今週はマサチューセッツのボストンに滞在しています。暑い夏が終わったボストンの始秋の今は大変過ごしやすく快適な気候です。学生の街ボストンはこの9月から夏休み明けの多くの学生達が街に帰ってきたことも有り活気があります。街を取り巻く環状道路の朝夕は先を急ぐ車で溢れ、何処に行くにも渋滞に巻き込まれるのが日常の光景です、そんな渋滞はアメリカの多くの街でも経験する事ですが、ボストンではその渋滞の隙間をバックパックを背負った自転車が途切れなく流れてゆきます。住宅街の信号で停止していると車の屋根やボンネットにコン、コーンと大きなドングリが落ちてきて車体を叩き跳ねて転がって行きます。渋滞の車の列の横をジョギングする人々が追い越して行き、コーヒーを手に持った人々が早足で通り過ぎて行く。そんな住宅街での交通渋滞のクルマの中では庭先に泊まっている車を観察する事が一つの楽しみである。一台の緑の美しいメルセデスベンツSLコンバーチブルに目が留まった。一般的にクルマの美しさというのはその固体の存在のデザインを捉える事なのであろうが、このベンツSLの存在からは住宅街を含めた全体美を感じた。住宅の敷地の一角に泊まっている一台のクルマは多くを語らず(言葉で)とも、多くを語って(心で)いる様に感じた。ベンツSLの存在は交通渋滞は似合わないが、緑に囲まれた住宅街の敷地は最高に似合っていた。