水で浸かり地下鉄も不動、
人々は恐怖と不安を感じ続け闇の中で寒さに耐えた。
暴力的な風はピクニックテーブルを不本意に操った。
まさにモンスターが暴れたかのようだ。
ビジネスも多大な被害。
人の努力ではどうにもならない事も生きていれば起こる。
20ドル分のガソリン(約15リットル)を給油する為に2時間以上の行列に並ぶ。
(11月4日 日曜日 の朝6時より...)
深刻なガソリン不足が起こった、ガソリンの配達が出来ない。
飲料水及び食物の供給不足が1週間続く。
災害後の誰もが忍耐を必要とする期間だった。
アメリカでの生活でガソリンが無くなるという事は死活問題だという事を確信した。
我が街エッジウォーターは閉鎖されたのだ。
鎖国ではなく鎖街、
街が活動を止めた、活気は消えた...。
寒く暗い文明の利のない夜が続いたのであった。
それは人生の中でも一つのドラマの章であった様にも思う。
地に落ちた天使を発見...
...えっ、隠れようとしている?
ハリケーンサンディは多大な爪跡を残して去って行った。
それは上手くは表現出来ないが、この時を境に時代が変わったような気持がしている。災害意識が宿ってしまったようだ。安定した近代的な環境はたった一晩で失ってしまうという認識が芽生えた。
こうして平和な秋は一日にしてその様相を変えたのであった。
ことですね
意外と スクラップ アンド ビルド か!?
とも思った。
ただ、おじさまが元気そう(ですよね?)で何よりでした。
一刻も早い復旧を祈るばかりですw
本日車屋で働いている友達と話をしたら、いいのか悪いのか車が物凄く売れて在庫が無いとの事。 ニューヨークに陸揚げされたトヨタ車の内4000台が水に浸かってダメになったらしい。他のメーカーの車の数も考慮すると相当の数の新車が日の出を見ないで消えて行った様だ。
車は売れ続けているが手渡す車が無い現象が起こっている様です。
これも一つのハリケーンの現象ですなあ。
と、思った。